プレミアシップ(17/DEC/2001)
アストン・ヴィラ (2‐1) イプスイッチ・タウン
【得点者】
A: アンヘル(45分、60分)
I: フィニディ・ジョージ(44分)
日記
10月28日のボルトン戦から一向に勝ち星に恵まれないVILLA。順位も一時期の
首位から一気に八位まで滑り落ちてしまった。
とにかく怪我人が多い。安定した守備を誇っていた4枚のDFのうち、右サイドバックの
デレイニーが長期離脱。そして目下チーム得点王のトップ、ヴァッセルもチームを
離れている。そして何より痛いのが、今シーズンから加入し、各チームの脅威と
なっていたハッジ、カシュルールの両ウィングのリタイヤだ。
一方、怪我で開幕から出遅れていた中盤のマーソンの復活はうれしいニュースだ。
今日のイプスイッチ・タウンは昨シーズン、昇格と同じに旋風を巻き起こし、UEFA
圏内を獲得したブラックホースだったが、今シーズンは下位に低迷、現在は最下位。
ただし鋭いカウンターに気をつけたい。
前回のホームマッチであったレスターシティとの試合は見に行けなかったので、
ミドルスブラ戦以来の観戦となったが、ずいぶん顔ぶれが変わってしまった。
右サイドバックにはサミュエル、左サイドMFには本来DFのバリー、右サイドMFには
ベテランのストーンが入る。中央DFはメルベグとストーントン、中央MFには
ボーティングとヘンドリーは今まで通り。2トップはアンヘルの相棒にマーソンが入った。
立ちあがりから終始ボールを支配するのだが、どうも様子がおかしい。とにかく
ミスパスが多く、攻撃にリズムが出ない。両サイド、バリーとストーンに迫力がなく、
前に勝負できないのでサイドバックのためのスペースができず、ごちゃごちゃした展開。
一方イプスイッチは完全にカウンターねらいで、それが前半中ごろぴたりとハマリ、来年
Wカップでの、イングランドの目下の対戦相手であるナイジェリア代表のフィニディ・
ジョージのミドルがシュマイケルを破った。
しかしこれでようやく目がさめたか、前半ロスタイム、左からのコーナーが一度
跳ね返されるも、それを拾ったキッカーのストーントンがもう一度放り込み、これを
アンヘルがジャンプ一番押しこんだ。
前半は1-1でおり返したが、ふがいない戦いぶりに場内からはブーイングが起こった。
ハーフタイムでどう言う指示が出たのかわからないが後半は修正され、ミスが減った。
そして後半中ごろ、またもや抜け出たアンヘルのシュートがDFにあたり、コースが
変わってキーパーが反応しきれず逆転。大喜びでピッチを飛びまわるアンヘル。
移籍云々の情報も流れているが、これでグレゴリ-監督も考え直すだろう。とにかく
決定力の高さは圧巻である。
ゲームはそのまま終了。逆転勝ちと、得点経過だけを見れば痛快だったが、内容は、
とくに前半はお粗末そのもの。2得点はアンヘルの個人技でとったもので、すばやい
ボール回しでサイドを崩す、というかつてのスタイルが見られず、これでは上位陣には
通用しないだろう。やはり今日の両サイドMF、バリーとストーンには、ハッジと
カシュルールの代役はつらい。
一方、好調のアンヘルはもちろん、それと2トップを組んだマーソンはなかなかだった。
ボール扱いが軟らかく、もらい方が上手なので敵の鼻先で交わすトラップやドリブルが
ペースをかえ、独特のリズムを生み出す。ただちょっとスピードとパワーに欠け、せっかく
抜け出してもすぐ追いつかれる場面なども。猫背のスタイルといい、(日本にいたころの)
ジーコを思い起こさせた。
それから1点目のアシストを記録したストーントンも好調。キックが非常に性格で軟らかい。
中央のDFだがフリーキックやコーナーキックも任される。攻撃の一番最初のパスである
中央のDFのフィードがいいと組み立てがしっかりとできる。
これからクリスマスシーズンに入り、週2ペースで試合が続く。年が明けたら再び首位争いに
加わってほしいところ。
(17/12/01) |