【21】 19/〜27/AUG/2001
プレミアシップ初観戦

19/Aug/2001 -Sun- ブリュッセル

 先週のブリュッセル旅行の後日談。
 ブリュッセルから帰ってきて、ロンドンについたのが19日日曜の夕方7:00前。先述の通り、今まで
はずっとSolihull駅を通る路線を使っていたのだが、今回はBirminghamInternational駅につく
路線を使った。そちらの方が本数も多いし、乗車時間も短いからだ。が、極端に本数の減る
日曜日、時刻表を見ると、この路線は6:00を回るとBirminghamに直接行く電車がなくなって
しまうらしい。しかしBirminghamInternational駅に車を止めてあるので仕方がない。Noneutonで
乗りかえるしかないな。
 Birmingham方面の電車に乗る。日曜日のこの時間はすいている。高速特急のInterCityでは
ないので、停まる駅が多く、なかなか進まない。
 Rugby駅に到着。「この列車はここが終点です」。なに‐?Noneutonまで行かないのか?
それとも例によってここから先はCancelか?まあいずれにしても降りるしかない。
「ラグビーフットボール発祥の地 Rugbyへようこそ」。そんなこと知るか。
 幸い駅のInformationが空いていたので、次のBirminghamInternational方面への電車は?
と聞くと、「今日はもうありません」。何だと!まだ9:30過ぎだぞ!「駅の外からコーチ(バス)が
各駅まで出ているのでそれを使ってください」。Cancelが多く、また最終の早いUKの鉄道は
その後の代替輸送をコーチで行うことが多い。しかしここからバスか。結構あってしんどいなあ。
が、駅を出てコーチ乗り場で聞くと、「Birmingham International行きのバスはここからは出ません。
Noneutonまで行って下さい」。どうなってるんだ?再びInformationで。別の人が対応し、
「Birmingham Internationalは次の電車でNeneutonまで行き、そこからコーチに乗り換えてください」。
もう、しっかりしてくれよ。これでもUKの南北を結ぶ基幹路線なんだから。で、次の電車は?
「10:10です」。そんな便、時刻表に乗ってないじゃん。やっぱりトラブルがあってダイヤが
乱れてるんだな。しかし新幹線のように高速列車が5分おきに走っているのならともかく、
何でこんなスカスカのダイヤが乱れるんだ?

 結局それ以降は問題なし。Noneutonまで次に来た電車で行き、そこからコーチで30分くらいで
Birmingham Internationalについた。時刻は11:00を回っていた。結局、通常なら1.5時間の
行程を4時間近くかかった。

20/Aug/2001 -Mon- ユーロスター

 週明け。みんなにブリュッセルはどうだった?と聞かれた。印象的だったんだけど、語彙が
貧弱で、interesting、impressiveを繰り返す。あとは身振り手振りだけ。ユーロスターはイマイチだったよ、
ということはちゃんと伝えられた模様。

21/Aug/2001 -Tue- 夏休み予定

 夏休みは9月中ごろ、2週間取る予定である。で、ボツボツ計画を立て始める。前々から漠然と
考えていたんだけど、この機会に「汽車でヨーロッパ一周旅行」を敢行したい。ヨーロッパは国際鉄道が
発達しているので長距離の汽車は充実している。各都市、飛行機で行けばすぐなんだけど、観光ではなく、
移動そのものを目的にしようと思ってる。飛行機でさっと行くよりは困難があるだろうが、
さりとて澤木耕太郎のように「バスでユーラシア横断」というほどハードではない、このほどほどの
ゆるさ加減がMにはうってつけである。
 そんな話を給湯室でCollinとしていたら、「僕はあちこち行っているからガイドブックを貸してやるよ」と、
自分の席からスペイン、フランス他6冊ものガイドブックを貸してくれた。何でこんなものが会社において
あるんだ?どうでもいいが、Collinは会社にジムでのエキササイズのためのウェア、趣味のサックスフォン、
銀行の小切手帳(UKでは小切手は一般的)までおいてある。ここに住んでいるのか?
 ところで印象に残った町は?「うーん。マドリードだな。酒はウマイしねーちゃんはきれいだよ!うっしっし」。
PhD.のCollinだが、こんなクダけたやつだと知ったのは最近である。

 インタートトカップ(どうでもいい小さな大会)決勝、先週からファンになったAstonVillaがスイスのバーゼルを
4‐1(初戦1‐1)で下し優勝!これによりUEFAカップ出場権を得た。しかしTV放映はなし。AstonVillaはやっぱり
所詮田舎チームなのだ。
 サッカーのTV中継といえば、プレミアシップの中継はTVでは一切やらない。すべて有料テレビが放映権を
とってしまい、何時間か経った後のニュース画像しか見られない。でもさすがに一年しか滞在しないし、
CSにまで入る気はしないなあ。

