エピローグ

 

     

thomascook.gif (1995 バイト)

こんにちは。

 2週間の夏休み、ヨーロッパ鉄道旅行を終え、感想などのあとがきとしてまとめてみたいと
思います。ミステリー小説なんかのあとがきにある架空対談みたいなものをパクってみました。
 申し遅れました。私は今回インタビュアーをつとめさせていただく、トーマス・クックと申します。
ほとんど使われないかわいそうなポストペットですが、久々の登場で張りきっています。

 

 

 

ご挨拶

 

 

トーマス・クック 「どうも」

M 「どうも」

トーマス・クック 「どうも」

M 「どうも」

トーマス・クック 「どうも」

M 「どうも」

 

 

総括

トーマス・クック 「…さて、2週間強の旅行を終えたわけですが、まずこの旅行のテーマというか、
目的というか、なんでこんな形の旅行をしたのか、というのを伺わせてください。」

M 「そうですね。1つはイギリスにいる間になるべくあちこちに行きたかったっていうのが
あります。イタリア、スペイン、フランス、ドイツと行きたいところはいっぱいあるんだけど、
ちょっと週末で…というほど簡単ではない。まあ一度行ったベルギーや、パリくらいだったら
いいのかもしれないけど。長い休みはそう何度も取れないから、それじゃあ一気にいってしまえと。」

トーマス・クック 「なるほど。一応『旅行好き』を自負していらっしゃるようですが、『行ったことのある国』
のレパートリーを一気に増やしたかったわけですね。」

M 「そんなこと言ってないでしょ。本当にいろんな国を回りたかったんです。それからもうひとつ、
今までいくつかの旅行を経験してきて、自分で何が一番楽しかったか、と考えたときに、いろんな
遺跡や博物館をまわったり、ビーチでごろりとしたり、買い物をしたりするより、『予定をたてる』ことが
楽しかったんです。」

トーマス・クック 「と、いいますと?」

M 「トルコ旅行で体験したんですが、用意されたパックツアーなどではなく、毎晩、ガイドブックと
時刻表をにらみながら明日の予定を立て、翌日、朝起きたら行動に移す。汽車の遅れをはじめ
様々なトラブルも、むしろそれを解決するための楽しみのひとつですね。そういう意味では
ヨーロッパは非常に適していました。鉄道網が発達していてだいたいどこの都市にも汽車で行けるし。」

トーマス・クック 「トラブルも楽しみ、ですか。なるほど。そのわりにはあまり冒険はしませんでしたね。」

M 「まあ冒険が目的ではないですから。」

トーマス・クック 「澤木耕太郎や鴨志田譲にあこがれるならやっぱバックパック背負ってヘロイン
くらい吸ってこないと。アムスにも行ったんだし。」

M 「おれを破滅させる気か?!いくらアムスでもヘロインは違法だ。」

 

 

汽車

トーマス・クック 「今回は汽車中心の旅でしたが、いかがでした?」

M 「やっぱり飛行機と違って風景の見える汽車というのはよかったですね。」

トーマス・クック 「そのわりにはバルセロナ-チューリヒは飛行機を使いましたね。これには猿岩石も
びっくりしていましたよ。」

M 「しょうがないでしょ。とにかくフランス-マドリード間でいきなり体調を崩しちゃったんだから。
バルセロナでも、復活したけどちょっと恐る恐る、の観光でした。まあ柔軟に対応した、といって
ほしいですね。」

トーマス・クック 「なるほど。ものはいようですね。ところで汽車の旅というのは現地の人や
同じ旅行者とのコミュニケーションも楽しみのひとつだと思いますが、そのへんはいかがでした?」

M 「それが残念ながら今回はほとんど話をしていません。まず、長距離列車が多く、
コンパートメント型(客席が部屋でしきられているタイプ)の客車が少なかったこと。
オープンサロン(客席がみんな同じ方向を向いている新幹線タイプ)だとなかなか話しかけづらい。
あと、やっぱり一人旅だとなかなか。複数人でわいわいやっているといつのまにか周りの人も
巻き込んで、っていうこともあるんだろうけど。」

