【2】 09〜16/APR/2001
Stratford-Upon-Avon

09/APR/2001 -Mon- レンタカー

 日本に電話し、マネジャーの許可をとってレンタカーを借りた。これでだいぶ
機動力がつくはずである。

11/APR/2001 -Wed- フットボール

  前からローランドに誘われていた、サッカーの集まりに参加する。
こちらではサッカーと言わず、フットボールと呼ぶのはご存知のとおり。
 仕事は早々に4:30で切り上げる。ローランドの超オンボロで20分
ほど飛ばし、市民センターのようなところに到着する。残念ながら
芝ではなく、人工芝のグラウンドのようだ。

  とにかくこの場でジェントルマンたちをブイブイ言わし、「日本から
とんでもないやつが来たぜ」と思わせ、一躍人気ものになろうと思って
いたのだが、そんなに体が動いたのも遠い昔。そもそも日本にいた
時だって、大してレベルの高くないところでもヒーヒーいってたっけ。
それに彼ら、あまりボールをつなごうという意識がなく、とにかく
ぼこぼこ蹴ってしまう。また、少々テクがあるよりは、モリモリ走って
ゴリゴリ突き進むタイプのほうが受けがよいらしい。どうやら
イギリス人は、ラグビーとサッカーの違いは手を使うか否か
だけだと思っているようだ。

  少々消化不良だったが、とにもかくにもARUPの人々と仕事以外の交流を
持つことができ、また何よりボールを蹴ることが出来て、満足な一日だった。
サッカーの質については、いずれ日本代表がイングランド代表をぼこぼこに
したとき、彼らもはたと気づくだろう。

12/APR/2001 -Thu- イースター前

 今週はイースターだそうで、金、月がバンクホリデー(祭日)となり、4連休
になる。リチャードが教えてくれたが、危うく出社するところだった。せっかくの
4連休なので旅行にでも行きたいが、まずは住居を見つけなければ
行けないし、先に書いたように銀行口座を開くまでは現金の入手手段が
なく、節約しなければならない。残念ながら今週末はまず生活基盤を築く
ことに当てるつもり。ARUPの面々はみな、2,3日休みをくっつけて
バケーションをとるようだ。

 金曜日がお休みなので今日は週末。したがって昼はまたまたパブに
飲みに行く。みんな酒に強いのでビール一杯くらいではこたえないの
だろうが、Mは1パイント(生中くらいかな)でもへろへろになってしまう。
今後は毎週付き合うのはちょっと無理だろう。

 今日はパブではダーツゲームをする。なかなかハイソな遊びだ。ルールは
至って簡単で、なかなか面白い。小一時間楽しんだが、ほんとは金などを
かけて一晩中盛りあがったりするのだろう。

13/APR/2001 -Fri- バーミンガム散策

 イースター連休の最初の日。まずは先週行った、賃貸専門のESTATE
AGENCYを改めて訪れる。イースターホリデーにあいてるかどうか不安
だったが、ちゃんと営業していた。外国人でも滞在可能で、基本的には
一人、期間は一年なのでFurned(家具付き)がよいなどの条件をもとに
いろいろ相談したが、そもそも物件自体があまりない。先週もらった物件
一覧も半分くらいはすでに決まったもので、どうもあまりに数が少ないので
載せているだけのようだ。
 その中で一件、勧めてくれたものがある。Sheldonという地域で、
ちょっとオフィスからは遠い。出来ればShirleyかSolihull、悪くてもOlton
付近、と思っていたのだが。翌日物件を見せてもらうことにし、Agencyを
後にする。

