PART18 〜さよならユルマズ〜

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 あまりいいホテルではないのでユルマズの待つAYA SOPYAに
移ることにする。8:30にチェックアウト。再会にユルマズはこ
とのほか喜んでくれた。午前中にトプカプ宮殿を見ていくこと
にする。

トプカプ宮殿
 1467年、コンスタンティノープルを落としたメフメト二世に
よって築かれ、1839年アブドゥルメジットがドルマバフチェ宮
殿に移るまでのおよそ370年間、歴代スルタン達の公式の住居と
される。ヨーロッパ東部からアラビア半島、北アフリカにわたる
巨大なオスマントルコ帝国の象徴であった。70万m2に及ぶ敷地
には、4つの内庭、モスク、ハレム、宝物殿などが残されている。
また博物館として公開されており、当時の華やかな生活様式をう
かがい知ることができた。ここの一つの目玉は86カラットの、
世界で五番めの大きさのダイヤモンド、とあるが実物は大したこ
とない。他にもエメラルドやルビーなど数々の宝石の類が展示さ
れているが男四人で見るようなものではない。

 ハレムはスルタンの住居で、ご存知のとおりスルタン以外の男性
の入室は禁止されていた。しかしそこはスルタンを取り巻く女性や
宦官たちの政権争いの裏舞台であり、しばしば女性の権利欲、嫉妬
心は男性のそれをはるかに凌駕するものであるため、トプカプ宮殿
の中でもひときわ華やかな建築様式や宝飾品で彩られたこの一画は、
スルタンの寵愛を受けんとする皇后はじめ妾、母后たちの残虐な歴
史をうちに含んでいるのである。観光スポットとしては最も人気の
あるポイントで、中に入るのは別料金だが、50人位でグループに
なって入館人数を調節し、ガイドが色々説明してくれる。我々のガ
イドは超美人の女の子であった。トルコ人の女性は皆美人だと思い
ます。中には広い豪華な部屋がいくつも並び、イズニックタイルや
大理石、シャンデリアなどで華麗に飾られている。ここでたくさん
の女性に囲まれて暮らしたスルタンのモテモテ度は井戸ちゃんの比
ではない。

 昼食後、AYA SOPYAにもどり、アルパッサンの弟のハッサン氏に挨
拶する。彼はアルパッサンと一緒に絨毯屋を経営しているそうだが、
アルパッサンとは大分印象が違う、穏やかな紳士であった。商売柄
ヨーロッパを訪れることも多く、ミラノからチューリッヒまでの行
き方の話をしてもらい、明日のフライトに少し安心をもてた。
 その後、仏とMはお土産を買いにいく。とりあえずMは東京
組にはお土産を買おうと思っていたので、クシャダスで買った以外
に自分の分も含めて、あと三つゲームシャツを買おうと考える。少
し歩いていくとスポーツ品店が並ぶ通りに来た。そこでいくつか店
をのぞき、一番安い店で交渉に入る。トルコの人気チームはトラブ
ゾン、ベシュクタシ、フェナルバフチェ、ガラタサライである。ど
この店でも、置いてあるのはこの4つと代表チームのものだけだ。
代表チームは少し高く、少しカッコ悪いのでよそう。クシャダスで
買ったのはトラブゾンだったのであと三つを買えばよいのだが、一
つ400bin(800円)。 三つで1200bin(2400円)とちょっと高い。仕方
ない。モアイには絵ハガキでもやろう。ということで、ユベントスの
ニセモノみたいなベシュクタシはやめて、フェナルバフチェ、ガラタ
サライに決めた。ところが店の兄ちゃん、ベシュクタシのファンらし
く、これを買わなきゃダメだ、という。結局三つで1000bin。まあ、い
いか。

 その夜はハッサンのホテルで夕食。食後は皆でCDを選んで楽しむ。
このとき、Mはシャワーを浴びて、後から行くことにする。シャワ
ーを浴びた後、財布を探す。ない。あれ?トラベラーズチェックもな
い。まさか。おや、日本円の現金もないぞ…。やられたのか!?もう
一度よく探すが見つからない。2、3分の間、泥棒が入ったのか?鍵
が掛かっていたし。外にはユルマズもいるし。窓からはいったらあま
りにも目立つ......はっ!。パスポートは?..ない....。目の前が真
っ暗になる。ああ、明日はトルコを発つというのにおれだけ置いてい
かれるのか。畜生、皆の中でおれが一番持ち物に注意していたのに。
ハッサンのホテルにいって皆に確認しても、皆CD選びに夢中になって
相手にしてくれない。部屋に帰ってよく探してもない。はあ、もうこ
のままトルコ人になろうかな。そんな諦めが心をよぎった時、ベッド
の向こうに何かがみえる。あった!!!散々ものを失くしてきては発
見してきたMだが、この快感は今までのものでBEST3にはいる。シ
ャワーを浴びている間、泥棒に盗られないように鞄をベッドと壁に間
に隠しておいたのだが、どうやらその時鞄が少し開いていたらしく、
中身がこぼれ落ちたらしい。念には念を入れすぎた、とはこのことで
ある。ハッサンのホテルにいったら皆はまだCDを選んでいた。

 

 夜、ユルマズがビールを買ってきて一緒に飲もうという。おまえ、
イスラム教ちゃうんか。お祈りしてるとこも見たことないぞ。

 ユルマズと一緒に近くの酒屋にいってビールを買ってきて、ロビー
で一緒に飲む。名残惜しいのか、ユルマズは何度も
「ミヤチ、ミヤチ」
と声を上げる。思えば変な奴だったけど色々お世話になったなあ。は
じめて来た時は日本語を話してくれるだけでどんなに心強かったこと
か。イスタンブールの街を色々案内してもらったし、初めてトルコ国
内で両替をしたときも銀行まで案内してくれた。いい奴なんだよな。
でも変なんだよな。どうもノリが高橋なんだよな。やたら体に障って
くるし。

明日、11:00の飛行機でミラノに向かう。

 

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