PART15〜ブルサへ〜
早朝5:30ブルサ到着。オトガル(バス停)から町の中心で
あるウルジャミー周辺までは
ところが、タクシーを降りてみたものの、誰もいない。呼び
込みどころか道行く人も、他の旅行者も、人っ子一人いないの
だ。予想外のブルサの攻撃に我々はしばし戸惑う。ブルサはパ
ムッカレやセルチュークと違い、わりと都会で大きなビルやホ
テルが並ぶ。その中に取り残されてしまった。
そこで、取り敢えず「地球の歩き方」に書いてある、HOTEL
IPECTUを目指す。本には場所がちょっとだけ分かりにくいとあ
ったが、実はすごく分かりにくかった。それでも何とか見つけ
出したのが6:00前後。ところが鍵が掛かって開いてない。どう
しようかと迷ったが、他のホテルを当たることにする。最初に
見付けたのは今までに見たこともないようなオンボロホテルで
とても泊まる気にはなれず、次のはやや高級めでちゃんとフロ
ントにも人がいたが、部屋が一杯だといわれる。そうこうする
内に7:00をまわり、もう一度IPECTUを見ると開いていたので何
とか落ち着くことができた。このときフロントのおっちゃんは、
英語ができず、フランス語しか話せなかったのだが、何とか通
じるものである。
一段落した後、我々は観光に向かう。ブルサの町はバックに
ウルダー(ウル山)という大きな山を控え、緑の多い、神戸の
ような町である。歴史的にはオスマン帝国がティムールを破っ
た後、西方遠征をはじめた際、最初の首都を置いた場所として
重要だが、町は近代化しており、あまりそういった印象は受け
ない。
ウルジャミー
(free)
市外の中心部にあり、20の小さなドームと2本のミナレット
(尖塔)をもつ、ブルサ最大のモスク。
イェシェル霊廟
1414年ティムール軍からオスマン帝国を奪回した王として
知られるメフメト一世の墓。内部はブルーで統一されて美しい。外人
のツアーと重なったため写真が撮れず。
イェシェルジャミー
(free)
メフメト一世の建てたモスク。同様に青で統一されている。
トルコ民俗博物館
10bin(20円)
オスマン期の生活用品から武器まで揃っているが別に面白くも何ともない。
ひと通り観光を終えた後、昼飯にする。前々から決めていた、
「イスケンデル」という料理だ。パンの上に敷いたドネルケバブ
にたっぷりとヨーグルトをかけたもので、セルチュークで知り合
った竹田君によるとブルサが本場らしい。適当な店に入り、注文
する。やや高めだったが(250bin、500円くらい)、なかなか美味
しく、単純な仏は泣いていた。
午後。ブルサの町の後ろにそびえるウルダーにある、ロープウエ
ーに乗ることにする。ロープウエー乗り場まで歩こうとしてブラブ
ラしているとき、バスが歩道に少し乗り上げてきた。よそ見してい
たMをそれに思いっきりゴチーンとぶつかってしまった。運ちゃ
んはごめんごめんという顔をしていたが、日本なら大騒ぎになって
いたところだ。何とものんびりした国である。もっともこっちもか
なりボーッとしていたが。
結局ロープウェー乗り場までタクシーで行ったのだが、
着いてビックリ。入り口のところに300人くらいの人が待っ
ている。どうしようか、と困っていたが、せっかくここまで
タクシーで来たんだし、ということで待つことにする。2時
間くらい待ってようやく入り口にたどり着いて二度びっくり。
建物の中で外と同じくらいの人が待っているではないか。切符
売り場の人によると毎週水曜日はサービスデーで、料金が半額
になるらしい。料金そのままでいいから今すぐのせてくれ。
ところで、ここで長いこと並んでいる間、他の人を観察して
いたのだがなかなか面白い。子供たちは東洋系の顔立ちが珍
しいのか、笑いながら話し掛けてくる。また、トルコ有数の
観光地のためか他のイスラム国からの人も多いようだ。戒律
の厳しくないトルコでは女性も西洋人と変わらない格好をし
ているが、イランからきた人だろうか、目だけ見える、黒い
覆いをかぶった女性も多く見かける。ちょっとだけ見える目
がドキッとするほど鋭く、美しいのが印象的だ。
結局もう二時間くらい待ってからロープウエーに乗る。な
かなか眺めはよいが、トルコ人が作ったロープウエーなんて、
いつ落ちるか分からんとMは気が気でなく、今落ちたらこの
辺の柔らかそうなとこに飛び下りよう、などとずっと考えてい
た。
頂上は特に展望台などもなく、遠くに見えるさらに高い山が
きれいだったが、混雑する前に帰りたかったのでサクッと帰っ
てしまった。
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ウル山からの眺め |