 次に向かうのはバーミンガム中心部。イギリスでは各都市の中心部を
シティーセンターと呼ぶ。オフィス付近は鉄道はあまりないので、通勤には
バスを使うのだが、それにしてもバスのルートマップのようなものが必要
である。新しい住居を決めるにしても、そこからオフィスまでバスで通えるか
どうか、通勤時間などはどれくらいかはあらかじめ知っておかないと大変な
ことになりかねない。フランソワの話ではシティーセンターに行けば
手に入るだろうとのこと。先週行った時にとってくればよかった。
 今回は車があるので非常に楽である。3,40分ほどでシティーセンターへ。
パーキングは終日で3.80ポンド。
 シティーセンターといっても広いわけで、当てもなかったがとりあえず
中心駅のNewStreetStationに向かう。と、入り口付近にCentro(バス、
鉄道会社)の案内所があった。ルートマップ、および時刻表はあっさり手に
入った。
 マクドナルドで飯をくいながら地図を眺めると、やはり先ほどの
Sheldonの駅はちょっとオフィスから遠く、バスを二つ乗り継がなくては
ならない。最初のバスで20分ほどでSolihullの駅へ、そこから
ビジネスパーク行きのバスに乗りかえる。しかしこのバス、7:30の次は
9:00発と非常に本数が少ない。やはり早いうちに車を購入する必要があり
そうだ。

 今日は余裕があったのでちょっと市内を観光した。「地球の歩き方」には
バーミンガム美術館と科学技術博物館が載っていた。後者は残念ながら現在
クローズ中。前者は絵画や彫刻などの美術品から骨董品、アンモナイトや
恐竜の化石、子供たち向けのゲーム場など、なんだかごたまぜだった。

 それにしても、フィリップではないが、イギリス人はほんとに町並みを
大切にする。ARUPオフィス付近の田舎で古い建物が多いのはわかるが、
このバーミンガムのような大都会でも、法律に拘束されているのだろうが、
古い建物が非常に多い。効率優先の日本やアメリカとは、まず町並みの
雰囲気からして大幅に異なっている。良し悪しは別にして、そのこころが
日本にもあったら、日本の風景も今とはだいぶ異なっていたであろう。

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バーミンガム美術館とその前の広場

14/APR/2001 -Sat- 家探し

 昨日教えてくれた物件を見に行く。フラットということだが日本のアパートや
マンションのように大きな建物ではなく、2階建てが4つに区切られた建物が
何棟かある。すぐそばに大きなコベントリーロードがあり、買い物の便は
非常によさそうだ。また、バス停までのアクセスもよい。かといって、
騒々しいこともなく、少し奥まったところなので雰囲気は非常に閑静だ。
寝室が二つ、居間がひとつ、非常に小さなキッチンがひとつ。Hさんが
住んでいたところよりは少し狭いが、すごくきれいで、雰囲気が明るく、
清潔である。特にHさんが苦労していた、お湯が余り出ないとか、水まわりに
ついては問題なさそう。そして完全にFurned(家具付き)なので、ベッド、
ソファなどすべて備わっているのがうれしい。とくに台所には電気コンロ4つ、
マイクロウェーブ(電子レンジ)、冷蔵庫、そして洗濯機まで備わっている。
月495ポンド(90000円弱)と、一人で住むにはちょっと贅沢だが、どうせ会社が
払ってくれるし、Hさんと比べれば安いので問題になることもないだろう。
週明けに改めて先方オフィスに行き、契約書にサインすれば晴れて新居
決定となる。

15/APR/2001 -Sun- Stratford-Upon-Avon

 イギリスの生んだ偉大な劇作家、ウィリアムズ・シェイクスピア。彼が
生まれ育ち、そしてロンドンでの成功の後余生を過ごした町が、この
Henelyから約15kmのストラトフォード・アポン・エイボンである。以前
夜中に一度フィリップと一緒に行ったがまともな観光をしなかったし、
日帰りのドライブにはちょうどよい距離だ。

 イースターの連休ということもあり、町はすごい混雑。シェークスピアの
生家がそのまま残っており、中に入って見学することが出来る。縞縞模様の
チューダー調の建築様式の町並みは趣深い。その他孫娘エリザベスの家で、
ウィリアムズも隠居に使ったNash’sHouse、娘のスザンナの家である
Hall’sCroftなどを見学。また、シェークスピアとは関係ないが、
蝶博物館でいろんな種類の蝶々や毛虫、タランチュラやさそりを見学して
ちょっと気持ち悪くなった。

