7:00起き。 朝ご飯付きのホテルなので、階下の食堂でコンチネンタルブレクファーストを取る。そこで またまた日本人にあった。山歩きが趣味の方で、スイス周辺の山々を歩いているそうだ。
ホテルをチェックアウトし、まずは黄色いリヒテンシュタインバスでSargansの駅に行く。8:40に チューリヒ方面の汽車があるはずだが、バスがちょっと遅れ、結局飛び乗る羽目になった。 この汽車でチューリヒを経由し、ドイツやフランス方面への国境駅、Baselへ向かう。そしてBaselで 各方面の時刻表を見て次の行き先を決める、というのが今日の予定だ。Baselは10:52着、 ほぼ2時間の道のりだ。余談だが、Baselは今年、われらがAstonVillaとインター・トトカップの決勝で戦い、 敗れている。SargansからBaselまでは55SF(2400円)。
司会者 「2日間の滞在となったリヒテンシュタイン。代表としてVADUZに点をつけてもらいましょう。 審査員のみなさん、得点をいっせいに、どうぞー!」
ドゥルルルルルルルルルル…
「9点8点10点9点9点9点9点8点9点10点 合計はぁ…」
ドドン。
「91てーん!」
司会者 「予想通りの高得点となりました。今回の旅行の中でははじめて都市型の町ではなく、 山あいの自然の美しい街でした。この街を代表するキャラクターにちょっと聞いてみましょう。 ハイジさん?」
ハイジ 「っていうかー、ハイジでーす。」
司会者 「おっと、いきなり難しい言葉遣いに挑戦です。どこまで持つでしょう?」
ハイジ 「やっぱー、かなり(↑)、かわいかったみたいな−」
司会者 「何がでしょう?」
ハイジ 「城の方?、とか山の方?とか」
司会者 「VADUZ城やMarbunですね。」
ハイジ 「そーそー!夏なのに雪降っててチョーイケメン!」
司会者 「すみません。もういっぱいいっぱいなのでこのへんでインタビューを終わりたいと思います。 また来週。」
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一時間ほどでチューリヒ駅到着。ここで折り返し運転をし、一部の車両はドルトムント方面へ、他は Baselへむかう。自分の今乗っている車両はBasel行きでまちがいないはず。時刻表によると、 Basel行きは10:02、切り離されたドルトムント行きは10:04にそれぞれ発車することになって いるようだ。まどからホームにある時計が見える。時計の国、スイスのものだから正確だろう。 一応確認のため、発車時間をじっくり見極めようと思った。汽車はきっかり10:03に発車した。 時計は正確でも汽車は正確だとは限らない。
10:52Basel着。乗換の中継地ということもとあり、かなり大きな駅のようだ。路線図や時刻表を 見てみたが、次の目的地としてはやはりフランクフルトがよいようだ。ストラスブールだとその後が ちょっと続きにくい。TGVでパリまで行けるが、それだとそこでいきなり旅行が終わってしまう。 フランクフルトからならドイツの主要幹線が延びており、北の都市にも行ける。さて、次の電車を 調べてみると…。フランクフルト行きは11:05発!もうすぐだ!慌てて切符売り場に並ぶが、 結構混雑してる。ああ、もう、もたもたするな。カウンターに来てから考えるな!財布はあらかじめ 用意しておけよ!駅員と談笑なんかするな!
結局間に合わず…。まあ、でも次の汽車は一時間後の12:13。それほどのロスではない。
 Basel駅の様子
 外は路面電車が走る。残念ながら観光する時間はなし。
 葉巻を吸いながら汽車の時間を待つおじさん
 床屋さんだってある
12:13発、Manheim行きのICEにのる。ICEは、欧州ではフランスのTGVと双璧をなすドイツの長距離 高速特急で、フランスより遅れた分、洗練されている。座席は広く、室内の騒音は小さい。 2等車でも各座席にクッションがあり、頭の後ろにあるクッションは高さを変えられる。これは なかなか快適だ。また、家族旅行者用に、木馬などのおもちゃのある個室も用意されている。 これはちょっとやり過ぎでは?
