PART10〜セルチュークへ〜

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 パムッカレから約3時間。バスはクシャダスのそばの町、
セルチュークに着く。ここからさらにクシャダスに行っても
いいし、ここで宿をとってクシャダスに遊びに行くという手
もある。まだ午前中で、今までの移動と違って余裕がある。
バス停で降りるなり声をかけてくる人物がいた。
「私の名前はユウゾーさんだ」
ホテルの勧誘だ。どこの町もおんなじだなあ。
「私のホテルに来い。晩めしつきで$7.5だ。ほら、この本に
ものっている。」
差し出された本は「地球の歩き方」。つくづくよく利用される
本だ。まあ、悪いことは書いてない。ユーゾーさんというのは
以前泊まった日本人が付けたらしい。桃が「$7 O.K.?」と聞
く。我々にも段々図太さが出てきた。ユーゾーさんはちょっと
考えて、「おほーけへー」と笑いながら言った。あからさまに
信用する愚はもう犯さないが、どうやらいい人のようである。
「この値段は君たちだけね。アメリカ人やドイツ人は$10ね。」
こういうところが信用できないのだが。
 ユーゾーさんの甥という、マッチョな男についていく。歩い
て10分ぐらいだそうだ。まだ完全に回復してない桃がしんどそ
うなのを見て荷物をもってくれたりして、なかなかいい奴だ。
話を聞くとこの辺一帯はユーゾーさんのファミリーで経営して
るらしい。

 ホテルに着いた。外観はまあまあだ。部屋を見せてもらおう。
なかなか清潔な部屋だ。あれ?シャワーがないぞ。トイレ、
シャワーは共同だって? 「地球の歩き方」と書いてあること
が違うじゃないか。おや?よく見たらホテルの名前が違うじゃ
ないか。違う所へ連れてきたのか?そこに電話が入る。マッチョ
がとってMに渡す。ユーゾーさんだ。「済まない。さっき言う
のを忘れていたが私のホテルはいつも人気があって8:00に一杯に
なってしまう。そこは私の親戚のホテルだ。」冗談じゃない。危
うくだまされるとこだった。そんなことを忘れるはずがないじゃ
ないか。「ここで$7 は高い。ほかを探す。」 「ちょっと待って
くれ夕食付きだぞ。」「いや、結構。」そしてマッチョに電話を
代わる。マッチョは何やら話した後、「じゃあ、別のホテルを
紹介する。」
 ちょっと疑わしい気もしたが断りきれず、ついていく。
そして「EYUP FAMILY HOTEL」と書いてあるホテルに入っていく。
シャワー、トイレ付き。部屋も綺麗で、ベランダ付き。値段は
夕食付きで300bin(600円)で、さっきと一緒。ここに決めよう。

 下に降りていくと、ホテルの兄ちゃんがいた。高校生ぐらい、
夏休みの間、バイトでもしてるのだろうか。にいちゃん曰く、
「これから雄三さんの店に行こう、彼にガイドブックを借りる
といい。」
「ガイドブックなら持っている。」
「いや、もっと素晴らしいものがある。」
 ちょっと変な気もしたが特に断わる理由もないのでついていっ
た。この兄ちゃんは割と英語が上手で、雄三さんは自分の母親の
従兄であること、自分は日本に彼女がいること(またか)などを
話した。おまけに彼女の写真を見せてもらった。その娘の名前を
忘れてしまったのが悔やまれる。その写真が免許か何かの白黒の
証明写真のようなもの。渡されるのがこんな写真ならば「彼女だ」
というのもマユツバだと思うが、とりあえず
「What a beautiful girl!!!!」
と言っておいた。

