【22】 28/AUG〜02/SEP/2001
バーベQ

28/AUG/2001 -Tue- テレビ

イギリスのテレビについて。
 1人暮しが長いとどうしてもテレビ族(死語?)になる。会社とか学校から帰ると、まずはテレビの
スイッチを入れる。必ずしも見ているわけではないのだが、音がないと逆に落ち着かないというか
さびしいというか。
それはこっちに来てからも同じで、「見ていない度」は英語だけにますます高くなっているが、家に
いるときは必ずテレビがついている。そろそろUKのテレビにもなれてきたので、ちょっと紹介して
みましょう。

 まず、ケーブルテレビや衛星テレビ(日本よりもポピュラーなよう)を除くとチャンネルは5つしかない。
そのうち2つがBBCとよばれる国営放送で、残り3つが民放である。
 番組は日本と同じようにドラマ、バラエティ、ニュース、クイズなどが中心。
 ドラマは日本のようにクールで区切られ、しょっちゅう新しいシリーズが始まるのではなく、短期ドラマも
あるが長寿ドラマが主流のようだ。家族とそれを取り巻く友人たちの成長を描くものがおおく、Emmerdale、
EastEnderなどが人気。日本で言えば「渡る世間は鬼ばかり」ってとこだろう。と、えらそうに
書いてみたがドラマはスラングが多く、また話す速度も速いのであまり理解できていないし見てもいない。
 ニュースはまあ日本とほとんど同じ。BBSでは定時ごとにニュースを行う。朝のニュースは全国版の
間に、10分程度、WestMidlands版が入る。天気予報や道路情報、鉄道情報も逐一報告される。
ニュースのアナウンサーはみんなきれいな発音なので大体聞き取れる。
バラエティ番組は、日本のようにどたばたするものはなく、ほとんどがトーク番組。たまにコント番組
みたいのをやっているが、これは全く聞き取れない。
 クイズ番組が結構多く、人気の高さを伺わせる。が、今の日本のクイズ番組ってほとんどが芸能人が
回答者だが、こちらは昔の日本のように回答者は基本的に素人。大体高額賞金がついて、一攫千金を
狙う人たちをみて楽しむ。そういえば日本で「ミリオネア」っていうクイズ番組があったと思う。みのもんたが
「ファイナルアンサー」っていうやつ。あれはこっちでもやってた。っていうか、こっちが本家なんだろうな。
日本で見たときはみのもんたがやたらもったいぶった司会をしていたが、あれはどうもこちらのをそのまま
真似したようだ。が、みのもんたの「ファイナルアンサー」って、なんかあのもったいぶりかたがひとつの
笑わせる記号というか、ネタみたいな感じになっていたが、こちらではあれはまるっきり本気である。まあ
あんな感じの司会を西洋人があるとサマになる。この番組は非常に影響力が大きいようで、かつて
一度最後まで到達し、ミリオンポンド(2億円)を手に入れた人は、朝のニュースにゲストとして出演していた。
 土曜、日曜の朝はアニメ目白押し。発音を聞いていると、ほぼ100%アメリカのアニメである。その中には
ポケモンやデジモンもある。
 CM。これは日本と違い、全く金かけてない。まず有名人が出てくることは皆無。それでもまあいろいろ
工夫があり、特にユーモア好きの国民らしく、ちょっとウィットが聞いたものも結構ある。中には商品と
値段を連呼するだけの駄作もあるが。唯一金をかけていると思われるのが、有名スポーツ選手の
登場する、日本でもおなじみのNIKE。

 ところで、テレビを見るにはライセンス料を払うことが法律で決まっている。これはNHKの視聴料の
ようなものだが、BBCに限らず、すべてのチャンネルに当てはまるので、テレビが家にある以上、
支払わなければならない。料金は109ポンド(21800円)と結構高い。最初この家に入ってすぐ、「払いなさい」
っていう手紙が来た。「払わないと裁判所への出頭命令があります」とかなり強気だった。トラブルに
なるのはいやなのでもちろん払うつもりだったが、NHKの場合のようにのんびり構えていて、今週末に
でも払いこむか、っていう程度に考えていたら、翌日、留守中にあらためてサイン入りの督促状が来た。
つまり、今度は郵便ではなく、取り立て人が直接来たのである。そのまた翌日、慌ててインターネット経由で
支払った。