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シェークスピアの生家。商人の息子として生まれ育った彼は、
年に何度か訪れる劇団に感化され、俳優になることを夢見て
ロンドンに向かう。俳優の夢はかなわなかったが、劇作家とし
ての才能を開花させ、後の作家たちをして「人間ドラマはすべ
てシェークスピアが書いてしまった」と言わしめるほどの偉大な
功績を残した。

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シェークスピアの生家入り口。中に入ることが出来るが
結構高い!

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散策するにはもってこいのAvon川のほとり。

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Stratford Upon AvonのHighStreet。チューダー調の
建築物が目をひく。

16/APR/2001 -Mon- Oxford

 イースター連休最終日。1DayDriveにいいところを見つけようと、
「地球の歩きかた」を手繰る。リバプール、コッツウォルズなどもよいが、
それぞれ一日の滞在だと観光しきれそうにない。そこでHenleyから南東、
学問の町Oxfordに行くことにした。
 こちらに来て初めてのロングドライブだが、MotorWay(高速)を使えば
ものの一時間で着いてしまう。高速を降りても、事故や工事などがない
限り渋滞などはありえない。
 ただ、Oxfordも大きな観光地のひとつ。駐車場を見つけるのに一苦労。
また、原則1時間しかとめられず、一時間後にわざわざ更新しにこなければ
ならない。しかも釣りのないよう小銭を用意して。めんどくさかったので
2時間くらいで出発してしまった。

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「オックスフォード大学」とよく言われるが、実際にはそのような
大学があるわけではなく、オックスフォードにいくつかあるカレッジ
(単科大学)を総称してOxford Universityと呼ぶらしい。上の写真は
オール・ソールズカレッジ。外観からは大学とは想像もつかない。
その他には皇太子浩宮の学んだMerton College、世界最古の
大学University Collegeなどなど。

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カーファックスタワーからの、HighStreetの眺め。カーファックスタワーは
下から見るよりもずっと高く、あまり長い時間いられなかった。
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「地球の歩き方」には載っていないが、見事な「自然史博物館」。

 Oxfordを出た後、高速脇のバーガーキングで昼飯を食べながら、
そこから約30分くらいのBlemham宮殿に行く道を探す。ここは
チャーチルの生まれ育った宮殿だそうだ。

 チャーチルは第2次世界大戦イギリスを率いた首相で、そう言われて
みればよく「チャーチル」の前に「サー」がついている。すなわち
貴族階級出身である。実は日本にいるとき、Karshという、肖像写真を
得意とするカメラマンの写真展を見てきたのだが、その代表作に彼の
写真があり、チャーチルについては少し調べたことがあったので、
たまたま下知識があった。日本では教科書に出てくるだけだが、
イギリスでは彼の人気は絶大で、まわりに何もないこの宮殿には
チャーチルにまつわるものが多く展示してあり、大勢に人が訪れていた。
それにしてもものすごい宮殿である。巨大な敷地に豪華な建物、綺麗な庭。
芝生で敷き詰められた東京ドーム20個分の敷地(推定)には湖さえある。
写真でその壮大さが伝わらないのが残念である。
 しかし見学料9.5ポンドは高いぞ!

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中庭からみた宮殿の入り口。'96の映画「ハムレット」の
ロケでも使用されたとのこと。
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敷地内には大きな湖もある。

この日の夜、高校時代の学友であるM氏に電話で連絡した。彼はもうすでに
英国に来て三年以上たち、イギリスのベテランである。こちらに来るまで、
いろいろアドバイスしてもらった。ただ、非常にご多忙で、現在はヨーロッパ
各地を飛び回っているらしい。ロンドン在住とはいえ、車で2時間も
飛ばせばつくはず。家や銀行が決まって落ち着いたら晩飯をおごって
もらおう。