2日目 −コベントリー−


  

 


 
ヒースローにつき、早速Hさんの携帯に電話する。もはや携帯電話は世界のビジネスマンの必須アイテムなのだ。電話に出た声がぜんぜんHさんに聞こえず、いきなり英語で応答するのでビビってしまったが、無事連絡が取れた。

Hさんと合流後、まずはコベントリーのHさん宅へ行くことにする。19ポンド(約3800円)のバスチケットでコベントリーへ向かう。ロンドンの都心部は通らないためひたすら田舎道を行く。成田からのリムジンバスの風景に似ているが、羊の放牧や石垣にイギリスらしさが漂っている。

コベントリーは自動車業界を中心とした工業都市と聞いていたので物々しい大都市を想像していたのだが、シティセンターやバスターミナルを見る限りではのんびりした田舎町である。Hさんの家は二階建ての2LDKで、前庭と庭のある典型的なイギリスの家だ。もっとも左右の家の庭はきれいに手入れしてあるのにHさんの家は草ぼうぼうだ。

 

Hさんの住まい。一人暮しなのに
部屋が4つもあり、小さな前庭と
中くらいの庭がある。



 Hさんはそのままオフィスへ出勤。もうすぐ日本に帰るのにばたばた仕事で忙しいらしく、いかにもHさんらしい。Mは、今日はコベントリー付近の観光をで、軽めの一日とする予定。

 コベントリーには特に観光の目玉というものはなく、「地球の歩き方」での扱いも小さい。大聖堂や第二次世界大戦でドイツ軍に破壊されてしまったRuins、聖メアリーズホールなどもさささっと見てしまった。しかし、Mはこのヨーロッパの町並みというのが好きである。必要以上にアスファルトを使わず石畳の道路が多く、また、建築物もできるだけ古いものを尊重している。そんな町並みを歩いているだけでも別世界を感じることができる。町の一角には「1ポンドショップ」なるものがある。のそいてみるとどうやら日本で言う100円ショップのようなものらしい。1ポンドは200円強だから100円ショップよりは品揃えが豊富のようである。お昼は安心確実のマクドナルドで、「ビックマックミール」をいただく。適当にぶらぶらした後、本屋で明日の目的地、ウッドマンスタンの地図を購入。一般的な観光地なら地球の歩き方に乗っているし現地にはインフォーメーションセンターもあるが、ウッドマンスタンは観光地ではなく、「Mの育った町」という以外、日本人には知られていない。母親に手書きの地図をもらっているが、なるべく多くの情報がほしい。

 疲れもあってか3:00くらいに引き上げる。このシティーセンターからHさんの家までは近距離バスで約15分。Hさんの家で適当にくつろぎながら、時差ぼけが残ってしまうと知りながら寝てしまう。

 夕方8:00ごろ、Hさんから電話が入る。シティーセンターのパブで食事をしようとのこと。イギリスの晩飯はほとんどこの「パブ」である。正式には「パブリック・バー」。仕事を終えた人々はここに集まり一日の疲れをエール(ビール)で流し落とす。平日でもそこそこの賑わいだ。ガーリックチキンとシェフのスープ(この日はマッシュルームスープ)に1/2パイントのラガー。旅の気分も手伝ってかめちゃくちゃうまい。料金は確か10ポンド(約2000円)くらいだったと思ったがここは予定通りHさんのおごり。