23/Aug/2001 -Thu- ガ

 緊急事態発生!
 UKの家は結構ぼろく、新しめのMの家でも実は結構問題がある(以前シャワーの排水が詰まった
こと
もある)。火災警報機がついているのだが、これがやたら敏感で、ちょっと料理を焦がしただけですぐ
鳴り出す。最初はえらいびっくりして、あたふたと何をするでもなく家の中を走りまわった。5分くらいで
停まったのだが、もし消防署とオンラインでつながっていたらどうしよう、消防車がやってくるな、と思い、
しばらく遠くの音に耳を澄まし、息を潜め、犯罪者のようにじっとしていた。結局消防車はこなかった。
それ以降もちょっと料理しただけですぐ警報機がなるので、このたびに消防車が来ていたら大変である。
 そんな警報機なのに、台所には換気扇がないので料理をするときはいつも窓を全開にする。
今日うっかり、料理が終わったあとも窓を開けっぱなしにし、また台所の電気をつけっぱなしにしてしまった。
食事を終えて台所に戻ると…、飛んで火にいる夏の虫が!!ちょっと使い方が違うか。光に惹かれた蛾が
大量に台所に巣食っていた!ちょっと大げさだったが、大きいのが1匹、中くらいのが2匹小さいのが2,3匹。
こう書くと大したことないように見えるかもしれないけど、元気一杯台所を羽ばたかれるとぞっとする。
そっと台所のドアを閉め、見なかったことにした。

24/Aug/2001 -Fri- 誕生日

 朝もう一度台所を見たら蛾はいなくなっていた。思うつぼである。

 今日はHazel女史の誕生日。大人っぽく見えるけどまだ20だそうだ。UKの人は卒業してすぐ来る新人も、
あるいは卒業する前にインターンシップで来る学生もみんなうわっついたところがなく、落ち着いている。
むしろRollandとかCollinの方が子供では?RollandはHazelに「So child」っていわれてたし。
 Hazelの誕生日を祝うためにみんなでパブに行った。この企画はHazel自身が立てたもの。以前、フィリップ
の時もチラッと書いたけど、こっちの人は自分の誕生日のときは自分で宣伝して、ケーキを買ってきて
みんなに振舞う。今回もHazelのおごり。
 けどHazel、20歳なのに自分の車を持っているとはかなり金持ちと見た。若手では車を持っていない人も
いるし、持っている人もみんなボロ車なのに、Hazel号はぴかぴかのFord KA。
 来週木曜日、30日はいよいよMの誕生日である。同じように自分でしきってみようか。
でもはずしたらどうしよう。

 ずっと前に見た「パール・ハーバー」、どうもかなり評判が悪いよう。今日来た映画のメールニュース
(Powered by まぐまぐ)でも、物語が薄っぺら過ぎて感情移入できないって。でも戦闘シーンなど映像の
迫力はすごく、あっという間の3時間だった。「最高のエンターテインメント、最低の映画」だそうだ。
前の日記で絶賛しちゃったけど(恥ずかしいのでリンク張らない)、どうもMの評価は世間と
ずれることが多いなあ。

25/Aug/2001 -Sat- 本

 イギリスで買った本といえば旅行ガイドブックや旅行資料、そして料理レシピ(まだ一回も使ってない)。
英語上達は会話を多く積み上げて経験を蓄えることが重要だが、やはりボキャブラリーの蓄積という
意味では本を読むのがいいのでは?と思い、今日、大型チェーンストアのWaterstoneに行ってきた。
ずっと前からこちらで話題になっているKAZUO ISHIGUROの「When We Were Orphant」と、Thomas Harrisの
「The Silence of The Lambs」、邦題「羊達の沈黙」を買ってきた。後者は映画を見たので筋は大体知っており、
読みやすいだろう。果たしてこの2冊、帰るまでに読破できるか?そういえば最近、村上春樹の
「ノルウェーの森」も読まれているらしい。フランソワに感想を聞かれたことがあるのだが、結構興味深く
読んだのは覚えてるけど、どんな内容だったか忘れちゃった。それから、本棚にJunChiangの新作があった。
このユンチアンって、「ワイルド・スワン」のユンチアンだろうか(チラッと眺めた感じではそう見えた)。
「ワイルド・スワン」はMにとって最も印象に残る作品のひとつ。2冊を読破したらこちらも読んでみよう
(いつになるやら)。

