【49】 18〜24/MAR/2002
最終日

  

18/MAR/2002 -Mon- 公共料金

 先週書いたとおり、ドイツから帰ってきて電話、水道、電気の支払いがすべて終わっている
状態にしたかったのに水道と電気の請求書がまだ来てないので、仕方がないので
電話した。

「ええ、アカウントNo.xxxxですね…、あら、まだ止まってないみたいですね。
これから至急とめます。えへへ」

えへへ、じゃないだろう。もうどうなってんだ、この国は。明日のインスペクションには
すべてクリアになってなくちゃいけなかったのに。

 

19/MAR/2002 -Tue- インスペクション

 さて、インスペクション(退去に伴う立会い検査)である。9:00の約束なので朝早く起き、
バスで古い家に向かった。
 日曜日に掃除はすませておいたが、ごみの日は火曜日なのですべてのごみを出し、
不動産屋を待った。

  9:00: 来ず。まあイギリス人が時間通り来るわけない。
  9:30: 来ず。道が混んでるのかなあ
 10:00: 来ず。不動産屋はShirleyだからどんなに混んでたって30分でこられるはずだ。
 10:30: 痺れを切らして電話をかけに行った。電話はもう止まってるから10分かけて
     公衆電話まで歩いていかねばならない。

M      「9:00にインスペクションの予定ですがどうなってるのですか?」
エージェンシー 「私にはわかりません」
M      「わかる人に聞いてください」
エージェンシー 「担当者が風邪を引いているので行けなくなったそうです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はあ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いったいどうなっているのだ!この国は?担当者が風邪をひいたから来れなくなった?

 

 

「電車が動かないのはなぜですか?」
「担当者が風邪をひいたからです」

「電話が通じないのはなぜですか?」
「担当者が風邪をひいたからです」

「銀行引き落としがちゃんとされていないのはなぜですか?」
「担当者が風邪をひいたからです」

「車で人をひいてしまいました」
「担当者が風邪をひいたからです」

「殴ったな…。親父にも殴られたことないのに」
「担当者が風邪をひいたからです」

 

 こんな理屈が通用するとでも思ってんのか!
 断っておくが、この不動産屋は家族経営のような零細企業ではない。イギリス国内に
いくつか支店があり、オフィスには受付に常時2、3人、バックヤードにも複数人いるような、
まともな会社である。担当者が風邪をひいたなら別の人間が来るべきだろう。
1000億歩譲って、もしそれが不可能なら、事前に連絡してその旨伝えて来るべきだ。
おかげで午前中まるまるつぶしてしまったぞ。
 ほんとにこの国のサービス業の体制はどうなってるんだ。

 

 会社帰り。
 車はもう売ってしまったので今はバスを乗り継いで通っている。しかしUKのバスは
おつりが一切出ない。そして料金が0.95ポンドと微妙な金額である。95p分のコインを
そうそう持ち歩いているものではない。まあだからといって1ポンドにしろ、という
わけではないが。
 そして致命的なのが紙幣を一切受け付けないことである。したがってバスを頻繁に
使う人は常にコインをジャラジャラ携帯していなくてはならない。こんな不便なことはない。
 帰り、一本目のバスを降りた後、2本目のバスに乗るとき、コインが足りないことに
気付いた。弱ったなあ。
 運転手さんはポニーテールに帽子をかぶった粋なお姉さんだ。

「コインが足りないんでちゅけど。」
「どこまでいくんだい?」
「LodeLaneの途中まででちゅ。」
「仕方ないねえ。(クイッ)。のんな。次からは用意しとくんだよ。」

粋だねえ。

20/MAR/2002 -Wed- バス

 しまった…。またコインを用意しておくの忘れた。というか財布の中身は昨日の帰りから
変わっていないのだから当たり前だけど。
運転手さんにコインがないんですけど、とまた聞いてみた。DaySaverという、2.5ポンドの
券を買えば一日乗り放題なのだが、行きと帰りで4本乗るからこれを買ったほうがお徳。
乗り換えのSolihull駅まで行けば小さな売店があるからそこで崩して次のバスでDay
Saverを買えばいいだけの話だ。なのにこの運転手さん、ダメだ、コインがないと
乗せられない、の一点張りで、結局乗せてくれなかった。日本みたいにそこかしこに
コンビニがあるわけじゃないからお金崩すの大変なのに。

