昨年からスタートした「LIVE WORLD inまつやま」。山形県飽海郡松山町で開催されるこのバンドコンテスト。山形県の庄内地方はもちろん、県内各地から多数のバンドが参加。アマバンコンテストとしては非常に珍しい地方市町村主催、というイベントである。しかしながら最優秀バンドには賞金5万円、優秀バンドにも3万円を用意するなど、ここ数年音楽による町おこしに力を入れている同町ならではの気合の入りよう。会場となる「かみのやま競馬」の場外馬券場、「ニュートラック松山」にはオーロラビジョンが常設されており、なかなかの雰囲気。「うまかBOW」がこんなおいしいイベントに参加しない訳がない。
第1回目の昨年、「うまかBOW」はUFOネタで登場。「Shoot Shoot」 「Doctor Doctor」という鉄壁の布陣。大舞台になればなるほど燃える、「うまかBOW」。例によって破天荒なステージを展開、おおいに客席をわかせたのでした。賞はなんでもいい。とにかく楽しんで行こう、という打ち合わせ通り、例によって破天荒なステージを展開。おおいに客席をわかせたのでした。それが良かったのか、結果はなんと最優秀バンド賞。バンドとしては初の一等賞獲得に全員が歓喜したのであります。
さてその日次点の優秀バンド賞を受賞したのが、バンド仲間の「プラスティック・ソウル・マシーン」の面々。当然その夜は合同祝勝会、とあいなりました。ふと気がつくと一件めですでに賞金は飲み代に消え、お足すら出ている状況。君たちちょっと飲みすぎだよ(笑)。なにせあの酒を飲まない(意外?)高橋禎彦君ですら口にしたのですから。記念すべき夜なのでよしとしましたが、今思えばもうちょっと使い道があったような。
最優秀バンドは翌年のゲスト、という昨年の話を信じていたメンバー。しかしラジオスポットが始まり、ポスターが貼られ出しても、いっこうに主催者からのオファーがない(笑)。確認して見た所、スタッフや審査員等が変わった、とのこと。それなら答えは簡単。じゃあコンテストに出場する、ということで(笑)。こうして2年連続のエントリーとあいなったわけであります。
'97ポスターに「うまかBOW」が登場。クリックで拡大します59K
1月の鶴岡ミュージック村15周年記念コンテストとほぼ同じ審査員、ということを考慮して今回はグランドファンクネタが選ばれ、準備万端、と思いきや、当日ドラムの新舘君が所用で参加出来ないことが判明。はたして、ドン新舘の穴を埋める人物は存在するのか?… しかし、運のよいときはどこまでもよいものだ。今年の春に活動を休止していた昨年の優秀バンド賞を受賞した「プラスティック・ソウル・マシーン」。そこのドラムの板垣新弥氏にピンチヒッターの快諾を得たのだ。かくしてここに「ドン板垣」が誕生し、役者はそろった。
変則メンバーを克服すべく繰り返される練習(たった2回ですが)。ドン板垣にはドン新舘がつきっきりでカウントの声の出し方、ズラやモミアゲの付け方がレクチャーされていく。こうして本番当日を迎えた。
いつも通り、リラックスして本番を待つメンバーの中で一人だけただならぬ雰囲気を漂わせている男がいた。そう、他ならぬドン板垣である。今回からドン用に用意されたサンバ袖(写真参照)。これを自らの手でサテンのシャツに仮縫いをしする姿は真剣そのもの。ズラをかぶって座っている時も自然と笑みがこぼれている(笑)。そんなにうれしいものか、と首をかしげるメンバー達の予感は良い方に的中した。出待ちの間のドン板垣に人気が集中。「写真撮らせて下さーい」などと寄ってくる人も現れ、もはやディズニーランドのミッキーマウス状態である。いやはや思わず嫉妬する他のメンバー。勝負に勝って板垣に負ける、とはこのことかってなんのこっちゃ(笑)。さて当日の司会はFM山形の奥山知寿子アナ。この7月から同じFM山形でパーソナリティーを始めているボーカルの高橋ファーナーにエールが送られる。「Rock'n roll soul」、「American band」が演奏が終わり、大勢の観客を前に最高の雰囲気。見覚えのある星条旗も振られている。本当に気持ち良かった。
気がつけば出場者の中で最年長だった「うまかBOW」。子ども相手に大人げないと言うなかれ。その我々と同年代のミュージシャン山口岩男氏がゲスト。客席で盛り上がる我々に呼応するがごとく、熱い弾き語りを展開してくれた。曲のエンディングをSmoke on the walter風にすること数回。面白いけどちょっとノリすぎか(笑)。そして審査発表。早坂 実氏の「不良おじさんの二連覇です。」のコメントにメンバーが狂喜乱舞したのは言うまでもありません。おおうけだったのが松山町町長さん。賞状授与のとき、UMAKABOWを「最優秀バンド、ウメクラブ殿!」と言い放ちました。いやーお茶目でよろしい(笑)。
コンテストに出る意味はなんなのか。通常コンテストには主催者の意向や利権、審査員の趣味や好みなど様々な要素がからみます。本来音楽はテクニックやそんなものだけで順位をつけるものではない、と我々は考えています。しかし地方であればあるほど、ライブよりもコンテスト形式のイベントが多くなっている。これも事実なのです。いい年してこんなバンドもいるんだぜ、という存在アピール。そしてどんな形式であれ楽しんでやること。大事なのはそこだ、と痛感しているところです。ここまで「うまかBOW」を持ち上げてくれたファンの皆さん、スタッフ、そして家族に心から感謝しています。さあ来年も出るぜ(笑)!
今年の賞金はどうしたって? あえて明かさないでおきましょう。あー二日酔い(笑)。