八日目 −ツーリング−


  


 イギリスのB&Bは基本的にコーンフレーク、紅茶orコーヒー、トースト、ハムエッグに果物のイングリッシュブレックファストが主流だ。このホテルもご多聞に漏れずとびきりの朝食を用意してくれる。ところが食堂に入ってびっくり、先に来ていた4組全員日本人、更に後から入ってきたもう一組も日本人。同じく一人旅のおしゃべりのおじさんを中心に話が膨らんだのだが、何でもこのLakesホテルは地球の歩き方をはじめ、あちこちの日本語ガイドブックに広告を載せており、日本人向けにいろいろ工夫を凝らしているらしい。しかしこれではまったく海外に来た気がしない。

日本ではこの旅行についてほとんど予定は立てていなかったが、二つだけあらかじめ心に決めておいたことがある。ひとつは育った町ウッドマンスタンを訪れることで、もうひとつはこの湖水地方を自転車で回ることだ。「地球の歩き方」の隅っこにチラッと書いてあったのだが、妙に心惹かれてしまった。

 

丸一日チャリンコを借り、湖水地方の雄大な自然を
堪能する。

 


 イギリスではウォーキングや自転車のツーリングなどが非常に盛んで、この湖水地方も人気のひとつ。ツーリストインフォーメーションにはウォーキングやサイクリング用の地図帳がたくさん売っている。昨日のうちにそのうちのひとつを購入し、昨夜思いをめぐらせながらコースを考えた。

自転車はホテルの隣のスポーツ店で借りた。DAVIDというおじさんが丁寧にいろいろ教えてくれる。21段変則のマウンテンバイクもなかなかイケてる。値段は一日12ポンド(約2400円)で昨日下見した駅前の店より2ポンド安い。

コースとしてはウィンダミアの北岸よりアンブルサイドの町へ。高台を抜けてからとなりのConistonWaterの東岸を走り、Windermerの南を回って東岸を走り、ボウネスからWindemerに戻る。地図がいまいち貧弱で何度も迷い迷ったが、とにかく天気がよく、かといって暑いほどではなく、イギリスの田舎道を風を切って走る気分は何ともいえない。山間部だから結構上り下りが激しいが、のぼりのしんどさは下りの爽快さを引きたてるためにあるようなものだ。朝9:00に出発し、夕方6:00前に戻ってきたときは足がフラフラでちょっとの上り坂をこぐのもままならなかったが、一服した後宿のそばのパブで一気に飲み干したエールは最高!