セルチュークの青果市場。

 雄三さんの店は何と、というか、やはり、というか、絨毯屋
であった。とにかくホテルと絨毯屋を一緒に経営している人
は多いようだ。しかしそこでは特にじゅうたんを勧められる
わけでもなく、観光スポットや、海への行き方、飯の場所な
どを教えてもらい、コーラをおごってもらった。案外いい人
かも。因に「雄三さん」の由来は加山雄三に似ていることか
らだそうだ。分からないでもない。ここに来る日本人は皆、
彼を雄三さんと親しみをこめて呼ぶそうだ。ほんまかいな

 さて、昼飯を食べなければならない。データベース仏の話
によると、この辺はピザがおいしいらしい。まだしんどさの
残る桃を残し、三人で町に出る。町は小さな観光地だが
KAPPADOKIAほど田舎という感じではなく、市場などがあって
非常に活気がある。小綺麗なレストランがいくつかあって、
その内の一つに入った。ケバブなどもあったがやはりここは
ピザだろう。英語が通じず、TAKE OUTを伝えるのに変なジェス
チャーを使ったりしたが何とか通じたようだ。注文した後、
大きなかまどで焼く。ふと見ると、先に注文したおばちゃんが
段ボール箱ぐらいのピザを持って帰ろうとしている。

帰り道。バラック小屋のような市場の前を通ると、果物を売って
いる。日本の果物屋と違って種類が少ないがどれも美味しそう
だ。バナナをくれ、というと、天秤で重さを測って値段を決め
る。のんびりした雰囲気に包まれる。

油ものを控えるためにピザを食べない桃を尻目に、我々はゴー
ジャスなピザを頬張る。桃はひたすら雄三さんから借りたガイ
ドブックを見ている。兄ちゃんの言った通り、ガイドブックは
現地の人が買いたものでとても詳しく、面白い。

 午後、どうするか色々考えたがエフェスの遺跡や海などは明日
にまわして今日は近場をまわることにした。

聖ヨハネ教会跡
エーゲ海沿岸はヘレニズム文化の影響が強い地域である。従って
モスクなどは一切無く、この教会のように西洋文化の建築が多い。
トルコというよりはヨーロッパの、例えばギリシャのような
イメージである。

考古学博物館
ここに展示されているのもほとんど西洋文明のもので、ローマ、
ギリシャなどに見られる石像などが目立つ。

 どうも皆元気が無く、早々と宿屋に引き上げていった。グダグダと
過ごしているとユーゾーさんがやってきて食事につれていってくれた。
ユーゾーさんの他のホテルの旅行者と一緒に食事をするのかと楽しみに
していたがどうやら我々だけで行くようだ。知り合い、あるいは親類の
ピザ屋のようで、なかなかボリュームのあるおいしい料理だったが、
昼間と同じくピザを食べる羽目になった我々はちょっと食傷気味で
あった。雄三さんも一緒に食べるのかと思いきや注文した後とっと
とどこかへ行ってしまった。なんだか変な「食事付き」である。

 夜、ピザ屋から帰る途中、道端のテレビでサッカーをやっているのを
見た。トルコではこのようにホテルやレストランの前にテレビを置いて
皆でサッカーを見るという、モアイの喜びそうな風景がよく見られる。
そこでホテルに帰ってロビーのテレビでその試合を見ているとホテルの
おっちゃんがテレビを庭に出してしてくれた。おっちゃんは英語ができ
なかったが、やはりサッカーは世界の共通語のようだ。

 しばらく試合を見ているとホテルの従業員の子供の女の子がやって
きた。
 IREMとはまた違った、ヨーロッパ系の顔立ちの美人候補である。
名前を聞くと、アイシェ。誰が教えたのか、片仮名で自分の名前を
書くこともできた。この子がどうしようもないおてんばで、言葉が
全く通じないのにやたらちょっかいを出してくる。数日前にテレビ
で空手の番組をやっていたそうなのだが、それに影響されたのか、
正拳突きを繰り返す。中でも仏が集中的にねらわれた。子供でも自
分より弱い生き物は本能的に分かるようである。

アイシェに攻撃を受けて喜ぶ仏

 

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