PART3〜絨毯屋アルパッサン〜
7:00起床。同室の桃はまだ起きてない。隣の他の二人もまだ
だろう。Mはたっぷり寝たお蔭で元気いっぱい。早朝のイス
タンブールの町を散歩することにする。
この時間、まだ町は起きていない。さすがに客引きもいなく、
いるのは朝飯を売るパン屋やボレキ屋だけだ。よし。朝飯はボ
レキにしよう。パイ生地に肉やバターを入れたものである。一
つ50bin(100円)。MEATとPOTATOを買い、部屋に戻る。桃子と二
人で食べた。結構うまく、またボリュームもあるので満腹にな
った。それからしばらくして二人が起き出し、ロビーにいくと、
ユルマズがアルパッサンの所で朝飯を取るという。そこで皆が
朝食を取ったので、仕方なくMもそこに入り、二度めの朝飯
(150bin、300円)を食べた。トルコの朝飯はこれ以降もすべて
同じで、パン食べ放題にバター、チーズ、キュウリ、トマト、
スイカ、たまご。これにメロン(そんなに高級品ではない)
が付く時もあり、最後はチャイで締めくくる。
今日中にやらなければならないことがある。スケジュールの関係で
帰りの飛行機はイスタンブールの便が取れず、チューリッヒ−東京、
という便なので、イスタンブールからチューリッヒまでの足を確保し
なければならない。また、アルパッサン曰く、次にわれわれが訪問地
として予定しているカッパドキアは広大でツアーが必要だから、ここ
から手配しなければならない。その予約もしなければ。
併設のTRAVEL AGENCY、「HIGH LANDER」の事務所にいく。そこで長
いことかかって交渉する。イスタンブールからチューリッヒへの直接
の便が取れなかったため、いくつかのプランが挙げられた。
−イスタンブールからミラノへ
−イスタンブールからシュツットガルトへ
−イスタンブールからチューリッヒへ、
途中ブタペストでトランジット
上の二つは汽車でスイス入りする。また最後の案は直接チューリッヒ
へ行くが、ブルガリアエアラインという安かろう悪かろうの飛行機で、
突然フライトが無くなることもあるそう。結局ハイランダーのおっちゃ
んが一番勧めるミラノ経由にする。また、カッパドキアツアーはかなり
しんどい日程になりそうなので、色々相談した挙げ句、4つ星ホテルに
泊まることにした。
時計を見るともう4:00。ずいぶん長いことかかったが、英語で交渉で
きた充実感と自信が心地よい。この後余った時間で市内観光する。
その後、前日行けなかったグランドバザールへ行こうとするが、終わりか
けで、通り過ぎるだけにした。
余談を少々。このグランドバザールの中で記念撮影を行い、仏が撮ること
になった。それを見ていたそばの店員の少年が撮ってやるよ、と言ってき
たのに対し、散々客引きにつかまって皆にバカにされていた仏はひたすら
ノーサンキューを繰り返すばかりだった。要領の悪いやつだ。
夕食はアルパッサンの店で。ビールをおごってくれる。日本人スチュワーデス
のマユミさんと一緒になるも、誰も話し掛けることが出来ない。もっぱら
その中間にいるアルパッサンの娘、IREMと遊ぶ。ぎくしゃくとした
和気合い合いの中、夕食を終える。
その夜、我々がIREMと遊んでいるとアルパッサンが絨毯をみせてくれると
いう。買わされるんちゃうか、と思った我々の心を見透かすように、
「no,no、君等が買えないような高級品ネ」
という。そこでアルパッサンの店に行くことにした。日本人の観光客の9割
は絨毯を買っていく(アルパッサン談)そうだが分かるような気がする。初
めに見せられた3000万円のシルクのものから始まって見事なものばかり。数
百万円もするものをいくつか見ていい気分になる。すると段々値段が下がっ
てきて、100万、50万、10万、5万.....。
「これなら君たちにも買えるヨ。学生も皆買っていくネ。」
我々は度肝を抜かれた。
その晩、仏がポーカーでゲキ勝ちするが、これはまた別のお話。