第7日(9月13日)

朝は8:00に起床。ホテルに朝食は付かないので近くのオープンカフェで、ハムチーズのサンドイッチに
例のうまいコーヒーを頼む。ハムチーズの分厚いチーズが濃厚でおぼれそうなくらいうまかった。

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 この旅行では実家や自分宛てに、各地から絵葉書を出そう、と計画していた。各地で絵葉書を買い、
中身を書きこんではいたのだが出すタイミングがなかなかなく、ずっと溜め込んでいた。このバルセロナは
観光客が多く、ランプランス通り沿いには土産物屋が軒を連ねていたので恐らく切手はそこで買えるだろう。

M 「切手はあるかい?国際郵便用の。」

店員 「普通の切手じゃなくて、ここらの土産物屋で代用をしている
国際郵便用の切手ならあるよ。」

M 「それでいいや。いくら?」

店員 「一枚75pts(50円)」

M 「そいじゃ12枚ちょうだい。イギリスと日本に出すんだけど
どっちもそれで届く?」

店員 「もちろんだ。ヨーロッパ内ならどこでも行くよ…。
日本ってヨーロッパだよね?」

M 「ぎゃふん」

 実際のところは、ヨーロッパ内は代用切手一枚、外は切手二枚で届くとのことであった。計21枚、
合計で1600円もした。
 後日談になるが、このあとの各地からも絵葉書を送ったのだが、他国から送った通常の郵便では
イギリスまで3-4日でついたのに、ここから送ったやつは2週間もかかりやがった。自分宛てはいいけど、
日本宛てのは順番通りについてほしかったのに。

 カタルーニャ広場に向かう途中、サン・ジョセップ市場を通った。ガイドブックにまで載っている巨大市場
である。「一番賑わうのは10:00から13:00」。どんぴしゃじゃねーか。ちょっと除いてみよう。

 基本的に地元の人が生活用品を買いに来る市場で、とにかく非常に活気があって面白い。魚介類が
豊富で、いろんな魚が手に入る。タコはイギリスではまず売ってないが、スペインでは重要な食材の
ひとつだ。野菜や果物はすごく綺麗にディスプレイしてある。コリャ買いたくなってしまうな。

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 カタルーニャ広場までやってきた。ここから観光用の、Hop On Hop Offバスに乗るつもりだ。
バルセロナを周遊する2路線のバスが、ひとつのチケットで丸一日、自由に乗り降りできる。2200pts
(1500円)はロンドンの同じ企画のものより3割程度安い。バルセロナは建築の街でもある。この
Hop On Hop Offを利用して世界的な建築物を堪能しよう。

 チケットを買うのにずいぶん待たされ、結局バスに乗ったのは11:30頃。でも天気はド快晴、
オープンデッキのダブルデッカーはこの上なく快適だ。

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 まず目に飛び込んだのはなんだかよくわからないアパート、カサ・パドリョ。最初に目に入った
ガウディ建築である。 そして次にカサ・ミラの前で停車する。中はガウディ美術館になっているらしい。
どうも、このとろけたアイスクリームのような外観がガウディの特徴らしい。それにしても撮った写真、
木の陰になってわかりにくい。俺って写真撮るのヘタだなあ。

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カサ・パドリョとカサ・ミラ。木の隙間から見て。

 

 

 しばらく行くと、世界的に有名な大聖堂、サグラダ・ファミリアに到着した。ここでいったんバスを降りる。
サグラダ・ファミリアは日本名桜田一家といい、バルセロナの象徴となっているガウディの代表作だ。
1892年に着工したが今だ完成せず、完成を待たずにすでに修復が始まっているという漫才のような
話もついている。サグラダ・ファミリアは街中にあり、また周りを木に囲まれているのでそばまで
来ないとなかなか全貌が見えないのだが、ぐぐーっと見上げると…

 

サグラダ・ファミリアは…

 

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でかい

 

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でかい

 

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でかい

 

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でかい

 

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でかい

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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でかい

 

 

 

 

 

 

