第11日(9月17日)

 

7:00起き。
 朝ご飯付きのホテルなので、階下の食堂でコンチネンタルブレクファーストを取る。そこで
またまた日本人にあった。山歩きが趣味の方で、スイス周辺の山々を歩いているそうだ。

ホテルをチェックアウトし、まずは黄色いリヒテンシュタインバスでSargansの駅に行く。8:40に
チューリヒ方面の汽車があるはずだが、バスがちょっと遅れ、結局飛び乗る羽目になった。
この汽車でチューリヒを経由し、ドイツやフランス方面への国境駅、Baselへ向かう。そしてBaselで
各方面の時刻表を見て次の行き先を決める、というのが今日の予定だ。Baselは10:52着、
ほぼ2時間の道のりだ。余談だが、Baselは今年、われらがAstonVillaとインター・トトカップの決勝で戦い、
敗れている。SargansからBaselまでは55SF(2400円)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司会者 「2日間の滞在となったリヒテンシュタイン。代表としてVADUZに点をつけてもらいましょう。
審査員のみなさん、得点をいっせいに、どうぞー!」

 

 

 

 

 

 

 

ドゥルルルルルルルルルル…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「9点8点10点9点9点9点9点8点9点10点 合計はぁ…」

 

 

 

ドドン。

 

「91てーん!」

 

司会者 「予想通りの高得点となりました。今回の旅行の中でははじめて都市型の町ではなく、
山あいの自然の美しい街でした。この街を代表するキャラクターにちょっと聞いてみましょう。
ハイジさん?」

ハイジ 「っていうかー、ハイジでーす。」

司会者 「おっと、いきなり難しい言葉遣いに挑戦です。どこまで持つでしょう?」

ハイジ 「やっぱー、かなり(↑)、かわいかったみたいな−」

司会者 「何がでしょう?」

ハイジ 「城の方?、とか山の方?とか」

司会者 「VADUZ城やMarbunですね。」

ハイジ 「そーそー!夏なのに雪降っててチョーイケメン!」

司会者 「すみません。もういっぱいいっぱいなのでこのへんでインタビューを終わりたいと思います。
また来週。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間ほどでチューリヒ駅到着。ここで折り返し運転をし、一部の車両はドルトムント方面へ、他は
Baselへむかう。自分の今乗っている車両はBasel行きでまちがいないはず。時刻表によると、
Basel行きは10:02、切り離されたドルトムント行きは10:04にそれぞれ発車することになって
いるようだ。まどからホームにある時計が見える。時計の国、スイスのものだから正確だろう。
一応確認のため、発車時間をじっくり見極めようと思った。汽車はきっかり10:03に発車した。
時計は正確でも汽車は正確だとは限らない。

 10:52Basel着。乗換の中継地ということもとあり、かなり大きな駅のようだ。路線図や時刻表を
見てみたが、次の目的地としてはやはりフランクフルトがよいようだ。ストラスブールだとその後が
ちょっと続きにくい。TGVでパリまで行けるが、それだとそこでいきなり旅行が終わってしまう。
フランクフルトからならドイツの主要幹線が延びており、北の都市にも行ける。さて、次の電車を
調べてみると…。フランクフルト行きは11:05発!もうすぐだ!慌てて切符売り場に並ぶが、
結構混雑してる。ああ、もう、もたもたするな。カウンターに来てから考えるな!財布はあらかじめ
用意しておけよ!駅員と談笑なんかするな!

 

 

 

 

 結局間に合わず…。まあ、でも次の汽車は一時間後の12:13。それほどのロスではない。

 

 

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Basel駅の様子

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外は路面電車が走る。残念ながら観光する時間はなし。

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葉巻を吸いながら汽車の時間を待つおじさん

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床屋さんだってある

 

 

 

 

 

 12:13発、Manheim行きのICEにのる。ICEは、欧州ではフランスのTGVと双璧をなすドイツの長距離
高速特急で、フランスより遅れた分、洗練されている。座席は広く、室内の騒音は小さい。
2等車でも各座席にクッションがあり、頭の後ろにあるクッションは高さを変えられる。これは
なかなか快適だ。また、家族旅行者用に、木馬などのおもちゃのある個室も用意されている。
これはちょっとやり過ぎでは?

