ManchesterUnitedの独走で幕を閉じた2000-2001プレミアシップ。わずか3ヶ月足らずの
オフシーズンを終え、いよいよ8/18(土)より新たなシーズンが開幕します。
優勝の行方
昨シーズンはぶっちぎりで優勝したマンチェスター・ユナイテッドの優位も今年は揺るが
ないでしょう。今シーズンのストーブリーグの話題も一手に集め、ファン・ニステルローイ(蘭)
をイングランド史上最高額で引きぬいたと思えば、その記録を自ら一月後に塗り替え、今度は
ベーロン(アルゼンチン)を加えました。攻撃陣は特に充実しており、ニステルローイの
パートナーとしてはヨーク、コールのほかにポール・スコールズの名前があがります。
中盤はイングランドのエース、ベッカムの魔法のようなクロス、ワンダーボーイ、ライアンギグス
のミラクルドリブル、そして新たに加わったベーロンのパスワークと魅力あふれます。
また、ディフェンスは去年これまた大金で引きぬいたスタムが控え、完璧な布陣です。
これだけのメンバーを抱えるチームは国内にはなく、もはやマンUの焦点はプレミアリーグには
なく、目はヨーロッパ制覇に向けられているようで、ライバルはユベントスやミラン、
ローマ(伊)、バイエルンミュンヘン(ドイツ)、レアル・マドリード、バルセロナ(スペイン)
といえるでしょう。
マンUに次ぐのがロンドンのアーセナル。財政上、マンUほどの補強は出来ませんでしたが、
イングランドNo1DFのキャンベルをはじめ、ファン・ブロンクホスト(蘭)、
フランシス・ジェファーズ(仏)、ジュンイチ・イナモト(日)など充実した補強を見せました。
また、残留が決まったビエラをはじめ、アンリ、ピレス、シルベスターらフランス勢中心の
布陣はまとまりがあり、マンU追撃の体制は整いました。
なにより昨シーズンは無冠に終わった名将ベンゲルの巻き返しが見物です。
そしてニューキャッスル・Utd.、リバプール、トットナムホトスパーズ、リーズなどが
優勝戦線に絡んでくるでしょう。この中で面白いのがリバプール。マンUはもちろん、
アーセナルと比べてもメンバーは劣りますが、オウエンをはじめ若い選手が多く、
波に乗れば快進撃があるかも。昨シーズンはFAカップの決勝でアーセナルをオウエンの二発で沈めました。
最強軍団のマンUに対抗アーセナル、そしてそれらを追うニューキャッスル、リバプール、
リーズ、トットナム、という構図でしょうか。また、マンU、アーセナルの、
欧州チャンピオンズリーグでの活躍も見所です。
地元チーム
Mがすむバーミンガム近郊のチームでは「バーミンガム・シティ」と「アストン・ビラ」が
あります。バーミンガムCは現在ディビジョン1(2部)で、昨シーズンはプレミア昇格のプレー
オフにまで進出しましたが、あと一歩及びませんでした。アストン・ビラはバーミンガムの
中心街からちょっと外れたビラ・パークを本拠地とするチームで、1874年創立は現在プレミア
在籍中のチームの中では最古。リーグ優勝7回、FA優勝カップ7回、またチャンピオンズリーグの
優勝も一度ある古豪ですが、ここ数年間は優勝争いにも降格争いにもかかわらない中堅チームという
印象がすっかり定着してしまいました。ただ、サッカーブームの巻き起こる以前、テレビ東京系で
放映されていた唯一のサッカー番組、「三菱ダイヤモンドサッカー」(世界のゲームからいくつか
ピックアップしてだらだら放映する番組)で登場することが多く、エンジに水色のツートンカラーに
胸元に編み込みのあるユニは、古いファンにはなじみがあります。
攻撃は元フランス代表のジノラ中心。左サイドの専門化です。実力的には問題ないのですが、
自分中心の考え方に周りとの連携がどうか。また、'98フランスで活躍したモロッコのハッジの
加入は心強い。スピード、テクニックで一大旋風を巻き起こしたモロッコの進撃を記憶の方も
多いでしょう。相棒のハッサンも同時加入しています。それから10番を担うマーソンはMは
知らなかったのですが、ある濃厚なVILLAファンの方の推薦で注目です。一方、守備陣は
キャプテンのサウスゲートを中心に良くまとまっています。と思ったらサウスゲート、
移籍してしまいました。が、ここに来て、デンマーク代表のゴールキーパー、ピーター・
シュマイケルの加入が決まりました。37歳という高齢が気になりますが、現在世界最高の
キーパーの1人であることには間違いなく、大きな戦力アップとなるでしょう。
そしてこれらの選手を率いるのが監督のグレゴリー。フロント、選手、ファンからの
信頼が厚く、長期政権の様相です。長期にわたって1人の監督が指揮をとるチームというのは
安定した力を発揮するか、監督が独裁者になるかどちらかですが、VILLAは前者であることを
祈りましょう。メンバーを別表に。
シーズンチケットも買ったし、優勝争いはともかく、上位争いには食い込んでもらいたい
ものです。
日本人選手
中田の活躍で日本人にも目を向け始めた欧州サッカー市場。今シーズン、プレミアーリーグは
一気に2人の日本人選手を抱えることになりました。
稲本淳一はガンバ大阪より、いきなり優勝候補のアーセナルに移ります。ポジションは中盤やや
後ろ目のボランチ(ディフェンシブハーフ)とよばれる位置で、試合全体をコントロールする、
近代サッカーでは最も重要な役割を担います。ここにはフランス代表のパトリック・ビエラという
名手がいましたが昨シーズン監督と確執、移籍がほぼ確実視されていたため、稲本はビエラの
後釜(候補の1人)と見られていました。が、ここに来て急転直下、ビエラの残留が決まり、
稲本の立場は苦しくなりました。別にボランチを2枚おいてもかまわないし、稲本だって他の
ポジションもこなせるでしょうが、ピレス、ブロンクホストら他の中盤選手も実力は稲本より上。
アーセナルは今年も欧州チャンピオンズリーグに出場するから試合数は多く、出番もあるかも
しれないが、W杯イヤーだしコンスタントな出場が望まれますがちょっと難しいでしょう。
もう1人、西澤明訓は昨シーズンをスペインで棒に振った後、今シーズンからプレミアに昇格した
ボルトンというチームに加入します。ぶっちぎりの降格候補であるチーム力を
考えれば十分レギュラーをとれると思うし、日本人には珍しく、高さとうまさを兼ね備えている
だけに、カウンター中心となると思われるチーム戦術において前線でのキープ力は間違いなく
勝利に貢献できるはず。願わくは、初代表選出からずっとついてまわるチキンハート(弱気の虫)が
顔を出しませんように。
ここ数年、リーガ・エスパニョーラ(スペイン)、セリエA(イタリア)とともに世界の
トップリーグの位置にいるプレミアシップ。今シーズンはそれに日本人選手の活躍、
という興味も加わります。開幕はいよいよ来週8/18。世界最高峰のフットボールを
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