26/Aug/2001 -Sun- プレミアシップ初観戦

 いよいよ、待ちに待った日がやってきた。初めてのプレミアシップ観戦の日。AstonVilla対
王者マンチェスターユナイテッドの一戦である。MはAstonVillaのシーズンチケットを購入。
今シーズンは地元AstonVillaのにわかサポーターを気取るつもりだ。試合は15:00からだが、
午前中部屋の掃除をした後昼前にバーミンガムシティーセンターに向かい、ふらふらした
あと大幅に余裕を持って13:42発の電車でASTON駅に向かった。
 例によってまた電車が遅れている。結局電車が発車したのは13:50。それでもモニターには
「OnTime」と書いてある。が、もういらいらしたりはしない。ASTONの駅までは5分程度だから、
試合開始までは一時間ある。このようにすべてに余裕を持って行動すれば問題になることも
ないのだ。これが英国流なのである。

 ところがASTONの駅についたとき、いっしょに乗っていた子供たちがダッシュをはじめた。
「about 5min to kickoff!」。「うそだろ?15:00からでは?」。理由はよくわからないが、試合開始は
14:00からだったらしい。みちみち走っていると、VillaPark(スタジアム)から花火があがるのが見え、
いっそう気をもむ。スタジアムが近づいてくるとゴーという歓声と、ブォーという歌声が聞こえてくる。
そしてちょうどスタジアムに入ろうとしたところ、ドドドという轟が…。まさか点が入ったんじゃないだろうな。
 その通りであった。開始早々、王者に対してVillaが得点を奪ったのであった。この大事な場面を
見逃すとは!…確かに時間を間違えたのは俺の責任だが、13:42に電車が出ていれば14:00にも
間に合っていたはずである。だいたいなんだ!このしょっちゅう遅れる鉄道は!ASTON方面の電車は
1時間に一本しか出ていないはずだぞ。それが何で遅れるんだ!しかも始発駅で!そんで平気な
顔で「OnTime」の表示!客をバカにするにもほどがある!

 試合内容についてはサッカーのページに書くとして、スタジアムの雰囲気に触れたい。そもそも
Mはこんなに盛りあがったスタジアムに来る経験というのはあまりなかった。日本代表くらいだが、
こちらは国内でもチケットが取れないので、大事な試合はテレビ観戦が多い。一度だけ仏98予選の
最終戦、対カザフスタン戦を見に行ったが、その雰囲気と非常によくにている。まあ端的にいえば、
みんな殺気だっているのだ。スタジアムの一角にマンUファン用の区画があるのだが、それ以外は
すべてVillaファンである。四万人近く収容できるはずだから、その声援はすざまじい。そして日本代表の
応援って、やっぱり声が若い。それに比べてこちらの声援は「野太い」のである。地響きのような
応援なのだ。それでみんな息が合ってスタジアム全体が呼応している。後半のある一場面、Villaの
選手がハンド(手でボールを扱う)が疑わしいプレーをしたのだが、それがちょうどマンUの
サポーターの目の前だったので、その一角から「ハンド」の声が上がった。それに対し、それを
かき消すかのように「シャーラップ」という声が今度はスタジアム全体から沸き起こる。そしてそのあと、
マンUがボールをつないでいるとき、選手にボールが渡るたびにスタジアム全体から
「ハンド!」「ハンド!」とリズムよく挑発する声が上がっていた。

 試合結果は開始早々挙げた一点を後半ぎりぎりまで守っていたのだが、ロスタイムに
コーナーキックからの混戦からなんと自殺点。王者マンチェスター相手だっただけに、悔やまれる
引き分けであった。これでVillaは開幕2試合で上位陣相手に2引き分けとまずまず
(ほんとは今日は勝ちたかった)。一方マンチェスターも3試合で1勝2引き分けと、どうやら
開幕ダッシュには躓いた模様。

 それにしても、だ。AstonVillaは言ってしまえば地方の中堅どころのチーム。それでも四万人の
スタジアムを軽く埋めてしまう。バーミンガムのシティーセンターは、エンジと水色のツートンカラーの
ユニフォームを着た子供たちであふれている。各地方のチームが各地方に根付いており、みんな
熱狂的な応援をする。やはりサッカーは文化なのだ。Jリーグ、まだまだ道のりは遠い。

 wpeD.jpg (22260 バイト)
後半、いい位置でのFK。この写真を見ていると、マンU側の選手はほとんど知っているのに
Villa側はあまり知らない。Villaファンとしてはまだまだ。
写真はサッカーのページの方に一杯載せました。こうしないと両方見てくれないから。
「2001-02PremierShip」から、左フレーム中、「Match」の26/08/01を見るよろし。