スイスの山間部の風景から、ドイツに入ると車窓が森林に変わってきた。
森を抜けた超特急は14:22、Manheimに到着。そこから10分後、今度はIC(インターシティ)に
乗り換えて、15:10、やっとこさフランクフルトに到着した。

 

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GB(GermanBahn、ドイツ鉄道)の誇る超特急、ICE。



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ICEからのながめ


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フランクフルト駅

 

 


 

 

 

 FRANKFURT

- ドイツ -
通貨/1ドイツマルク=55円
公用語/ドイツ語

 

 

フランスならパリ、イギリスならロンドン、日本なら東京、といったように各国、どうしてもいろんなものが
集中してしまう大都市というのがあるが、ドイツにはそれがない。ベルリン、ボン、フランクフルト、
デュッセルドルフと、各地に中程度の都市が分散している。フランクフルトは、その中でも規模の
大きな都市で、ドイツの都市郡の中では経済の中心都市として位置付けられる。株価の指標も、
東京、ニューヨーク、ロンドンなどと並び、ドイツを代表するものとして上げられることが多い。

まずはホテルの予約。ホテル紹介オフィスはすぐに見つかった。

お姉さん 「どんなホテルがいいですか?」

M 「一番安いホテルをお願いします。」

お姉さん 「ここではあまり安いホテルは紹介していないのですが…」

M 「その中で一番安いホテルを紹介してください」

一番安いホテルはシャワー、トイレ共同、朝食付き80DM(4400円)。そんなに悪い値段ではない。
ホテルは駅から10分くらいのところですぐに見つかった。

おじさん 「君、昔一度来たでしょう」

M 「来てませんが…」

おじさん 「そうか、君にそっくりな人が昔来たんだけどね。」

っていうか、あんたアジア人の区別つかないんだろう。

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HOTEL WIESBADEN

 到着したのが15:00過ぎだったのであまり観光する時間はない。ガイドブックをざっと眺め、
コースを決めて短時間でまわることにした。

まずはゲーテハウス。ゲーテのかつての生家がそのまま博物館になっている。17:00閉館なので
16:00を過ぎた今、一時間くらいしかない。

 M 「あと一時間で終了ですよね?」

係員 「いえ、50分です」

えーい、細かいわい。
ところで、ゲーテって何した人?詩人?作家?ふーん。変な名前。絵も描いていたんだ。
なんかいいとこすんでたんだねえ。こんないい暮らししてていい創作活動ができるのかな。
大きなお世話か。ゲーテハウス、おしまい。

その後、特定の博物館などに入る時間はなかったが、レーマーや大聖堂を外から眺めた。

ドイツは他のヨーロッパ諸国以上に古い町並みを大切にする。経済の中心として発展する
フランクフルトも、背景に近代的な超高層ビルを控えながら、古い煉瓦造りの町並みの石畳の
道路を路面電車が走っていく。朝方に雨が降っていたようだが、夕方にはそれもあがり、秋の
訪れを感じさせる緩やかな日差しが、新旧の混濁した、趣深いこの街に降り注いでいた。

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近距離移動の足はトラムか、S−BAHN、U−BAHNなどの地下鉄

 

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ドイツの生んだ偉大な詩人、ゲーテの
生家のゲーテハウス。
中は博物館となっている。
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古い石畳の通りを路面電車が走りぬける。


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神聖ローマ帝国の皇帝戴冠式の
祝賀の館、レーマー

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レーマー広場


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シュテーデル博物館、ドイツ建築博物館、
手工芸博物館など多くの博物館、美術館の並ぶ、
通称博物館通り。
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フランクフルトは正式には
FRANKFURT AM MAIN、
マイン側沿岸のフランクフルト、という。
マイン側のほとりに発展した大都市だが、
不思議と近代的な高層ビルと古い町並みが
調和している。