22/JUL/2001 -Sun- マンチェスター 北部イングランド第一の都市といえばマンチェスター。産業革命発祥の地としても名高く、
科学技術博物館をはじめ、見所も多い。ところが、ロンドン-バーミンガム、ロンドン-マンチェスター
のアクセスは良いのだが、バーミンガム-マンチェスターは乗り継ぎが悪く、しかも本数の少ない
日曜日は始発が11:55、Creweで30分の待ち合わせがあって14:00過ぎにマンチェスター着。
そして最終が18:14と、日帰りにはちょっときつい。もう少し時間があれば、この、19世紀の
大英帝国を牽引した工業都市を楽しめたかもしれない。

マンチェスターは中心部に路面電車が走る。
古い町並みに良く映え、趣がある。ちょっと
函館を思い起こさせる。

世界最大といわれる科学技術博物館、Science & Industrial Musium。
左は飛行機館入り口、右はイギリスで最初の実験用飛行機。

科学技術博物館の最大の目玉はこの動力館。産業革命の産声が聞こえてくるころの
動力を中心に展示させている。左の巨大な蒸気機関は自動織機の動力。産業革命は
毛織物産業という大きな需要のもと発展した。右は世界初の旅客鉄道(リバプール-マンチェスター)で
活躍したライオン号。

左はBeyerPeacock社の貨物用機関車。人造物というのは大きいというだけで感動に値する。全長87フィート
6インチ、総重量214トンと、コンバトラーV並の迫力である。また、マンチェスターはかつて自動車産業の
中心地でもあった。が、特にフォードなどのアメリカの巨大資本におされ、現在では生産は行われていない。
良く見ると自動車の脇に当時を懐かしむ亡霊が写っている。なんつって。

左は発電のための巨大エンジン。こういうのも6気筒っていうんだろうか。右はカメラ館の最後、
「最新のカメラ」の展示。M愛用のIXYデジタル(バッテリ付)があったので思わず撮ってしまった。
商標登録の関係か、こちらでは「IXUS(イクサス)」という、自動車のような名前で売られている。
産業革命発祥の地、という歴史も重要だが、この町については忘れていけないことがある。そう、
イングランドプレミアリーグ、そして世界を代表するスーパーサッカーチーム、マンチェスターユナイテッド
の本拠地なのである。
イングランドチームはサッカーの母国という自負とともに、70年代から80年代はじめ、無敵を誇った。
特にボビーチャールトンの率いた時代は、飛行機事故で主力選手を失うという惨事にあいながらも
チャンピオンズカップ連覇という偉業を成し遂げた(何連覇かは忘れた)。
が、1985年、リバプール対ユベントスのチャンピオンズカップ決勝で悪名高いフーリガンが暴動を
起こし、100人弱が死傷した大惨事が発生。それ以来イングランドのチームは数年間、国際舞台から
締め出しを食らってしまう。余談だが、この試合を制してトヨタカップの出場権を得たユベントス、
そしてプラティニの東京でのパフォーマンスは今でも語り継がれている。
さて、イングランドが国際舞台に登場できない間、一時期ドイツ勢が、その後イタリア勢、スペイン勢が
ヨーロッパを牛耳るようになる。国際試合に出場できないイングランドチームはその分収入が減り、
有力選手の流出を防ぐことが出来なかった。
が、国際舞台に復帰するや否や、リバプールやアーセナルなど他の有望チームを尻目に
マンチェスターは完全復活、1999年のチャンピオンズリーグで、準々決勝インターミラノ、
準決勝ユベントス(ともにイタリア)、そして決勝ではドイツのバイエルンミュンヘンを、0-1の劣勢を
ロスタイムでひっくり返す、という荒業で退け、ビッグイヤー(チャンピオンズリーグのトロフィーの通称)を
大陸勢から奪い返したのである。
と、自分の気持ちを高めながらマンチェスターの中心部からやや外れたオールドトラフォードへ
向かった。閑静な住宅街ということばが良く合う静かな町である。しかし、試合のある日は大騒ぎに
なるのだろう。
ところが!スタジアムの見学は4:30で終了らしい。地球の歩き方には7:00までって書いて
あるのに。シーズンオフだから早く閉まるのだろうか。帰りの時間を考えて、科学技術博物館、
まだまだ見たかったのを切り上げてきたのに。目の前でシャッターを閉める係員を恨めしく思いながら、
仕方がないのでスタジアムの写真だけをとってきた。

オールド・トラフォードスタジアム。静かな古い町には似つかわしくない、
瀟洒な近代的な建物である。
予定が狂ったので電車の時間まで1時間ほどある。マンチェスターの中心街をふらふらと歩いてみた。

中華街はバーミンガムのものよりかなり大きい。中華スーパーマーケットの
品揃えも豊富。日本料理店もちらほらあった。
右は日本料理WANONEWAN(?)。お侍さんのヘアスタイルは
いつの時代を想定しているのだろう。

町並をパシパシ撮っていたら、「僕たちも撮って-」。

そして帰途に。マンチェスター・ピカディリ-駅は主に
南行きの汽車が発車する。
と、ここまで書いてもう寝ようかな、と思っていたら、TVから聞き覚えのある音楽が。
この時間(11:30)から「戦場のメリークリスマス」が始まるらしい。
おお、日本語しゃべってる。あ、たけしが出てきた。 |