プレミアシップ(26/AUG/2001)
アストン・ビラ (1‐1) マンチェスター・ユナイテッド

wpe15.jpg (9190 バイト)

【得点者】
A:ヴァッセル(4分)
M:自殺点(90分)

 日記 


 

 AstonVillaのホーム開幕戦、そして記念すべきMのプレミア観戦初戦。キックオフに
遅れるという顛末もあったが、とにかくエキサイティングな試合であった。
 まずは開始早々、左サイドカシュルールから流し込まれたボールにヴァッセルが合わせ、
いきなり王者に対して先制。その後もほぼ互角といっていい戦いぶりであった。マンU
予想通り、ニステルローイの1トップ気味。Villaはかなり厳しいマークをしていたが、そこはさすが、
シュートまでは持ちこめないと見るや、ポストプレーに徹する。で、やはりマンUはこのポストプレーの
後からの組み立てがうまく、落とされたボールをベロンスコールズが左右に展開し、そこから
ベッカムギグスが中に送り込む、という形が徹底している。が、この日はベッカムがイマイチ。
ギグスのドリブルはさえていたが、それでもスペースを余り与えないので致命傷にはなり得ない。
 Villaのゲームを見たのは初めてであったが、「スター選手はいないものの、約束事を決め、
みんなできっちり役割分担をする」、という、非常にまとまった、K大サッカー部のようなチーム
という印象であった。今日は出場していなかったが、やはりこのチームにはジノラはあわない
のではないだろうか。今日の2トップ、アンヘルヴァッセルともに、大きくはないがしっかりと
くさびが打てるタイプ。中盤の押し上げもあるので強いチームを相手にしてもカウンターねらいの
リアクションサッカーではなく、しっかりと組みたてができる。ただ、得点後、少なからずチャンスが
あったが、もうひとつ工夫というか、思いきりが足りなかった。この辺で得点できなかったのが
最後に響いた。ディフェンス陣は知っている選手はGKのシュマイケルだけであったが、4枚の
DFラインは非常に安定していた(下の写真参照)。典型的なラインディフェンスであったが、
危なっかしいオフサイドトラップもなく、サイドバックは一対一の局面ではほぼ優勢であった。
また、シュマイケルもこれといってすごいプレーはなかったが存在感は抜群、後ろから
チームメイトを叱咤激励していた。
 ロスタイムも残り少ない、終了間際、明らかにVillaの足は止まっていた。DF陣の集中は
キレいていなかったようだが、中盤がかなりつかれていたようでずるずる下がってしまい、
最終ラインに中盤のディフェンスラインが飲みこまれる形になる。中盤にスペースを与え、
波状攻撃を受けるようになった。そして終了直前、コーナーキックからまさかの自殺点。
目の前で起死回生の同点ゴールが決まり、大喜びのマンUサポーターの声だけが、シーンと
静まり返るスタジアムに響き渡る。失点自体はしょうがないし、混戦だったので自殺点は
責められないが、結局、波状攻撃を受けたこと、つまりひとつの攻撃の波を跳ね返した後、
それを押し戻せなかったことが今後の反省材料であろう。

 

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Villaの新守護神、シュマイケルは、今日は
かつて栄光を築き上げたチームの前に立ちはだかった。

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2トップ、アンヘル(右上)、ヴァッセル(左)は
スピード、技術を備える。

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前半、いい位置でのFK

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後半、今シーズン期待の新戦力ハッジを投入。
相棒のカシュルールは先発。

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ハッジがネビルにしかける。

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深く切れこんだハジがセンタリング。ちょっと時間をかけすぎたか。

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超満員のVillaPark。熱烈サポーターの
集まるゴール裏がスタジアム全体の応援を引っ張る。

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非常にバランスのいいVillaディフェンス。ラインディフェンスの
お手本のような布陣。DFライン、MFラインがしっかりできており、
各選手間の距離もよい。DF‐MFラインの距離がしっかり保たれており、
スペースをつぶしている。サイドへのプレッシャーも必ずかかる。
この写真ではわからないが、裏に出たボールの対処も完璧。
最後の最後、失点した時間付近は、このMFラインが下がりすぎ、
DFラインと一体になり、MF‐FWのラインの間が大きく開いてしまった。
そのため攻撃を跳ね返してもボールをキープすることができず、
簡単にまた深い位置まで運ばれてしまう。

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負傷退場のベッカム。来週のWカップ予選の大一番、
イングランド‐ドイツ戦への出場が心配。

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ゴール前の混戦。こういう場面が結構あったのだが…。
互角以上の戦いだっただけに引き分けは残念。

(26/08/01)