スイスの山間部の風景から、ドイツに入ると車窓が森林に変わってきた。 森を抜けた超特急は14:22、Manheimに到着。そこから10分後、今度はIC(インターシティ)に 乗り換えて、15:10、やっとこさフランクフルトに到着した。
 GB(GermanBahn、ドイツ鉄道)の誇る超特急、ICE。
 ICEからのながめ
 フランクフルト駅
FRANKFURT
- ドイツ - 通貨/1ドイツマルク=55円 公用語/ドイツ語
フランスならパリ、イギリスならロンドン、日本なら東京、といったように各国、どうしてもいろんなものが 集中してしまう大都市というのがあるが、ドイツにはそれがない。ベルリン、ボン、フランクフルト、 デュッセルドルフと、各地に中程度の都市が分散している。フランクフルトは、その中でも規模の 大きな都市で、ドイツの都市郡の中では経済の中心都市として位置付けられる。株価の指標も、 東京、ニューヨーク、ロンドンなどと並び、ドイツを代表するものとして上げられることが多い。
まずはホテルの予約。ホテル紹介オフィスはすぐに見つかった。
お姉さん 「どんなホテルがいいですか?」
M 「一番安いホテルをお願いします。」
お姉さん 「ここではあまり安いホテルは紹介していないのですが…」
M 「その中で一番安いホテルを紹介してください」
一番安いホテルはシャワー、トイレ共同、朝食付き80DM(4400円)。そんなに悪い値段ではない。 ホテルは駅から10分くらいのところですぐに見つかった。
おじさん 「君、昔一度来たでしょう」
M 「来てませんが…」
おじさん 「そうか、君にそっくりな人が昔来たんだけどね。」
っていうか、あんたアジア人の区別つかないんだろう。
 HOTEL WIESBADEN
到着したのが15:00過ぎだったのであまり観光する時間はない。ガイドブックをざっと眺め、 コースを決めて短時間でまわることにした。
まずはゲーテハウス。ゲーテのかつての生家がそのまま博物館になっている。17:00閉館なので 16:00を過ぎた今、一時間くらいしかない。
M 「あと一時間で終了ですよね?」
係員 「いえ、50分です」
えーい、細かいわい。 ところで、ゲーテって何した人?詩人?作家?ふーん。変な名前。絵も描いていたんだ。 なんかいいとこすんでたんだねえ。こんないい暮らししてていい創作活動ができるのかな。 大きなお世話か。ゲーテハウス、おしまい。
その後、特定の博物館などに入る時間はなかったが、レーマーや大聖堂を外から眺めた。
ドイツは他のヨーロッパ諸国以上に古い町並みを大切にする。経済の中心として発展する フランクフルトも、背景に近代的な超高層ビルを控えながら、古い煉瓦造りの町並みの石畳の 道路を路面電車が走っていく。朝方に雨が降っていたようだが、夕方にはそれもあがり、秋の 訪れを感じさせる緩やかな日差しが、新旧の混濁した、趣深いこの街に降り注いでいた。
  近距離移動の足はトラムか、S−BAHN、U−BAHNなどの地下鉄
 ドイツの生んだ偉大な詩人、ゲーテの 生家のゲーテハウス。 中は博物館となっている。 |
 古い石畳の通りを路面電車が走りぬける。 |
 神聖ローマ帝国の皇帝戴冠式の 祝賀の館、レーマー
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 レーマー広場
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 シュテーデル博物館、ドイツ建築博物館、 手工芸博物館など多くの博物館、美術館の並ぶ、 通称博物館通り。 |
 フランクフルトは正式には FRANKFURT AM MAIN、 マイン側沿岸のフランクフルト、という。 マイン側のほとりに発展した大都市だが、 不思議と近代的な高層ビルと古い町並みが 調和している。 |
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