PART7〜パムッカレ着〜

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 4:00時着。ここでの滞在のためのホテルは、カッパドキアで
あらかじめ予約しておいた。 GAZI TOUR のガイドの紹介で、
プール付きの豪華なホテル。朝食付きで$10というから驚きだ。
ホテルの名前は「KORAY」。バスターミナルまで迎えに来てくれたのは
ガタイのいい兄ちゃん。マイクロバスでホテルまで送ってくれる。
うん。なかなか幸先がいいぞ。
 ホテルは写真で見るほどきれいじゃなかったがまあまあ。プールも
あるし、部屋も広め。これで$10なんて...

 Mは荷物を整理した後、バルコニーでくつろいでいた。ふと
下の通りをみると、さっきの兄ちゃんがなにやら女の子二人組と
話している。どうやらカッパドキアから一緒のバスだった香港の
女の子のようだ。ホテルの交渉をしてるらしい。しばらくすると、
にいちゃんのスキを見てMに話し掛けてきた。
「このホテルいくらで泊まっているの?」
「$10だよん」
「OH, very expensive」
 そうか。$10というのは結構高いのか。やはり今一つ金銭感覚に
疎い。まあ、日本円にしたら安いし、ちょっとくらい高級なホテルに
泊まってもバチは当たらんだろう。この先、ほとんどは$6,$7 の
ホテルに泊まるんだから。などと自分に言い聞かせながら、時間を
潰し、しばらくしてロビーに下りていくとさっきの女の子達が
いるではないか。
「結局ここに決めたの?」
「うん、まけてくれたから。」
「え?なんぼ?」
「$5」
.......ボラれた。

 しばらくして兄ちゃんがやってきて、「パムッカレの名所、石灰棚に
車でつれていってあげよう」。ボッたくせに、と思いながら笑顔を
作ってしまう、嗚呼日本人。そんなこんなで我々はトルコでも一、二を
争う観光名所、パムッカレの石灰棚にたどり着く。

  この石灰棚は筆舌に尽くしがたい。温泉源から出た泉水に炭酸が
作用して大地を真っ白に多う石灰岩を形勢し、それが階段状に連なって
麓の町まで続く。各棚は、いわば大きな風呂桶のようになっていて、
泳ぐ人もいる。訪れる人の格好は海水浴のそれと変わらない。また
背景にはヒエラポリスの遺跡や南部大浴場跡(博物館)などが控え、
盛りだくさんである。

 しばらくその石灰棚で遊び、博物館を見た後、ヒエラポリスの遺跡を
見ることにした。目指すはいちばん豪快にそびえ立つ円形劇場。ただ
結構距離があり、日射しは灼熱地獄のように照り付ける。この道程で
ジャンケンに負けまくって荷物を運びまくった桃はかなり弱っていた。
蛇足だが、こういうジャンケンは弱気になればなるほど負けるものだ。
この日の桃がまさにそれだ。

 帰路。歩いて帰ろうと思った我々がバカだった。兄ちゃんが帰り道を
教えてくれたのだが誰一人として理解しておらず、炎天下の中適当に
歩き回った末、結局もとの場所からタクシーを使う。これを愚行と言わずに
何と言おう。

 ホテルに着いたのは5:00頃だったが我々は果てまくっていた。しかし、
シャワーを浴びるとだいぶ復活したのでMは散歩にでかける。Mは、
この一人で散歩というのが旅の醍醐味であり、地元の人や他の旅行者と
話をしたりして、ガイドブックには載っていない、土地の文化や風土を
肌で感じ、そして何よりも多くの友達を作ることができる大きなチャンスで
ある、と考えている。まあ、堅苦しいことを抜きにしても、異文化の
人々とのコミュニケーションというのは楽しいものである。この考えは
基本的に正しい。旅行を終えて帰り、この原稿を打っている今でもそう
思っている。しかしこの日、それは裏目に出た。

 話を戻そう。トルコの夕方はとても気持ちいい。湿度が低く、日差しが
直接当たらなければとても過ごしやすい。さて、パムッカレの田舎道を
歩いていたMは、その辺のおじさんや子ども達と挨拶を交わしながら
ぶらぶらと歩いていく。と、
「HELLO」
と、声が。
「HELLO」
と返す。4,5人のおっちゃんが木陰でお茶を飲んでいる。トルコでよく
見かける風景だ。
「どこからきたの?」
「日本さ。」
「日本はいいところだね。」
「トルコもね。」
他愛もないおしゃべりが楽しい。ふと、 「ホテルはどこだい」
「KORAY ホテル」
すると、突然空気が変わった。
「いくらでとまっているんだ。」
「$10」
「なんてこった。ちょっとうちに来ないか、すぐそこだ。」
やばいかな、と思った。しかしせっかくの厚意を無にするのも悪いし、
と日本人的な気持ちでついていく。お茶を飲んでいたところの、道を
はさんだ対角の売店の裏がそのおっちゃんの家らしく、ま、いざと
なったら逃げ出せるな、と考える。と、何やら片手にピザをもった
クソガキがこっちを見ている、と思ったら桃だった。
「Your friend?」
「yes」
というわけで桃と二人で家の中に入っていった。

 

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