【本日のツアーで訪れるグエノの墓のグエノに関して】

written by Sofia




 グエノとはアバタールコンパニオンイオロの妻、Gwenno FitzOwen(グエノ・フィッツオーエン)のことで、フルネームはGwenllian Gwalch'gaeaf(グエンリアン・グウォリッチガーエフ)と言います。グエノは愛称です。

 アバタールコンパニオンとはウルティマシリーズでアバタールを助ける8人の仲間のことです。その8人は8つの徳にあてはめられ8つの街と神殿の保護者となっています。
イオロはブリタニアの中心ブリテンの養護者であり、吟遊詩人で弓作りの名人です。また愛の原理、慈悲の徳を信奉しています。

 グエノはその弟子であり、妻であり、吟遊詩人でまた弓作りの名人でもありました。単なる主婦ではなく、闘う主婦というのがこのグエノです。実はこの二人はウルティマシリーズの中でも数少ない、地球出身者で、ウルティマ1から出てくる重要な登場人物です。

 そしてグエノと言えばUOのメインテーマ「ストーンズ」(曲がわからない人はこちら参照。)の作詞者として有名です。もちろん作曲は旦那のイオロです。

ストーンズの歌詞を紹介しましょう。

「遠い昔、夢追う民に光ありき、その民、情と意思と力を持てり、
かれらは大地を動かし、石を削り、山を造り、川を通した。
そしてわれは立つ。このウィルトシャーの平原に。

かかる巨石の柱を並べたる、いにしえの民よ。
そは何者なるや、いかにして造りたもうたか。
夜になにをなされたか、昼になにを祈られたか、
このウィルトシャーの平原に立ちてわれ思う、
この思い通じたるならば、いかなる秘密を教えられんや、
ちまたの喧騒は押し黙らん。

しかし石は語らず、いにしえ人の来る気配なし。
凍てつくウィルトシャーの大地に黙然とたたずむのみ。
霧に織り込まれ、歳月の帯は巻かれゆく

しかしわれは同胞に言う。「彼らはここにいる」と。
彼は我々をここに作りて、訳を告げず、この世を去れり
今はただ、ウィルトシャーの草原に立ちたるを感ずるのみ。」(

 イオロ、その妻グエノ、そしてロードブリティッシュとアバタールは地球から召還された人達です。この「STONES」には、遠い過去を思う気持ちと同時に、遠い故郷を思う気持ちもこめられているようです。ロードブリティッシュはストーンヘンジの近くでムーンゲートを発見し、ブリタニアに連れ去られました。この詞はストーンヘンジとブリタニアの関係を歌った歌かもしれません

 そして「ストーンズ」という曲には特殊な力が秘められていたようです。ロードブラックソンの圧制時代にはハープシコートでこの曲を弾くと、秘密の部屋の鍵が開いたそうです。またウルティマ6ではギルドに入るための試験として登場します。合格するためにはパンパイプを作りこの曲をを弾けるようにならなくてはなりません。そしていつしかブリタニアの国民歌謡となりました。

 さてグエノが何故死んでいるかですが、UOはウルティマシリーズのどこかの時代を平行移動したものではなくて、全てのウルティマシリーズを凝縮してひとつの時代に押し込めています。だからウルティマ1からウルティマ9までの物語の断片がUOの中に登場します。
 実は、ウルティマ7に続く物語で、UOシリーズ最大の敵であるガーディアンの支配する宗教団体のボスの追跡を、何故かロードブリティッシュからグエノが受け、グエノはサーペンツアイルに出かけて行き殺されてしまうという物語があります。(彼女はその後のシリーズで蘇生されました。)多分この墓はその時の断片を表しているのでしょう。

イルシェナの彼女の墓は名誉ゲートから北上した先の川沿いにあります。その墓石にはこのように刻まれています。
『In loving memory of Gwenno - You were my muse; I am your legacy.』(グエノとの愛の記憶をここに―貴女は私のミューズの女神そのものです。私は貴女の志を継ぐものです。』

 ミューズの女神とはご存じのとおり音楽を司るギリシア神話の女神であり、musicの語源になった人です。

 この地はバードの聖地として用意されました。バードを目指す人は一度はここに来なければなりません。またこの地に用意されたモンスターはバードにより倒すべく用意されています。

 どうぞバードを目指す方、弓使いあるいは弓作りを目指す方、必ず御参加ください。その他の方も地球からブリタニアに赴き、女性戦士としてブリタニアの平和のために闘ってきた愛の化身グエノの物語に今宵、感謝を込めて献花をいたしましょう。
                      (2003.5.4)