トーマス・クック 「それは残念でした。先ほど『旅の目的』でも触れた、予定の組みたてについては
楽しめましたか?」

M 「そうですね。国際鉄道中心だったからかもしれませんが、ヨーロッパの鉄道は意外に
遅れが少なく、予定通り進みました。ただ今回、ほとんどが大都市間の移動だったので、あまり
乗り継ぎが多くなく、その意味ではちょっと物足りなかったです。乗り継ぎがあったのは
パリ-(イルン)-マドリード、チューリヒ-サルガンス-ファドゥーツ、
ファドゥーツ-サルガンス-バーセル-マインツ-フランクフルトくらいかな。」

トーマス・クック 「そうしますとフランクフルト-ケルンの間の、ライン流域の町々を、ローカル
列車で降りながら観光したのはある意味この旅行の象徴だったと言えますね。」

M 「そうですね。あの時はまずローカル列車の時刻表を手に入れるところから始まった
わけですけれども、フランクフルトに入る時間と各町を歩く時間を考えながら使う列車を
決めていきました。」

トーマス・クック 「まあこの日があったからかろうじて『鉄道旅行を楽しんだ』、と言えるかも
しれませんね。他の都市間は基本的に特急一本でつながってますからそれほどダイヤを
考える必要もなかったみたいですし。
 ところで、本文中には一番楽しめた都市はバルセロナ、とありましたが、一番楽しめた汽車は
どのあたりでしょうか。」

M 「そうですねえ。まず旅行に行く前から楽しみにしていたのがパリ−マドリード間の夜行
でしたが、ここは本文中にある通り、体調を崩して最悪でした。客車が快適だったのはバーゼル
−フランクフルト間、あるいはケルン−アムステルダム間のICE、ドイツの新幹線ですね。
ヨーロッパの新幹線としてはフランスのTGVよりも後発ですが、その分しっかりと設計してあって
座りごこちや広さは一番でした。
 窓の景色がよかったのはなんといってもマドリード−バルセロナ間のタルゴだと思います。
刻一刻と表情を変えていくスペインの大地の景観はすばらしいものがありました。

 

お金

トーマス・クック 「お金についてだけ、ちょっとだけ聞かせてください。全部でいくら
かかかりました?」

M 「なるたけ安宿を泊まるように心がけたんですが、2週間で27万円くらいかかりました。」

トーマス・クック 「1999年にイギリス旅行をしたとき、一週間半でしたが、航空券こみで
そのくらいでしたね」

M 「そうですね。やはり移動の費用がかかりました。ほぼ毎日移動していましたが、
だいたい宿泊費と鉄道料金が同じくらいでした。」

 

各都市

トーマス・クック 「一番よかった都市はバルセロナ、ということですが、そのへんをちょっと
聞かせてください。」

M 「そうですね。ヨーロッパというとロンドンやパリ、あるいはローマなど歴史のある景観…
というイメージが強いですが、もちろんバルセロナも歴史はあるのですが、それを多い尽くす
ような活気というか、歴史で飯が食えるか、というような勢いというか、そんなものを感じました。」

トーマス・クック 「さっぱりわかりません

M 「…わかりやすく言えば、アジア的な雰囲気です。もちろんアジア諸国ほど混沌とは
していませんが、マドリードも含め、景観と歴史を大切にする、という他国とはちょっとちがうもの
を感じましたね。」

トーマス・クック 「歴史で言えばスペインは他の諸国以上に深いものがあるはずですが、それを
感じさせなかったと。」

M 「もっとも、今回はスペインでは美術館や博物館には行かなかった、というのもあるとは
思うのですが。ただ町全体の雰囲気が、ロンドンやパリとは異質の感じだったと思います。」

トーマス・クック 「なるほど。ところで話が出たついでに、ロンドンの評価が異様に低いのですが。」

M 「これも本文中にある通り、とにかく宿泊施設がひどい!あんな施設に50ポンドも
60ポンドも払うなんて正気の沙汰ではないです。それから後はやっぱり真新しさもなかったかな。」

