PART2 〜イスタンブールへ〜

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 7月30日6時30分。イスタンブール到着。日本との時差は
7時間。ただしサマータイムを導入しているので時計上の時差は
6時間である。
  今後、われわれのバイブルとなる「地球の歩き方」によれば
イスタンブールの安宿はスルタンアフメット付近にあるらしい。
そこに行くにはアクサライという町に出てそこから路面電車を
使って行く。とりあえず何のよりどころもないので、この本に
のっている「AYASOFYA」というホテルを探そう。
  言うは易し。アクサライまでは?切符の買い方は?大体通貨の
感覚もない。そういえば換金所で日本人の女の子が3万円くらい
換金しておっちゃんが目を丸くしていたっけ。英語はほとんど
通じない。コミュニケーションできない歯痒さ、そして心細さを
ひしひしと感じる。我々はこんなところでやっていけるのだろうか。
空港をでれば日本人は愚か、東洋人は皆無だ。来なけりゃ
よかったのかも。
  それでも行動力のある桃と仏ディーは色々調べてアクサライまで
バス(100bin、200円)で行くことにする。アクサライはイスタンブールの
中心であろうか、大きなビルが建ち並び、車がビュンビュン走る。
当初もっていたトルコのイメージと少し違うが、マクドナルドを
見つけてちょっと安心したりする。ところで路面電車に乗るには
この広い通りを渡らなければならないが信号はどこだろう。見渡して
みても横断歩道のような物はない。他の人はどういう風にしてるのかな。
ふと見ると...
  何とこのビュンビュン走る車の中、ジモティーはびゅうっと横断して
行く。車はほとんど途切れないのに、その合間を縫って、まるで
昔はやったゲームウオッチだ。しかし渡らない限り電車にはのることは
できず、勇気を振り絞って走り出す。足が震えて最後まで
取り残された仏ディーもどうやら無事渡れた。

路面電車(15bin、30円)の中。不安のためか無口になる我々に
  「ニホンジンデスカ」
と、たどたどしい日本語で話し掛けてくる人がいた。こんな西の果てに
日本語を話せる人が…。何でも、愛媛に彼女がいて、何度か日本にも
行ったことがあるとか。幾らか不安の和らいだ我々に、
  「イイホテルヲショウカイシテヤルヨ。」
俺たちはなんて運がいいんだろう。ついていきなり日本語の話せる現地人と
知り合い、おまけに最初の難関であろうホテル探しもあっさり
決るのだ。ところがスルタンアフメットで、混雑した電車から下りる
時、その人を見失ってしまった。せっかくの拠り所を失って途方に
くれている我々に話し掛けてきたトルコ人がいた。  
  「ニホンジンデスカ。」「ワタシニホンニカノジョイルヨ。」
  「イイホテルショウカイシテアゲル。」 …

 結局何人もの呼び込みを振り払って当面の目標のホテル、
「AYASOFYA(アヤソフィア)」にたどり着く。そこには二人のスタッフ、
ひとりはロバートデニーロ似のオーナー、そしてもう一人がこれから重要な
ポイントになる、ユルマズがいた。日本語のできるユルマズに仏と桃が
部屋を見せてもらっている間、Mとハムはオーナーと軽快な会話を
楽しむ。トルコは観光による収入が大きく、イスタンブールでは英語は
もちろん、日本語、ドイツ語、フランス語を話せる客引きが多いそうだ。
納得。シャワーとトイレが狭く汚ないが、部屋自体はきれいで、値段も安く、
他のところへ行くのもしんどいので、ここに決めた。

左より、青い建物の横がホテルAYASOFYA AYASOFYAの横の果物屋

 一段落してロビーに行くと、オーナーが町の地図をくれ、観光スポットを
教えてくれた。またYOUTH CARD(学生カード)をもっていると入場料など
色々と有利なので作るといい、と教えてくれ、ユルマズが隣のホテルへ
案内してくれる。そこで出会ったのがアルパッサンである。彼は日本語ができ、
日本にも何回か行ってるそうだ。兄弟で絨毯屋を経営し、ホテルや
トラベルエージェンシーも併設している。お茶(チャイ)を御馳走しくれ、
トルコの内情を聞かせてくれたり、帰りの切符のリコンファームをしてくれたり、
と大変世話を焼いてくれた。日本語ができ、こんなに親切な人と知り合いに
なれて百人力と感じた。しかし、悠久の時の流れの中、シルクロード交流で
培われたトルコ人絨毯屋の商売人の血を、われわれはまだ知らなかった......。  

 昼飯(シシカバブ、ミートボールのようなもの)をアルパッサンのホテルで
食べた後、ユルマズがイスタンブール旧市街、アヤソフィア周辺を色々案内して
くれた。

ブルーモスク
正式名称スルタンアフメットジャミー。内部は青を基調としたタイルで
覆い尽くされ、イスタンブールでもっとも美しく、壮大なモスクと言われている。
最初に訪れたこのモスクはまた、トルコの絨毯の美しさも我々に教えてくれた。

トルコイスラム美術館
10世紀から第1次世界大戦までのトルコの美術品が収められている。特に
絨毯のコレクションが素晴らしかった。ユルマズのガイドはよくわからない。
ここを出た後ユルマズと別れる。

グランドバザール
カーペット、宝飾品、革製品など、トルコの特産品が集まる大市場、とユルマズは
説明していた。しかし、あるのは生活用品ばかりで買い物客も地元の
人ばかり。どうも様子がおかしい。

トルコイスラム美術館

このあと、皆はガラタタワーに向かうが、時差ボケでしんどかったMはホテ
ルアヤソフィアに帰る。そこにユルマズが待っていて、「ごめーん、きょう
日曜日だからグランドバザールはお休みだ。」… 時差ボケと疲れでMは
一気に眠った。

 夕食は初めて外で食べることにした。スルタンアフメット付近の旅行者用の
レストランに入る。やや高めだったが初日としては合格点だろう(1人500bin、
1000円程度)。満足な食事の後、チップの払い方が分からない。この辺は
日本の旅行者がもっとも苦労することの一つだそうだ。
 チェックは1450bin.一割の140渡せばいいのか。1500渡してお釣りを
チップとするという説もある。その説を採用して、1500bin渡し、相手の出方を
伺うことにする。それで充分なら何も言わないだろうし、少なければ
それなりのリアクションがあるだろう。チップが必要なければお釣りがくるはず。
支払い後、しばらくたっても何もなかったので、お釣りがチップになったのだろう
と解釈して席を立つ。ところが店を出てしばらくして振り向くと、紙幣片手に
キョロキョロする店員の姿があった。後で「地球の歩き方」を読むと、
「トルコにはチップの習慣がない。日本人には有難いですね」.....

 

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