 未だに水道と電気の小切手がこない。基本的にこの国では公共料金は先払いに
なってることが多く、したがって転居の場合は差額を返してもらうわけだが、
銀行振込という仕組みが全く発展しておらず、すべて小切手で帰ってくる。
郵送だと時間がかかる上に銀行に持っていかねばならず、更に口座を持っている
本人しか換金できない。来週水曜日に帰国するから早く入手しなくちゃいけないのに、
何度電話しても「処理中です」という返事しか来ない。水道は5ポンド(1000円)程度
だから良いとして、電気は250ポンド(5万円)もクレジットがある。

21/MAR/2002 -Thu- Farewellパーティ

 一年に渡ったARUPの勤務も、明日で最終日。で、今日はダニエルの家でFarewellパーティ
があった。多くは語るまい。みんな集まってくれ、夜中過ぎまで騒いだ。

wpe1F.jpg (9894 バイト)
今日のパーティのお題は「面白い格好を
してくること」。リチャードはスターウォーズ(?)。
wpe20.jpg (10349 バイト)
バービックは民族衣装
wpe21.jpg (8268 バイト)
クールなニール・ハムは通常装備。昔は
よく一緒に出歩いていたが、現在
別のオフィスにいるので久々の登場。
wpe26.jpg (9911 バイト)
ヘーゼルのバニーはキュート。
wpe28.jpg (12089 バイト)
なぜかみんなでドイツの子供番組を
見た。奥右からガビン、ポール、
ヘイゼル(ウサギ)、ダニエル(縞縞)、
マイルス。TVの右側がフィリップ。後は不明。
wpe29.jpg (8761 バイト)
ニール・リドリーはわざわざロンドンから来てくれた。
wpe2C.jpg (10999 バイト)
右からローランド、クリス、キンバル、デーブ、手。
wpe2A.jpg (10540 バイト)
右からマイルス、フランソワ、デーブ、ポール、
ローランド、グレイク、ニール・ハム、鼻。
wpe2B.jpg (8926 バイト)
グレイクのテーマは「サムライ」。一週間
かけて衣装を作ったそうだ。ハチマキに
ある「捲土重来」の文字はMの筆。
今、日記書いててはじめて気付いたが、
「巻土重来」って書いちゃった。
 

 

22/MAR/2002 -Fri- 最終日

 

 いよいよ最終日となった。こんな大事な日なのに、日本にいるHさんがARUPに遊びに
来るという。Hさんは2年ほど前にMと同じ立場でARUPに常駐していて、イギリス旅行
の時にちょっとよらせてもらったこともある。ロンドンからは汽車でSolihullに来たあと、
バスの166に乗ってビジネスパークで降りる。降りたらすぐわかりますよ、といったのに
「心細いからむかえにきてえ」。世話のやけるひとだ。
 バス停まで行ったらちょうどバスが入ってくるところだった。予想通り、Hさん、
ダブルデッカーの2階の一番前に座っている。

 お昼はHさんを交え、最後のパブに行った。いつもパブに行く人数はまちまちだけど、
今日はほぼ全員が来てくれた。多分ローランドがメールでまわしてくれたのだろう、
アラン、フェリックス、マーティン、スティーブら、サッカー部の面々も来てくれた。

 お昼過ぎ、最後みんなあつまって、ちょっとしたスピーチをさせてもらった。ちょっと
緊張したけどそつなくこなす。そして色紙とプレゼントをもらう。日本に帰るM、
ドイツに帰るダニエルに、「われわれはさよならを言うのではない。各地へ行く仲間を
見送るだけだ」というアランの言葉が胸に染みる。