30/AUG/2001 -Thu- 誕生日

 8/30。30歳の節目の誕生日をイギリスで迎えることになるとは、生まれたときは想像だにしなかった。
 たまたま、同グループのCollin、Milesも同じ日が誕生日だったよう。先週の日記にも書いたが、
ヨーロッパの人にとっては誕生日は大きなイベントで、パブに行ったりケーキを買って来たりして自分で
お祝いする。Mは以前母親が来たときもってきてくたものや、先週ロンドンで買ってきた、おせんべいや
チョコレート(日本のチョコレートはUKとかなり違う)、大福などを振舞ってみたところ、これが大評判。
Campus(バーミンガムオフィス)内にE-mailを送ったのだが、各方面から人が押しかけ、押すな押すなの
大賑わい。最後には喧嘩をはじめる酔っ払い、迷子になって泣き喚く子供、興奮して大暴れする若者など
手がつけられない状態になった。
 ちょっとだけ大げさだったけど、まあ評判がよかったのは事実です。ちょっと意外だったのが、一番
評判よかったのが、半分シャレで買ってきた、わさび味の柿の種(かなりカライ)。確かにぴりりと辛いの
だが、ひとつ食べるともうひとつ手にとりたくなるニクイやつである。

 夜は前々からCollinと計画していたのだが、仲間内で食事をして映画を見に行った。いっしょに行ったのは
MとCollinの他、Philip、Neilのいつものメンバーに、現在Collinと部屋をシェアしているトーマスという
韓国人。
まずはタイレストランで食事。Mはタイ料理は結構好きだが、パクチ-とよばれる、東南アジア料理に
必ずある、独特の風味のある香草がだめなんである。が、タイ料理とは言え、かなりイギリス風にアレンジ
されていて、パクチ-はわずかにしかはいっていなかった。得意がって一生懸命、これがパクチ-なんだ、
って説明したが、「そんな味しない」と一蹴されてしまった。それでも、タイ旅行以来の久々のシン・ハー
ビールを飲んでご機嫌。総額1人26ポンド(5200円)だったが、まあUKでまともに外食したらそんなもんだ 
 その後映画を見に行った。Mがいつも利用するARCADEANセンター内にあるシネマプラザで、劇場が
10くらいあるので人気作品は30分おきくらいに上映される。そこでみたのは今世界で人気沸騰中の話題作、
「The Planet of APES」。ご存知「猿の惑星」の、ティム・バートンによるリメイク(リ・イマジネーション?)。
話はしょうもなかったが、猿のメークや動きが完璧で面白かった。詳細はそのうち映画のページに挙げマス。

01/SEP/2001 -Sat- バーベQ

9月突入。最近はとみに肌寒い。UKの短い夏も終わりだろうか。

午前中、家のまわりを散歩していたら、ご近所でガレージセールをやっていた。はっきり言ってほとんど
ガラクタであったが、手作りのクッキーやケーキなどがあった。ちょっとおいしそうだったので、マフィン4つ、
それから手作りストロベリージャムを一つ買ってみた。これで1.6ポンドはお買い得ざます。ジャムはまだ
試してないけど、マフィンはスーパーで売っている甘いだけのやつとは違い、ずしりとおいしかった。

午後はATGのボス、アランの家でバーベQパーティ。イギリス人はほんとにバーベQパーティが好きである。

その前にESTATE AGENCY(不動産屋)から、INSPECTION(固く言えば監査)があるといわれていたので、
家で待機していた。一時間くらいかかります、といわれていたので結構ちゃんとチェックするんだな、と、
台所とかぴかぴかにして待っていたのだが、結局5分で終わった。なんなんだ。

