〜 ドホナーニのセレナーデとの出会い 

 

 

 

長年弦楽合奏を営んでいるとそのレパートリーにある種の限界を感じることがあります。 ウライタのように四半世紀以上の歴史のある団にとってはなおさらのこと・・・コンサートにとりあげる選曲にも頭を悩ますことがしばしば・・・また同じ曲をやることになるのかしら? オーケストラや少人数の室内楽を楽しむのならば曲数も増え、選曲にも幅がでるのでしょうが・・・

                       

ある午後のこと、マンフレデイーニのクリスマス協奏曲を探しに銀座ヤマハでCDをみていたところ、知らない弦楽セレナーデのCDを発見。 ドホナーニ? 知らない作曲家? あとでこれはハンガリーの作曲家でまた指揮者でもあるドホナーニの原曲弦楽三重奏曲の弦楽合奏版であることが判明しました。今だかつて聴いたこともない、弾いたことのないこの曲はとても魅力的に聴こえ、是非コンサートで取り上げたいものだと思い、インターネットを駆使し、楽譜を注文する運びとなりました。昨年ブタペストを訪れた私にとって何か親しみが、この甘くせつない、あまりにも美しい旋律に異国情緒を感じるとともに、共感を覚えるのでした。

           

 快活な躍動感あふれるマーチからはじまり、ものうげなヴィオラの音色に酔いしれるロマンツァ、半音階で動く壮大なスケルツォ、流れるドナウに月の光がきらめき、輝く・・・チンバロンの音がどこからともなく聴こえ、ロマンチックな神秘的な夜の世界をくりひろげるテーマ、交響楽的響きのロンドへとつづき、冒頭マーチのテーマを迎え曲は閉じます。

           

バッハのゴールドベルグ変奏曲を弦楽三重奏曲に編曲したヴァイオリニストでもあるシトコヴェツキーの見事な編曲の才能が各楽章で伺えます。

チャイコフスキーやドヴォルザークのセレナーデと並んで、また違った情緒を醸し出すセレナーデとしてこれから世に親しまれるのではないでしょうか? クラシック音楽がより身近に感じ、親しまれるように、そんな音楽をこれからもお届けしたいと私たちは思っております。

 

 

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エピソード: 多忙な仕事をもつ団員たちは何と本番で全員が顔を揃え、はじめて奏でる音の世界を楽しみました?

この難曲を2カ月間でよく上手くこなしたものだと感服・・・ --;ものの舞台を踏みました!  

随所にあらわれる魅力的なソロは当団率いるトップのすばらしい音色と技量そのものでした!!      

      (*^^)//:*:°’★,:*:♪°’☆ぱちぱち