 ヨーロッパの人は出会いと、そしてことのほか別れを大事にする。一人一人の机を
まわっていろいろ話しこんだ。それぞれとそれなりに交流があり、当初は何を話したら
いいかな、と気を揉んでいたが結局みんなのところを回るのに2時間くらいかかってしまった。
フランソワは日本に興味があり、席が近いこともあって最も親しくしてもらった一人。
隣の席のアンディにはいろいろ仕事のことで教えてもらった。マイルス、ローランドは
仕事ではもちろん、スポーツの話などで盛りあがった。新人のガビンはニューカッスルの
ファンで、ヴィラファンのMとよくお互いのチームをなじりあったものだ。キンバル、
リチャードの若手は飲みに行くのが好きで、ちょくちょくごいっしょさせてもらった。
トレバーとはいっしょに仕事をした事はなかったけど、日本に来たこともあった。
フィリップは最初に友達になった一人。相変わらずマイペースだけど。残念なのは、
お世話になったプロジェクトマネージャのベン、リチャードが不在だったこと。

 家に帰って、ダニエルといっしょに色紙を見せあった。Mはサッカー部の面々に
もらったものもある。一生の宝にしたい。

wpe1F.jpg (9908 バイト)
仕事に遊びに飲みに…。ローランドには
本当にお世話になった。
wpe20.jpg (10002 バイト)
お昼のパブに来れなかったから、と
サッカー部のジョンがかけつけてくれた。
こっちでも定期的にサッカーをする機会があり、
本当に幸せだったと思う。
wpe21.jpg (10433 バイト)
グレイクも5月半ばにフランスに帰る。
wpe2C.jpg (11107 バイト)
フランソワはもっとも仲良くなった一人。
wpe26.jpg (11705 バイト)
隣の席のアンディには仕事の上で
いろいろアドバイスをもらった。
wpe28.jpg (11086 バイト)
新人のガビン(左)とポール(右)。ガビンが
持っているのはニューカッスルのポスター。
wpe29.jpg (10536 バイト)
お祭り好きのダニエル。昨日のパーティも
主催してくれた。
wpe2A.jpg (11265 バイト)
左からリチャード、ヘイゼル、ポール、フィリップ、
クリス、手前キンバル。ARUP若手の面々。
 

wpe2B.jpg (9946 バイト)
そしてボスのアラン。

 

 

すべての人にありがとうを…。

   

 

 

 

 

 

 23/MAR/2002 -Sat- ニール、フィリップ

 昨日でみんなにさよならを言ったわけだが、いっしょに行動することの多かったニール、フィリップ、
ダニエルと、Solihullのパブでちょっと飲んだ。ニール、フィリップとはこれでしばらくお別れだ。

 24/MAR/2002 -Sat- ダニエル

 今日、いよいよダニエルがドイツに帰る。ダニエルはドイツから車を持ってきていて、帰りもロンドン北東
からフェリーに乗り、オランダから大陸に入って夜を通して運転、月曜日にドイツにつくらしい。次の会社
での出社はイースター明けだとのこと。
 ダニエルとは現在家をシェアしているが、Mは午前中にロンドンに行く予定なので、そこでお別れした。
ダニエルはMの赴任後1月ほどしたあとにやってきて、だいたい10ヶ月の滞在となった。お互い外国人
どうし、週末にやることがないので映画やのみによく繰り出した。

wpe1F.jpg (8799 バイト)

 

 今後、出発の27日まで出社はしないので、日曜日の今日と明日の月曜日、ロンドンのA氏に
挨拶に行こうと思っている。現在奥さんの牧絵さんは美紅ちゃんを連れて帰国中なのであまり
迷惑にならないだろうし、ちょっと外で食事でもしよう。

 ところがA氏、電話したら今日は休日出勤だそう。5中くらいまでは忙しいらしい。ピカディリー
サーカスでちょっとお買い物して、ロンドンオフィスに向かった。

wpe21.jpg (7853 バイト) wpe26.jpg (10719 バイト)
左:ロンドンオフィスのあるビル 右:仕事中のフリをしているA氏

 A氏の仕事が終わるのを待ってパットニー付近で夕食。日本人もよく来る中華料理だそうだが
メニューの日本語が変だった。

 例によってくたくたに酔って、A氏の家で日本のビデオを見せてもらい、そのまま就寝。
なんか学生時代を思い出すなあ。