【4】 23〜29/APR/2001
COTSWALDS

25/APR/2001 -Wed- 

 今日はイマイチ思い通りプレーできず、ちょっとヘコミ気味。

 ところで、今日も雨が降ったのだが、イギリス人は少々の雨では
傘をささない、とは先に述べたとおり。しかしMはイギリス人では
ないので雨が降ったら傘を差したい。で、ローランドにイギリスでは
どこで傘を売っているの?と聞いたら、知らん、といわれた。やっぱり
めったに売っていないらしい。しかし、ローランドの車の中に置き傘があるので、
それはどうしたのか聞いたら、サイモンからもらったとのこと。一体
サイモンはどこで手に入れたのだろう。サッカーの帰りの車の中で、
「僕は使わないからあげるよ」といってくれたが、持ってかえるの忘れた。

 夜は国際試合を放映していた。スコットランド-ポーランド、ポルトガル-
フランスの2試合で、前者は眠たい試合だったが、後者は見ごたえ十分
だった。ヴィルトール、シルベスター、アンリ、ジョルカエフのゴールで、
ポルトガル相手に4-0でフランスの完勝。しかも後半はジダンを下げる余裕まで
見せた。ポルトガルに4-0なら、日本の5-0も恥ずかしくないかもしれない。
 それにしてもフランスは強い。今、そうそう勝てるチームはないのではない
だろうか。Wカップでは毎回優勝候補どまりだったのが、'98で優勝して
から弾みがついたのか、完全に王者の貫禄である。そして、プラティニ
時代から受け継がれている「華麗さ」も健在。

 明日は日本-スペイン戦があるが、さすがにこちらでの放映はないだろう。

26/APR/2001 -Thu- パブ

 同僚のマークが今週一杯で退社するので、昼はまたパブに行く。明日は
金曜日だから明日にすればいいのに、と言ったら、明日もパブに行くという。
そして今日の夜も行くという。ローランドはいつもパブに行っている。単に
ローリーがパブに行きたいだけなのさ、とはアンディの弁。
 昨日のポルトガル-フランス戦の勝利で、フランス人のフランソワは終始
ご機嫌。「昨日のMVPはデサイイだ」と、なかなか見るところもシブイ。
日韓ワールドカップでは日本とやりたいね、といっていたが出来れば
それは避けたい。日本のチームでは、みんなナカタは知っているみたいだが、
ほかは誰も名前は売れていなかった。そう言えば、現在の所属のローマから、
ロンドンのアーセナルに移籍、という話が出ているらしい。そうすれば
ロンドンまで試合を見に行く価値は十分にある。
「それにアーセナルの監督はフランス人だしね」とフランソワ。

 当初の予定では今日から新しいフラットに入れる予定だったのに、手続きが
滞って結局来週の水曜日になってしまった。あと更に一週間、ホテル暮しを
せねばならない。ホテル暮しは楽なようで結構しんどい。なんて言うか、
落ち着かないというか、心の底からリラックスできないというか。それにベッド
メークのために基本的には昼間は部屋をあけなくては行けない。来てからほぼ
毎週のように週末どこかに出かけているが、たまにはごろごろとすごしたいもの
である。

27/APR/2001 -Fri- FAREWELL

 先に書いたとおり、マークが本日付で退社する。ダニエルの話だと、ARUPは
イギリスの企業としては珍しいくらい辞める人が少ないそうだが、それでも人の出入りは
日本より激しい。マークもわずか12ヶ月でよそに移るらしい。
 ヨーロッパの人は別れを非常に大事にする。昨日の夜昼、今日の昼と3回も
お別れパーティをし、最後にはちょっとしたスピーチをして、そのあと一人一人
のデスクに周っていろいろおしゃべりをする。Mの机にも来たが、こっちは
何をしゃべって言いかわからず、良くわからないまま「enjoy your life」といった。
こんなんで良いでしょうか。