 そんなこんなで遅刻するつもりだったのだが、BBQには開始3:00の時間通りついた。が、このときにいたの
はティム、ローランド、サイモン、主催のアランなどほんの一部。みんな時間は守ろう。
 そのうちみんな集まってきた。Collinは木曜日の映画のあと、金曜日に仕事を終え、その足でロンドンに
いってオージー(オーストラリア人)の女の子とアイススケートでデート、今朝朝早く帰ってきたらしい(しかし
こいつはほんとにお喋りだ)。フランソワはアキさんと一緒。5:00ごろ登場も、「フランス人の時間で
きました」とはアキさんの弁。アキさんとは久々に日本語を話すことができた。現在日本に勤務中、
夏休みで帰ってきているサイモンはちょっとやせたよう。やっぱり日本の仕事はきついのか。
ということは逆に考えると俺は太ったということか?今週一杯日本に行っていたリチャードは、昼に
ヒースロー到着、その足で来たらしい。相変わらず忙しい男である。いつもは車で来るフィリップ、ニール
コンビは、今日はタクシーで来たとのこと。たらふく飲むつもりらしい。
 そして今日はWカップ予選の大一番、ドイツ-イングランドの一戦がある。ヨーロッパのWカップ予選は
各グループ一位が自動的に出場、2位が他グループの2位とのプレーオフとなる。このグループは
ドイツ、イングランドの2強豪が2位以内をほぼ決めているが、自動出場権をめぐって熾烈な争いを
繰り広げている。その試合をみんなで、12インチテレビを食い入るように見ていた。
 ドイツは「サイボーグ」ヤンカーが先制点を挙げたがオウエン、ジェラードに得点を許し、前半を2-1で
折り返す。そして結果は5-1の予想外の大差でイングランドの勝利。ローランドは得点が入るたびに
雄たけびを上げていたが、フィリップ、ダニエル、ダニエルの彼女のドイツ勢はあまり興味がなかったようで
(あるいはないように振舞っていたか)、常に冷静に見ていた。
 こういった場ではみんな家族を連れてくるので、普段なかなか知ることのできない人たちとも挨拶を
かわした。特にATGには小さい子供を持っている人が多い。西洋人の赤ちゃんとか小さい子って
日本人とはまた違ってほんとにかわいい。が、うっかりしたことに、カメラにバッテリーを入れてくるのを
忘れてしまった。とっても楽しい会だっただけに悔やまれる。

 帰り、イングランドの国旗をまとった酔っ払いが(酔っ払ってないかもしれないが)そこかしこに現れて
運転の邪魔をされた。

02/SEP/2001 -Sun- フランソワ宅

先月はじめ、母親が来たときに、アルバムの中に挟まっていた、一枚のリーフレットを持ってきた。
HourseFarmInnというB&Bである。どうも昔イギリスに住んでいたとき、訪れたB&Bのようである。
場所はShrewsburryと、ここから2時間程度のところ。
 で、今日はそこを探しに車を走らせてみた。まあ見つかったからどうと言うわけでもないんだけど、
そういうのってなかなか楽しい。しかし、結論から言うと見つからなかった。そのリーフレットにはA5沿い、
って書いてあるんだけど、今はA5はM54の高速道路になって道沿いには何もない。高速道路を降りて
少しまわりを見てみたがやはり見つからなかった。25年も経つといろいろ変わってしまうものである。

 そのあと、その足でそのままシティーセンターに行った。何をするわけでもないが、まあ買い物と、
面白そうな映画をやっていたら見てみようかな、っていう感じでふらふら歩いていた。すると、ばったりと
フランソワとアキさんに出会った。彼らはシティセンター近くに住んでおり、同じくふらふらショッピングして
いたよう。昨日は12時くらいまでいて、フランソワはちょっと二日酔い気味らしい。
 取りとめもない世間話をしていたのだが、バーミンガム北にある大きな中華系スーパーの話になった。
以前フランソワから聞いていたのだが、そこには日本食もかなりあるらしい。「そんじゃ今から行って
見ようかな。どうせひまだし」、といったら、いっしょに来てくれるという。「普段は足がないのでなかなか
行けないから」。願ったりかなったりである。
 かにシティーセンターの中華系スーパーマーケットより一周りも二周りも大きい。それに日本食も
結構ある。納豆やかまぼこまであるのがうれしい。みりんの種類も豊富。値段が高いのは
しょうがないが、ロンドンまで買いに行く手間を考えれば安いものである。バーミンガム界隈には富士通や
RICOHがあり、日本人もちょろちょろいるらしい。
 フランソワとアキさんを送っていったついでにちょっとお茶させてもらった。彼らのフラットは、
アキさんの通うバーミンガム大学から歩いて10分、ちょっと奥まったとおりにある非常に綺麗なフラット。
部屋は明るく、地下には書斎のような部屋もあってなかなか居心地がよさそうである。
とびきりのオレンジシナモンティーで、アフタヌーンティーを優雅に楽しんだ。うーん、これぞ
イングリッシュライフ。
 お土産に、アキさんの友達が置いていったという炊飯器をゲット!コンセントと電圧はもちろんUK対応。
これでやっとなべでの米焚きから開放される。

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フランソワ、アキさんのフラットは大学のそばの閑静な住宅街。