内部は一部展示のある博物館となっていたが、ほとんどは修復作業場。更に各装飾品の
工場や、巨大な石切作業室などがあり、建築途中のビルのようであった。

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また、地上高107mの4つの尖塔は中が空洞になっており、その内側に螺旋階段が巻いてあって、
一番上まで行くことができる。が、はっきり言ってワタクシ、高所恐怖症である。特に、このような
歴史的な建築物の高いところに登るのがすごく怖い。単に高い、という生理的な怖さもあるのだが、
こんな古い建物、崩壊するんじゃないか、という具体的な恐怖をいつも思い描いてしまうのだ。
何百年も問題なく建っているんだから大丈夫だよ、という声も聞こえてきそうだが、何百年も
たっているから今こそ崩れ落ちる
のではないだろうか。ちなみに今までで一番
怖かったのはロンドンの大火記念塔。銭湯の煙突がちょっと太くなった程度の石の塔で、展望台に
登ると強い風を感じる。あれはもうすぐ折れるね。

 

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かなり高い位置から恐怖を振り払って撮影。しかし変なデザインだなあ。

そばのオープンカフェで、サンドイッチ+コカコーラを食し、再びバスに乗る。いやあ、しかしなんとも
暑い日だ。イギリスではこんな暑い日はなかったんじゃないかな。常にペットボトルの水を携帯していないと
脱水症状にでもなりそうだ。
次の観光地はグエル公園。ガウディは建物だけではなく、公園もデザインしていたのだ。

ところで、一連のガウディの建築、そんなにすごいか?これを見て、よくがんばった、感動した、って
いう人いるんだろうか。美しいかどうか、ということならば昨日のカテドラルのゴシック建築の
方がよっぽど美しい。まあなんというか、奇をてらった、っていうのが一番近い表現だと
思うんだけどそれが主流になっている。特徴を挙げると、

−カラフル:それも明るい色の、お花畑のような色彩。
−曲線多し:建物がとろけるようなイメージ。
−つやだし:表面がてかてかしている。

 といった感じだろうか。

 グエル公園はかなりこみ入ったところにあるのでバスは公園入り口まではこれず、バス停は歩いて
5分くらいのところにある。そして結構な上り坂なのでこの日差しの中はしんどい。途中にいくつもの
土産物屋や、カフェがあり、思わずアイスクリームを買ってしまった。が、この陽気、すぐにどろどろと
溶けてきてしまう。あ、そうか。ガウディのインスピレーションはここから来たんだな。

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グエル公園

 

 バスの次の観光地はノウ・カンプ。ツウの人はカンプ・ノウっていうことが多い。とんねるずが
ラーメンのことメーランとかいうようなものか。ここはFCバルセロナのホームグラウンドである。
バルセロナはイングランド、イタリアと並ぶ世界最高峰のサッカーリーグであるスペインリーグで、
レアル・マドリードと2強を形成し、また、ヨーロッパサッカー界の頂点を争うスーパーチームだ。
ここ数年はRマドリードにやや押されているものの、バスク地方に強い対抗意識を持つカタルーニャの星と
して、バルセロナの町の人々の支持は揺るぎ無い。そしてこのカンプ・ノウは規模、美しさとも世界でも
屈指のスタジアムだ。
 FCバルセロスミュージアムが併設されており、その偉大な歴史を追うことができるそうだ。
入場料は550pts(400円)か。いま、ペセタの手持ち、いくらあったかな…。ありゃ、5pts(3円)しかないや。
仕方がないので外観のみ。

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カンプ・ノウ

 