28/APR/2001 -Sat- IRON  BRIDGE

先週、車を決めた、と書いたが、某筋より金が出ることになり、もう少し
いい車を買うことにした。確かに先週の中古車店はまともなオフィスもなく、車の
数も少なく、購入後の保証もないのでちょっと不安ではあった。
9:00といつもより一時間遅い朝食。このホテルはいつもフルのイングリッシュ
ブレクファーストなのだが、はっきり言って重い。ここ1週間ほど毎日、晩飯
ほどの量の、油でギトギトの朝食を詰め込んでおり、このままではブタになって
しまう。「ところで明日の朝食は9:30でいいかい?今日は夜、飲みに行くんで
明日早起きするのがしんどいんだ」。顧客満足もあったものではない。
 広告に大きく出ている、大きな中古車に行く。先週行ったところに比べ、まず
車の数が全然違う。2,300台はあろうかというもの。また、先週行ったところは
たまたまあった車がたまたま気に入れば売ります、というようのものだが、
こちらは大衆車ならばほぼそろっている。その中で色や年式のバラエティが
あり、好きに選んでください、という感じ。しかし価格帯はかなり違う。一応予算の
めどとして4000〜5000ポンドを考えていたのだが、これは一番安い部類に入る。
大体ハッチバックなどの小型車で6〜8000ポンド、セダンで7000〜10,000ポンド
くらい。イギリス人は物を大切にするので、必ずしもみんながみんな新車を
ほしがるわけではなく、したがって中古車の需要が高いため、あまり値崩れ
しない模様。
 中古車の数を見ると、大体イギリスでの自動車会社のシェアが見えてくると思う。
国産のローバーが多いのは当然だが、日本国内の国産車のように多くのシェアを
握っているのではなく、あくまでいくつかあるメーカーのうちのひとつ。それから
アメリカ車、フォード、VAUXHALL(GM)が多い。さらに、フランス車のプジョー、
ルノー、シトロエン、イタリア車のFIATなどか。これらはみんな大衆車という
感じで、日本のように外車はすべて値段が高い、というものではない。ドイツ車も
多いが、こちらは高級車中心のよう。日本車を見ると、日産が多い。UKでは
ハッチバックが人気があるが、マーチが他社とはちょっと雰囲気が異なるため、
人気があるようだ。今日行った店では、色違いで15台くらいあった。ただ、
日本車は中古車市場では値段が高い。日本車は持ちが良い(Reliabilityという)
のは定説になっていて、中古になっても値段があまり下がらないのだ。
それから日本国内ではあまり走っていない、大宇自動車などもある。
そして、日本国内では超高級車としてほとんど見かけないが、こちらで
良く走っているものにJAGUARがある。もちろん高級車の部類であるが、わりと多く
街中で走っている。
 4〜5000ポンドというと、ほとんどハッチバックか、低クラスのセダンになるが、
前の店よりだいぶ状態が良く、試乗もさせてくれるので安心できそう。とりあえず
今回は視察だけで、来週の土曜日に購入する予定。手に入るのはそのあと
だから、結局レンタカーを返すまでに購入することは出来ないことになりそうだ。

新しく入るフラットには電話線はあるが、電話機がない。なるべく早く回線を
開きたいので、入ったその日に通じることが出来るように今日、電話機を買いに
行った。Staplers(ホッチキスのこと)という文具専門の大規模スーパーで、
12.99ポンドのものに決める。ディスプレイされているものの下にガラスのケースが
あり、そこに箱詰めのものがあったので、そこを開けようとすると、いきなり
「ピー!」と大きな警告音が。盗難防止用のセキュリティシステムだ。あせって
周りを見渡したが、日常茶飯事なのか、店員は誰も反応しない。客も全然興味を
示さない。しかしめちゃめちゃ大きな音がしている。どうしていいのかわからず、
おろおろするばかりだ。そのへんにいる店員に声をかけても、ちょっと待って、
というばかり。結局10分後に来たセキュリティ担当の人に音をとめてもらい、
中の箱を出してもらったが、警告音が無視されているのでは意味ないのでは?
それともあれは客を脅かすためにあるのか?

 三時を回ったが、この時期は8:00くらいまでは明るいので観光に行く。ホテルの
お兄さんに教えてもらった「IRON BRIDGE」へ。車で約1時間くらい。
 この橋は世界で最初の鉄橋。したがって橋の名前は「IRON BRIDGE」と、
「鉄橋」という一般名詞が固有名詞になっている。1779年と、今から200年以上も
昔に建てられた。実用のためではなく、当時の鉄材を用いた建設技術の
デモンストレーションのために作られ、その姿形も美しい。

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世界最古の鉄橋、「IRON BRIDGE」

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IRON BRIDGHEからの眺め(西)

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IRON BRIDGHEからの眺め(東)。川の名前は知らん。

 その後、近くの町のシュルーズベリーへ行こうと思ったのだが、道に
迷ってしまった。ところが、このあたりは田舎道が続き、非常に気持ちの
よいドライブとなった。イギリスは高い山がなく、緩やかな登り下りを行く
田舎道は両側を羊のいる農場に囲まれ、遠くまで続く緑を見渡すことが出来る。
この日、非常に天気が良いにもかかわらず、時折雨が降ってくる。そして、
前方には幻想的な大きな虹がかかった。

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うまく撮れた。


29/APR/2001 -Sun- COTSWALDS

 今日はコッツウォルズ丘陵に行く予定。ここはイギリスの目玉観光スポットの
ひとつで、昔ながらの村がナショナルトラストに保護されたまま、今でも残っており、
自然との調和を再現している。観光旅行の団体も多く、日本人もちらほら。そういえば
ゴールデンウィークの季節である。
 ガイドブックでは通常「コッツウォルズ」と一まとめにされているが、大小様々な
村が差し渡し150kmくらいに点在している。したがって車での移動は最適だ。
とはいえ、すべての村を回るのは当然無理で、適当に幹線道路を進みながら
気に入った風景で散策してみる。

wpe1.jpg (9716 バイト) Chipping Campdenは
コッツオォルズ丘陵の
北の入り口。中世に羊
毛産業で栄えたこの町
は、土色のレンガで建
てられた家が並ぶ。
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Biburyは小さなRiverColnという川のほとりにある村。

コッツウォルズを本当に楽しむにはたっぷり時間を取ってウォーキングやサイクリングなどで
村を巡ると良いのだろうが、今回はとりあえず下見程度。

その他、Cirencester、Bourton-on-the-Water、Tetburyなどをめぐった。
もちろん村自体の散策も良いのだが、何よりこのコッツウォルズ丘陵のドライブが快適だった。
各村を結ぶ幹線道路はまず信号はなく、緑一杯の風景が広がる。また、丘陵だけにゆるい
上がり下がりがあり、少し高いところからの視界の広がりは、山の多い日本ではなかなか
体験できないものであった。