トーマス・クック 「そうですか。ところで、逆に、今回は行かなかったけどこの都市はぜひ
行きたかった…というところはどこでしょう?」

M 「まず、今回はイタリアには行っていません。これが何より残念。途中であまりに
当初の予定に無理があり、コースの変更をしたのですが、イタリアはやっぱり魅力的な国だと
思うので、別の機会にゆっくりまわろう、と思ったのであえてはずしました。
とくにヴェネツィアには一度行きたいです。」

トーマス・クック 「それはまたなぜ?」

M 「塩野七生著の、『海の都の物語』というほんがあるのですが、それが
ヴェネツィア千年帝国の話なのです。ローマ帝国の一都市から始まり、時の支配者が
次々と変わっても地中海貿易の経済力を武器に栄えた魅力あふれる国のお話ですが、
その跡をぜひ見てみたいと思いまして。」

トーマス・クック 「それはなかなか学がありますねえ。ちょっと具体的なあらすじを教えてください」

M 「…忘れました。」

トーマス・クック 「…他には?」

M 「チェコのプラハも今回の旅行の予定に入っていたのですがちょっと遠すぎるので
コース変更のときにはずしました。ウィーンも同じ理由で行けませんでした。どちらも魅力的な
都市ですから、いずれは行きたいですね。」

 

体調

トーマス・クック 「今回体調を崩されたそうで。」

M 「ほんとに最初の最初だったのですが、パリで張りきりすぎて目いっぱい観光したあと、
そのまま夜行に乗りこんだのですが、これがいけなかった。思ったより気温が低かったのも
効いたかな」

トーマス・クック 「もう自分で思っているほど若くないということですね。マドリードは残念でしたね」

M 「ええ。体調を気遣いながらの観光でしたから。でも本文には書かなかったけど実は
そのあとも結構引きずっていたんです。昼間観光している間は気分も高ぶって、ホルマリン
出ているっていうんですか?」

トーマス・クック 「アドレナリンですか?」

M 「そんなにつらくはなかったんですが、夜寝る前、それから朝起きてすぐはせきがひどくて
大変でした。イギリスに帰ってからはホッとしたのか、帰った翌日は丸一日寝ていました」

 

 

タイトル募集

 

トーマス・クック 「さて、今回旅行記のタイトルを募集する、というかなり無謀な企画を
試みました。」

M 「なんだかんだいって3ヶ月くらい募集しましたね。どのくらいメールが来ました?」

トーマス・クック 「ちょっと待ってくださいね。数えてみます。ええと、1、2…   2通です」

M 「そんなはずないでしょ?みんな読んでるのに。数え間違いじゃないの?」

トーマス・クック 「いや、10や20なら数え間違えるかもしれませんが2通じゃ間違いようが…」

 

 

 

 

 

ゴフッ…!

 

 

 

 

 

M 「なんだかんだいって3ヶ月くらい募集しましたね。どのくらいメールが来ました?」

トーマス・クック 「…え、ええと、十万2通です」

M 「ずいぶんたくさん来ましたねえ。お便り感謝します。で、内容はどんなのがありますか?」

トーマス・クック 「T巻中学の友達でTさんから。『○○の大冒険』。」

M 「…これはだめだあ。中学校のあだ名、○○は今ひみつにしてるんだ。却下。」

トーマス・クック 「次はもと会社の同期、Yさんから
『☆Mっちプレゼンツ自由気ままな欧州列車一人旅☆』

M 「…なんだそりゃ!まじめにやってるのか!次!」

トーマス・クック 「以上です

M 「なんでだよ。あと10万通あるだろ。」

トーマス・クック 「…ええっと、残りは全部どちらかと同じで…」

M 「…仕方がない。じゃあ発表します。募集した本旅行記のタイトルは…」

 

 

 

 

 

ドゥルルルルルルル

 

 

 

 

 

M 「『ヨーロッパ鉄道旅行』改め…」

 

 

 

 

 

 

ドドン

 

 

 

 

 

 

M 「『ヨーロッパ鉄道旅行』に決定!」

トーマス・クック 「はぁ?」

M 「以上で架空対談を終わります。皆さん、よいお年を!」