 スタジアム近郊は町の外れだったのでキャッシュポイントが見つからず、お金を下ろせなかったので、
そのままバスで中心街まで戻り、ペセタをおろした。

 今回はCITI BANKの国際キャッシュカードを利用しているが、特に今回のような複数の国を移動する
場合は非常に便利だ。
他国通貨を使用するとき、一番有利なのはクレジットカード。これは当然。通常3%の手数料がつくが、
ほとんどの場合、店側が持ってくれるし、なによりも円→他国通貨の変換が中値で行われる。これは大きい。
通貨の両替は通常、為替手数料として行きと帰りでレートが異なる。流通量の多い米$なら、行きと帰りで
2円程度の差しかないが(すなわち$1=¥120ならば、¥→$は$1=121円で両替される)、
それ以外の通貨はもっと差がある、すなわち手数料が高い。英ポンドは通常、1ポンド=¥180程度に対し、
行きと帰りで10円くらいの差がある。クレジットカードの場合、これが中値で両替されるのだから断然有利だ。
 ただすべての買い物がクレジットカードでできるわけではなく(コンビニ、TAXI、市場等)、当然現金は
必要だ。CITI BANKの国際キャッシュカードは預金残高が円換算100万以上あれば引き落とし手数料は
無料。為替レートは実はあまり有利ではないのだが、それでも街の両替屋で行うよりは大分マシ。
両替屋によってはチャージをとるところもあるし、まずキャッシュポイントの数が、両替屋に比べたら当然
圧倒的に多い。また、ヨーロッパのキャッシュポイントは基本的に24時間使用できるから、この手軽さは
代え難い。ガイドブックなどには両替屋は最低両替価格が決まっているので、どうしても最後にお金が
余ってしまうため、キャッシュカードは有利、という記述もあるが、国際キャッシュカードにも引き落としの
最低金額はある。ただこれはカードによるのではなく、キャッシュポイントによるようで、最低金額なし
(いくら小額でもおろせる)、というところもごくわずかだがあった。
 国際キャッシュカードはかつてはCITIBANKの専売特許だったが、今では邦銀でも東京三菱、三井住友、
富士、第一勧銀などが取り扱っている。ただし邦銀の場合は手数料一回あたり200円をとられるところが
多い。まあ大した額ではないが。一方、CITIBANKの為替レートが悪いのは、CITI BANKの場合、
¥→$、$→他国通貨、と、必ず2段階にわけて両替されるため、¥→$の分だけ余計に為替手数料が
かかってしまう、とCITIBANKの行員さんから説明を受けた。為替レートをとるか、手数料を取るか、という
図式のようだ。また、利用できるキャッシュポイントは、各銀行の提携グループがあり、2大グループとして
Cirus(シーラス)とPlus(プラス)がある。CITIBANKはCirus、邦銀はPlusのところが多い。両方のカードを
持っていれば使用できるキャッシュポイントは増えるが、ヨーロッパでは、少なくとも旧西側諸国では、
ほとんどのキャッシュポイントで両方使用可だ。
 なお、上記はあくまで、特に国を移る旅行中の手軽さを主眼に置いたもので、長期に滞在する場合は
国際キャッシュカードのバカ高レートで毎日の現金を下ろすと大損である。滞在国に銀行口座を開き、
日本から送金するのが一番コストがかからない。

 閑話休題。

 町の中心街から、今まで乗ってきた赤ラインから青ラインのバスに乗り換えた。こちらは街の中心部で
はなく、港の方をまわる。すでに余り時間がなくなってきたのと、特にサグラダ・ファミリア登りで疲れちゃった
ため、バスから降りずに景色だけを楽しんだ。海よりの巡回ルートなので港に関するもの、テーマパークなど
が中心。それからオリンピック関係の建物、競技場やプールなども多かった。そういやバルセロナ
オリンピックってあったな。誰がどんな活躍したっけな。全然覚えてないや。いつ頃だったっけ。
確か光ゲンジがテーマ曲歌ってたな。スマップじゃなくて光ゲンジってところが昔だよな。

 

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西の海をを指差すコロンブスの像

 

 夜は、今度こそBARへ。パエーラという、スペインの大衆料理に挑戦。鉄の器に味付き(トマト味が多い)の
ご飯を敷き詰め、そこに具を載せる。まあスペイン版どんぶり飯といったところか。シーフードパエーラは
海の幸満載。が、このご飯、芯があるなあ。きっとそういう料理なんだろうな。わざと芯を残して歯ごたえを
楽しむんだよ。きっと。ご飯は軟らかい、というのは日本人の発想だ。きっと。その証拠に結構おいしいし。
きっと。
 ビールとパエーラで2150pts(1400円)也。

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シーフードパエーラ。ここの店では鉄のなべから食べるのではなく、じゅうじゅうに
熱いものをテーブルに持ってきて、目の前で盛りつけてくれる。
あまりおいしそうに見えないのはカメラ技術のせい。