日本蛙名所その1 　紀州カエル旅

紀州カエル旅
　
　２００４年９月、南紀白浜へ行ってきた。カエルとは関係がない用事があって行ったのだが、ついにあの有名なカエル橋を見てきた。
　ケロリンは飛行機が大っ嫌いで――「そのわりにはよく海外旅行行くわね」とイヤミ言われたりするが（笑）――、今回も当然列車で行く事にした。そこへ知り合いからタイミングよく一回分余っている『青春18きっぷ』をもらい、無料（？）で行く計画を立てた。18きっぷで特急や急行や新幹線に乗るには特急券の他に改めて乗車券を買わなければならないので、時刻表とにらめっこして、延々普通列車を乗り継いで行くことにした。
　埼玉の家を午前８時過ぎに出てそれから１８時２０分過ぎまで、延々ＪＲの普通列車に乗りっぱなし。埼玉から京都の近くまで行ったが、もー疲れたのなんの。埼玉→赤羽→東京→熱海→静岡→浜松→大垣→米原→京都方面と乗り継いだが、熱海から浜松間がホントに各駅停車でけっこうしんどかった。他は快速が走っていて快適だったけど。
　翌日、京都から特急くろしお一号に乗って「御坊」という駅へ。なぜこの駅に行ったかというと、紀州鉄道が走っているから。御坊駅から終点の西御坊駅まで２．７キロと超短い鉄道だが、日高川までの廃線跡もほぼ残っていてマニアの間ではけっこう人気。車両もとってもレトロで昭和の香りプンプン。
　泊まったホテル『ビジネスホテル紀の国』はすぐ横を紀州鉄道が走っていて、部屋の出窓の下を列車が――といっても車両は一両だけ――ガタゴトと走り抜けていく。鉄道ファンにはとってもＧＯＯＤなホテル。
　とりあえずホテルにチェックインして駅に向かう。いよいよきのくに線（紀勢線）に架かる『かえる橋』を見に行く。『かえる橋』とは何かというと、ふるさと創成基金を使って建てられたカエルの形をした橋。最初にこの橋のことを知ったのは数年前の新聞記事だった。
　駅弁のいなりずしを食べて、『かえる橋』のある印南駅に各駅停車で行く。というか、各駅停車しか止まらなくて、それも一時間に一本くらいしかないワンマンカー。ＪＲの列車でワンマンカーなんて初めて乗ったぞ、おい。いや、稚内以来か…。
　しかし、何にもない田舎にでで〜んとカエルの形をした橋があるのはちょっと変。特急も止まらない、特に見どころもない印南にこの橋だけが異様に目立つ。カエル・ファンの私は大喜びだが、普通の人はどう思うだろうか。近くの郵便局には、赤いポストの上に黄色いカエルがのっている。
　その後は御坊駅に戻って第二の目的である紀州鉄道に乗る。あっという間に終点へ行き廃線跡を歩き回る。廃線跡は独特の雰囲気があって、いい。沿線の住民が線路を庭代わりにして植木を並べてたり、おばちゃん達が椅子を並べて世間話に興じていたり……。こんな機会がなかったらたぶん訪れていなかった場所だと思うけど、個人的にはおススメの場所だ。
　翌日は御坊から白浜へ。しかし紀伊田辺まで行く列車は多いものの、白浜まで行く列車が少なく、しかたなく特急で白浜へ。そこで友人と会って、ホテル古賀の井へ。荷物を置いて路線バスに乗り観光に行く。暑い……じっとりして暑い……。青い空に青い海、白浜はまだまだ『夏っ！』していた。
　観光して、バスでホテルまで戻る途中で大きなカエルの看板を見つけた。薬屋の大きな看板でなかなかかわいらしいカエルが描かれている。あっという間に通り過ぎてしまったので写真を撮ることが出来なかった。ぜ、絶対また行くぞー。
　ホテルで温泉を満喫し一泊した翌日は、南方熊楠記念館などを見て紀伊田辺へ。熊楠が生涯を過ごした家へ向かう。けっこう広い家で、散策するにはちょうどいい庭もあるが、何といってもジトジトしている気候ゆえ、蚊がムチャクチャ多い。カエルも数多く棲みついていたことでしょう。
　次に高山寺というお寺に向かい、熊楠の墓に合掌。暑い中、紀伊田辺のビジネス・ホテルへ。紀伊田辺ではヒキガエルに見えるからひき岩群と名付けられた岩とか、カエルの像がある橋などカエル名所を歩く。他にも闘鶏神社とか海岸とかをさんざん歩き回る。
　翌日は特急に乗って例のカエル橋を眺めつつ大阪へ。大阪からはさすがに新幹線に乗って帰る。いや〜帰りは早かったなー……ははは。