プレミアシップ(26/AUG/2001)
アストン・ビラ (1‐1) マンチェスター・ユナイテッド

【得点者】
A:ヴァッセル(4分)
M:自殺点(90分)
日記
AstonVillaのホーム開幕戦、そして記念すべきMのプレミア観戦初戦。キックオフに
遅れるという顛末もあったが、とにかくエキサイティングな試合であった。
まずは開始早々、左サイドカシュルールから流し込まれたボールにヴァッセルが合わせ、
いきなり王者に対して先制。その後もほぼ互角といっていい戦いぶりであった。マンUは
予想通り、ニステルローイの1トップ気味。Villaはかなり厳しいマークをしていたが、そこはさすが、
シュートまでは持ちこめないと見るや、ポストプレーに徹する。で、やはりマンUはこのポストプレーの
後からの組み立てがうまく、落とされたボールをベロンやスコールズが左右に展開し、そこから
ベッカム、ギグスが中に送り込む、という形が徹底している。が、この日はベッカムがイマイチ。
ギグスのドリブルはさえていたが、それでもスペースを余り与えないので致命傷にはなり得ない。
Villaのゲームを見たのは初めてであったが、「スター選手はいないものの、約束事を決め、
みんなできっちり役割分担をする」、という、非常にまとまった、K大サッカー部のようなチーム
という印象であった。今日は出場していなかったが、やはりこのチームにはジノラはあわない
のではないだろうか。今日の2トップ、アンヘル、ヴァッセルともに、大きくはないがしっかりと
くさびが打てるタイプ。中盤の押し上げもあるので強いチームを相手にしてもカウンターねらいの
リアクションサッカーではなく、しっかりと組みたてができる。ただ、得点後、少なからずチャンスが
あったが、もうひとつ工夫というか、思いきりが足りなかった。この辺で得点できなかったのが
最後に響いた。ディフェンス陣は知っている選手はGKのシュマイケルだけであったが、4枚の
DFラインは非常に安定していた(下の写真参照)。典型的なラインディフェンスであったが、
危なっかしいオフサイドトラップもなく、サイドバックは一対一の局面ではほぼ優勢であった。
また、シュマイケルもこれといってすごいプレーはなかったが存在感は抜群、後ろから
チームメイトを叱咤激励していた。
ロスタイムも残り少ない、終了間際、明らかにVillaの足は止まっていた。DF陣の集中は
キレいていなかったようだが、中盤がかなりつかれていたようでずるずる下がってしまい、
最終ラインに中盤のディフェンスラインが飲みこまれる形になる。中盤にスペースを与え、
波状攻撃を受けるようになった。そして終了直前、コーナーキックからまさかの自殺点。
目の前で起死回生の同点ゴールが決まり、大喜びのマンUサポーターの声だけが、シーンと
静まり返るスタジアムに響き渡る。失点自体はしょうがないし、混戦だったので自殺点は
責められないが、結局、波状攻撃を受けたこと、つまりひとつの攻撃の波を跳ね返した後、
それを押し戻せなかったことが今後の反省材料であろう。

Villaの新守護神、シュマイケルは、今日は
かつて栄光を築き上げたチームの前に立ちはだかった。

2トップ、アンヘル(右上)、ヴァッセル(左)は
スピード、技術を備える。

前半、いい位置でのFK

後半、今シーズン期待の新戦力ハッジを投入。
相棒のカシュルールは先発。

ハッジがネビルにしかける。

深く切れこんだハジがセンタリング。ちょっと時間をかけすぎたか。

超満員のVillaPark。熱烈サポーターの
集まるゴール裏がスタジアム全体の応援を引っ張る。

非常にバランスのいいVillaディフェンス。ラインディフェンスの
お手本のような布陣。DFライン、MFラインがしっかりできており、
各選手間の距離もよい。DF‐MFラインの距離がしっかり保たれており、
スペースをつぶしている。サイドへのプレッシャーも必ずかかる。
この写真ではわからないが、裏に出たボールの対処も完璧。
最後の最後、失点した時間付近は、このMFラインが下がりすぎ、
DFラインと一体になり、MF‐FWのラインの間が大きく開いてしまった。
そのため攻撃を跳ね返してもボールをキープすることができず、
簡単にまた深い位置まで運ばれてしまう。

負傷退場のベッカム。来週のWカップ予選の大一番、
イングランド‐ドイツ戦への出場が心配。

ゴール前の混戦。こういう場面が結構あったのだが…。
互角以上の戦いだっただけに引き分けは残念。
(26/08/01) |