「うまかBOW」3年目の「LIVE WORLD in まつやま」

果たして三連覇はあるのか?
恒例のエントリーとなった
LIVE WORLD in まつやま。'96年、'97年と2年続けて最優秀バンドを獲得している「うまかBOW」にとって、話題はその事に集中していた。
前年とうってかわり、今年の会場は小高い山になった「眺海の森」に特設されたステージである。
心配された天候にもめぐまれ快晴。まさに絶好の野外ライブ日和である。そしてそこには朝9:00過ぎから一番乗りで仕込みに入る「うまかBOW」の面々がいた。ステージ脇には
高々とセッティングされた2台のバスドラムいままでのネタでは使われたことのないギター。今年は何が飛び出すのか?
出演者はもちろん、スタッフの間でも妙な期待が高まってゆくのがわかる。

昨年までと違って、今年、98年のエントリーは25バンドと多い。ひとつ、またひとつとエントリーバンドが演奏を終えてゆき、いよいよ「うまかBOW」の出番である。司会を務めるFM山形でお馴染みのパーソナリティー、奥山嬢とは何度も顔合わせをしており、ほどよい突っ込みが炸裂する中、セッティングが完了した。


小気味良いハイハットにのって登場した男。
半ズボンのスクールボーイスタイルギブソンのSGギター。そう!アンガス堀の登場だ!
今回のコンテストに「うまかBOW」は
新ネタとなるAC/DCのコピーで勝負を挑んだのである。
クリス新舘のドラムはかつて見たことのないようなスリーバスのセット。ボーカルのブライアン高橋今までの歌唱法を大きく変えたスクリーミングボイスクリフ金子はもくもくとボトムラインをはじき出し、キーボードとの掛け持ちの多かったマルコム今野はリズムギターに徹している。とまどっていた観客もぐいぐい引き寄せられていく。何もかもが新しくそして新鮮なパフォーマンスだった。
すべてのバンドが演奏を終わり、審査発表の時が来た。
上位3バンドは僅差だったという。思わず緊張が走る。結果「うまかBOW」は次点となる優秀賞の受賞となった。やはり新ネタの初演ということで若干のぎこちなさがマイナスとなったのだろう。3年連続最優秀ならず!
しかしながら
ステージに駆け上がる「うまかBOW」のメンバーは本当に満足げな、晴れがましい笑顔を見せていた。そしてその笑顔には理由があったのだ。

今回3年目の挑戦にあたり、バンド内でミーティングが行われた。
いったい何のネタでチャレンジするのか、である。
やりなれたネタでうけを狙い、賞をとりに行くのか?はたまた、かねてから全員がやりたくてうずうずしていた新ネタで行くのか?答えは簡単に出された。後者である。後者の場合、賞をとりにゆくことはあきらめたほうが良い、ということを知った上でだ!
そう、今回の「うまかBOW」は
賞を度外視しても、自分達のやりたかったネタを披露したのである。その結果の優秀賞。これを喜ばずにいられようか!
また、この日の
最優秀賞を獲得したバンド「やる気まんまん」をはじめ、入賞したバンドはこれまで「うまかBOW」とずっと活動を共にしてきたバンド。まさに二重の喜びだ!
賞を狙うことも大事だ。しかし
バンドにとって一番大事なのは、自分達に正直に、そして楽しんでやること。結果はあとでついてくる。「うまかBOW」のメンバー達自身がそれを確認し、誇りをもてた、そんな3年目のライブワールドin松山だった。

思わぬ追い風にヅラがあおられ視界がゼロに(笑)。

さて来年は?もう語るまい(笑)。この日「うまかBOW」は審査委員長の関氏から最大級の賛辞を与えられた。「うまかBOW、もう来年は出ないで下さい!」(笑)
そしてそれを受けて
ブライアン高橋は受賞のインタビューでこう叫んでいる。「来年もよろしく!」

伝説は続く。お後がよろしいようで。チャンチャン!


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