28/Aug/2001 -Sun- ロンドン

ブリュッセル旅行、旅行のページにアップデートしました。

今週末はバンクホリデーで、月曜日もお休みの3連休。今までのバンクホリデーは家探し引越し
つぶれたり、直前になって存在を知って計画が建てられなかったりだったのだが今回のバンクホリデーは
前々から承知済み。が、昨日はプレミアシップ観戦という大事なイベントがあったため、結局今回も
それほどまとまったバケーションにはできなかった。
 まあいずれにしても一日あいたのでロンドンにでも買い物に行こう。今週木曜、30日は誕生日なのだが、
みんなと同じようにケーキでも出してアピールしたい。が、同じようにケーキを出すんじゃ芸がないので、
ロンドンに行って日本のお菓子などを買って来て振舞えば一躍人気者間違いなし。

 ここ最近、ロンドンに行くときはいつも鉄道を使っていたが、今日はあまりにも天気がよかったため、
急遽、車に変更。ロンドン市街を走るとまた時間がかかるため、やや外れたHighWymconにとめ、
そこから近郊電車で行くことにした。俺ってば天才。

 一通り買い物を済ませ、前から行こうと思っていたNationalGalleryとNationalPortraitGalleryを
見学した。
 ロンドンのミュージアムは大英博物館が有名だが、あくまで博物館。美術品はおもにNationalGalleryに
集められ、パリのルーブルにも劣らないという。
 もともと何かにつけ、理屈をつけて考えるタチなので、感性で受け止める絵画などの美術品には
それほど興味はなかったのだが、最近は頭を空っぽにして、ボーっと絵を感じ取るのが
心地よくなってきた。でも絵のよさとかはあまりよくわからない。ゴッホの「ひまわり」って
こんなところにあったのか。バブルのころに安田火災かなんかが買いとってヒンシュク買ったんじゃ
なかったっけ。もうにっちもさっちもいかなくなって売ったのかな?
「あれー、これー?これかー。めっちゃ普通やん」といっていた関西の女のこ。俺もそう思う。
 一方、肖像画(肖像写真を含む)は実は結構好きである。NationalPortraitGalleryはそんな肖像画を集めた
美術館。2F以上の歴代の王室の肖像画は退屈なだけだが、近代の有名人の肖像画はとても面白い。
毎年コンテストをやっているようで、常に新しい作品が現れる。これは有名人に限らず、町のちょっと
した人物の表情を捕らえたような絵もある。で、最近の作品は「肖像画」というイメージにとらわれず、
もちろんものすごく写実に書かれているのもあるが、思いっきりデフォルメされていたり、あるいはタバコの
空き箱を敷き詰めて、遠くから見ると立派な顔に見えたり、肌色の紙にぶすぶす針がさしてあったり…
で、これらの抽象画(のカテゴリーに入るのだろうか?)がまた見事にその人物をあらわしていたりして、
そう言えばこんなんどっかで見たなー、と思ってよく考えたら、週間朝日に連載の「山藤章二の似顔絵塾」
であった。
 それから特設展で肖像写真家、PHILLIPPE HALSMANの作品が展示中であった。
以前見たKARSH(@名古屋ボストン美術館)に比べ、動き(作為的な)があるのが特徴。
写真集、30ポンド(6000円)、どうしようかな、と思ったが、振り返ったオードリー・ヘップバーンと
目があってしまい、気がづいたら買っていた。
 今、見返しているけどなかなかよいです。まあいろんな写真があるんだけど、ひとつ、「JUMP」という
テーマがあって、いろんな人がJUMPして、空中に漂っている瞬間を収めている。
オードリー・ヘップバーン(あまり表情のないショットが多い彼女だが、この写真では満面の笑顔)、
サルバトーレ・ダリ(秀逸!)、シャガール(ちょっと照れくさそう)、オッペンハイマー(数式の黒板の前で)
などなど…。アサハラショーコーはありませんでした。

wpe56.jpg (12667 バイト)
オックスフォードサーカスからピカデリーサーカス
(「サーカス」は「交差点」といった意味)へ抜ける
Regent St.はロンドン一の繁華街。
wpe55.jpg (12322 バイト)
Natinal Gallaryから見たトラファルガー広場。この
3連休は好天に恵まれ、行楽地や観光地は
大勢の人で賑わったとのこと。