第5日(9月11日)


9:30頃起床。
意外にも体調は回復していた。しっかりと寝たのがよかったのだろうか。とりあえず
旅程は変更しなくてよさそう。今日はあまり無理のないペースでもう少し休んでここにもう一泊し、
体力を回復させよう。

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ドラゴンボールもやってる

 朝食をとりに行く。バイキング形式の朝食は今回の旅行ではここのみ。さすが三ツ星ホテルだ。

 ところでコーヒー中毒で知られるMだが、スペインのコーヒーはとてもおいしい。かなり濃い目に
いれたコーヒーに、温めたミルクをいれて五倍くらいに薄める。カプチーノのように泡立てる場合も
ある。もともとが濃いので五倍薄くらいがちょうどよいのだが、これがとってもコクがある。イギリスの
コーヒーはもちろん飲めたものではないが、スペインのコーヒーがこんなにおいしいとは思わなかった。
 ちょっとウンチクをたれさてもらうが、コーヒーはもともとイスラム圏の飲み物で、酒を飲めない
イスラム教徒が代わりに神経を高ぶらせるものとして飲んだのが広まったきっかけである。
最初のうちはカフェインによって興奮することから、教義により酒と同じように禁止するような動きも
あったそうだ。それがフランスを中心とするヨーロッパに伝わったのはフランス革命のころ。フランス
革命はカフェに集まった大衆が政治を議論し、世論を形成することによって機運が高まった、
という説もある。したがってもともとイスラム教との支配下にあったイベリア半島でおいしいコーヒーが
飲めるのは、ある意味当然かもしれない(参考:「コーヒーがまわり、世界がまわる」出版社忘れた)。

 さて、今日はまずは次の目的地、バルセロナの宿を予約しよう。マドリードからバルセロナへは
スペインの新幹線、Talgo(タルゴ)を使って8時間余りかかる。到着してから宿を探してもよいが
到着時間が遅くなるのが心配なのと、あらかじめ宿を予約しておいて安心しておきたい。
 ガイドブックに載っているものからいくつかピックアップして電話で問い合わせる。すべてのところで
英語が通じるが、いくつかはフル。なお、日本人観光客の多いバルセロナには日系ホテル、チキートが
あり、日本語で対応してくれる(真っ先に電話したが一杯だった)。いくつか電話して、FAXで予約表を
書け、というめんどくさいことを言って来るところは避けて、ホテル「レバンテ」に決めた。バス・トイレ共同、
朝食なしだが一泊4000pts(2700円)。やみあがりであることを考慮し、また魅力的な都市でも
あるので、バルセロナでも2泊の予約を取った。

 次にバルセロナまでの切符を確保しなくてはならない。Talgoは完全指定の汽車なので、予約なしで
来たものに適当に乗る、というわけにはいかない。マドリード-バルセロナ間は約600km、東京-大阪くらいの
距離である。それでも8時間かかるのは必ずしも平坦な場所ばかりではなく、山間を抜けたりするためだ。
 MadridCartman駅はちょっと遠いので、近くのEstacion de Norte(Norte駅)へ行った。一瞬、廃業して
いるのか、と思わせるほど活気のない駅だったがちゃんと窓口は営業中。さてさて。

M 「ハロー、ドゥー ユー スピーク イングリッシュ?」

駅員 「……………」

ちょっとちょっと、そんな黙って首振ってないで、あんたが英語だめなら、英語しゃべれる人を呼ぶか
英語で対応してくれる場所を紹介してよ。

駅員 「……………」

そんな悲しいそうな眼で見ないで。

駅員 「……………」

ああ、もうしょうがない、単語だけで何とかするか。

M 「マドリード、バルセローナ、ターゴ、トゥモロウ」

おお、わかったみたいだ。端末を打ち出した。
くるっとディスプレイをこちらに向けて…ああ、何本かあるうちから選べとね。

 M 「これこれ」

9:00発のヤツを選ぶ。

駅員 「▼×○×□○□■▼?」

ん?ああ、ファーストかシングルかってことか。

M 「セカンド、セカンド」

指を下に向けて示したら通じた。

駅員 「○□■▼××□?」

人差し指と中指を立てて唇に当てている。わかった!

M 「ノースモーキングでお願い。」

以上の質問で発券してくれた。日付、時間、等級、禁煙、価格を確認してお金を払う。価格は6900pts
(4600円)と意外に安かった。
言葉がわからなくてもまあ何とかなった。駅員には感謝を込めて、スペイン語でお礼を言ってみよう。

M 「…グ、グラシアース」

駅員 「???」

M 「あ、いえ、サンキューベリマッチ」

 

 以上で今日のノルマはおしまい。後は無理のない程度に観光しよう。と、いってもこの暑さ。外を
歩くだけでくらくらする。ちょっと歩いてはカフェでコークをのみのみと、ゆっくりしたペースで回った。

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スペイン広場は市内のど真ん中。ドンキホーテとサン・チョパンサ、
それに彼らを見下ろす著者のセバスチャン

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そして重要な写真撮影ポイント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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無理せず休みながら観光

 

 

 

 

 

 

 

 

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スペインは王国なので首都マドリードには王宮がある。

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日本ではあまりお目にかかれない類の展示もある。

 

 

 

 

 

その他、有名な考古学博物館などを廻ったがあまり無理をせず、18:30頃ホテルに戻った。


ホテルの部屋にはテレビがあり、CNNが映る。その恐ろしいニュースは、だから帰ってテレビを
つけて知った。最初はなんの事かわからなかった。
なに?ハイジャック?失敗して墜落?ビル火災?………

 

 

テロ?

 

 

飛行機がツインタワーに突っ込んでいく映像は、全然現実味がない。映画を見ているようだ。
ダイハード、トゥーライズと派手なアクションをうりにするテロ映画は数多くあれど、これほど
スケールの大きな設定はない。それがまさに現実感を奪っている要因だ。
しかしこれが事実だとは…。恐ろしいことが起こってしまった。

体調が回復し、食欲も戻ったので夕食はレストランに行こう。スペインのBAR(バール)では
結構1人で飲んでいる人もいるし、それほど入りづらくなさそう。が、BARかと思って入ったところが
実はかなりの高級レストランであった。しまったー。せめてTシャツの上になにか羽織ってくりゃよかった。
Seabus(スズキだっけ?)のソテーにトマトがはさんであり、チーズ風味のスープがかけてある。
「今日のスープ」は多分魚のすり身が溶け込んでいるのだろう、ちょっと変わった味だった。
料理はめちゃめちゃうまかったのだが、やっぱ一人で来るところじゃなく、どうも場違いな気がして
落ち着かなかった。この小心ぶりがなくなればもう少し夕食も楽しめるんだけどな。
ビールとあわせて3452ptsは2300円程度、スペインのレストランとしては高級の部類だろう。

夜中にはアフガニスタンが攻撃される映像が映し出される(米軍はこの攻撃への関与を否定)。
このまま戦争になってしまうんだろうか。