七日目 −湖水地方−


  



 コベントリーから湖水地方へは、もちろんコーチが一番安く、直通なので便利だが、8時間もかかるのと、やはりせっかくだから鉄道で行きたかったのでトーマスクックを取り出す。コベントリーからまずミドルイングランドの中心地、バーミンガムへ行く。イギリスの鉄道は東岸と西岸にそれぞれ太いパイプがあるようだが、そのうち東岸のほうの鉄道で北へ向かい、Oxenholmから支線に乗り換えて湖水地方の中心地、Windermereに行く、という段取りだ。

 コベントリー市外から近距離バスで直接バーミンガムへ行く。バーミンガムは空港もあり、コベントリーとは比べ物にならないくらい都会だ。ここで11:30のエジンバラ行きを待つが、時間が近くなっても掲示板には現れない。あせってインフォーメーションの人に尋ねると、どうやら時刻表の見方を間違ってしまったらしい。列車は一時間に一本程度しかないし、特にOxenholmからWindemereへは超ローカル線なので下手をしたらWindermereにたどり着けないかもしれない。困っていると駅員さんが端末を操作し、「駅すぱーと」のようなソフトでWindermerまでの最短経路と乗換駅、乗るべき時刻を表示し、プリントアウトしてくれた。さすがサービス王国イギリスだ。今回のことに限らず、公共機関をはじめイギリスのいろいろなサービスはとても充実していて、担当の人もとても親切だ。アメリカ人のサービスはなんだか横柄な印象があったし、トルコ人は下心いっぱい、やはりサービスは日本が一番と常々思っていたがイギリスには足元にも及ばないと感じた。

結局12:57のインターシティー125に乗る。イギリスの新幹線のようなものだ。イギリスでは新幹線に乗ろうが鈍行に乗ろうが料金は同じである。ちなみにインターシティ125の125は運行速度125マイル/hの意味で、約時速200km/h。ほかにインターシティ225というのもあるがこちらはマイル/hではなくkm/hで速度はほぼ同じだ。指定席は日本のように車両がわかれているわけではなく、座席の背もたれに予約区間がかかれたカードが差し込まれており、そのカードがない席や、カードにかかれている区間以外は自由席となる。

15:25 Oxenholmに到着。湖水地方の入り口であるWindermereへの支線への分岐駅で、湖水地方から帰って来た人たちでごった返している。日本人もいっぱいいるようだ。Windermereへは16:00ごろ到着。電話で聞いておいたホテル「LakesHotel」はすぐに見つかった。シングルの部屋がなく、ツインをシングルユースしたため一泊35ポンドはちょっと高め。ただ「地球の歩き方」を見せれば10%引きとなる。ロビーには「リョーコさん」と他の人が呼ぶ女の子がいた。学生さんのようで、毎年イギリスに訪れて通訳兼ガイドのアルバイトをしながら休みを過ごすそうだ。当然英語はぺらぺらで宿のにいちゃんと軽快に話をしている。こう言う人の前で英語を話すのは非常に恥ずかしいものだ。

 17:00を回っていたので今日はあまりあちこち行かず、Windermere湖の船着場、ボウネスまで歩いていくことにした。大体30分くらいの道のりだ。しかしさすがに3連休の最終日、カンタベリーを上回るものすごい人で、狭い道路も車で大渋滞している。ボウネスの少し小高くなった丘の上でコークを片手にぼんやりしながらすごし、薄暗くなったところで帰った。