【28】 22〜28/OCT/2001
ノッティンガム

  

23/OCT/2001 -Tue- 練習試合

 サッカーは基本的に毎週水曜日だが、今日は定例の集まりではなく、他のチームとの練習試合が
組まれた。Hyderという会社らしい。6:00キックオフなので、5:00前に会社を出て、ローランドと
いっしょに現地に向かった。会場はVillaParkのすぐ近くの小学校だ。

 11人の正式サッカーはなんだかんだいってU.K.に来て初めてだ。残念ながらまたもや人工芝で、
小学生向けのためかグラウンドがかなり小さく、ちょっと窮屈だが、11人制の方がやっぱりスペース
も広く、走る距離も多くなるので楽しい。結果は3−3のドロー。最後の最後、ゴール前にボールが
流れて来たのだが、ダイビングヘッド届かず。決めていればヒーローだったのにな。

 試合後はそばのパブで飲み会。しかしみんな、サッカーした後、なんにも食べずによくギュルギュル
ビール飲めるな。

24/OCT/2001 -Wed- Villa−Charlton

 会社の中でサッカー部の面々に会うと、「今日はstickyだよ」という。(筋肉痛で)からだが
こわばっているよ、というようなニュアンスだろう。日本語にはあまり適当な直訳がないな。

 さて、夕方の定例のサッカーは間に合わなかったが、今日は平日ながらVillaParkで公式戦が
ある。イギリスのサッカーはだいたい週2試合行われ、土または日がリーグ戦(プレミアシップ)、
水曜日あたりの週の中間日が、チャンピオンズリーグなどのヨーロッパ大会や、FAカップなどの
トーナメントなど他の試合があてられる。が、たまに平日でもリーグ戦が行われることもある。
Mの持っているシーズンチケットはリーグ戦のみ有効で、今回初めての平日&ナイター
観戦となった。

 7:45試合開始で6:00過ぎに会社を出た。食事をする時間がなかったので、スタジアムへの
途中にある屋台(?)でハンバーガーを買ってみた。試合のあるとき、いつもいい匂いをさせて
いたのでいつか食べてみたかった。2.2ポンドながら結構うまかった。ハンバーグ、刻みたまねぎ
以外の具は店頭にあるお皿から、トマト、キューリなどを自由に挟み込め、ケチャップやマスタードを
好みに合わせてかける。なお、結局一個じゃ足りなかったのでスタジアムに入って中の売店でも
ハンバーガーを買ったら、こっちはめちゃめちゃまずかった。フライドポテトのケースがAstonVillaの
模様だったのがせめてもの救いか。救われねえよ。

 ナイターはやっぱり昼間の雰囲気とはちがう。ライトアップされたグラウンドは、もっと、こう、
あでやかな舞台のようだ。

 試合は下位のチャールトンの対し、余裕の試合運びで1‐0の勝利。Villaはついに3位に浮上。
2位のアーセナルとは同勝ち点、首位のリーズともわずか勝ち点1差(引き分けいっこぶん)。

試合詳細はプレミアのページに。

26/OCT/2001 -Fri- 犬レース

 ニールは競馬に詳しく、いろんなデータを分析して賭けるのが好きだそうだ。以前、
ストラトフォードの競馬につれていってもらったことがある。そのニールが今回、ドッグレースに
ビジネスエリアを広げるそうだ。ドッグレースとはそのまま、犬の競争で、競馬と同じくお金をかける。
競馬ほどではないが、そこそこポピュラーな娯楽らしい。

 有志を募ったらニール(英)、M(日)、フィリップ(独)、ダニエル(独)、フランソワ(仏)、
フランソワの彼女のアキさん(日)、グレイク(仏)、グレイクの彼女のシルビア(仏)、コリン(中)、
ティム(マレーシア)と、またまたインターナショナルなチームになった。イギリス人はニールだけ。
新人たちは新人たちの集まりがあったようで、残念ながら不参加。

 犬レースなんていうと、小さな庭にぼろい囲いがあって、みずぼらしいおじさんたちが騒いで
いるのかと思ったらとんでもない、HallGreenStadiamはものすごく立派なコースである。馬に
比べて走る距離が短いため、一周だいたい600mくらいのトラックが主戦場だ。競馬だと馬が
コースの反対側にいるときは見えなくなってしまうが、この犬用のコースならば反対側にいいても
かろうじて見える。

第1レースは7:35から、15分おきに計13レースある。第1レースは賭けずに成り行きを
見ようと思ったのだが、犬の走る速度が予想以上に速いのでびっくり。ニールの話では、
馬より犬のほうが速いらしい。すべてのレースが6匹立てで、賭けるのは1等を予想するWIN、
1等2等を順位ごと予想するForeCast、1等2等の組み合わせを予想するPLACE、1〜3等まで
順位ごと予想するTrioなどがある。Mは大穴ねらいのTrioばかり、最低金額の1ポンドずつ、
一部のレースだけに賭けたので当然あたるわけなし。まあ金儲けに来たわけじゃないし、
犬のレースは予想以上に迫力があり、堪能できた。

wpe1B.jpg (10900 バイト)
HallGreenStadiumはなかなか立派。

wpe20.jpg (11909 バイト)
パドックはなく、レース前にコースをあるかせる。

wpe1F.jpg (11502 バイト)
光量が足りない上に犬は速いのでまともに写らない。

27/OCT/2001 -Sat- Villa-Bolton

Villaの今日の相手はボルトンワンダラーズ。昇格チームながらそこそこ成績を残している。
何より日本代表の西澤が所属しているのだが、ここまで出番は一秒もなし。そして今日の
試合もベンチにすら入れなかった。試合はなかなか白熱した展開となり、3−2で
辛くもVillaが逃げ切る。首位のリーズ、2位のアーセナルが引き分けたため、Villaはなんと首位に
踊り出た。夜のTVのダイジェストの締めくくりはいかのとおり。
「さあ、今節首位に立ったのは、マンチェスターでもなく、リーズでもなく、アーセナルでもなく、
ヴィラです。いつまで続くでしょうか」

試合詳細はプレミアのページに。

28/OCT/2001 -Sun- ノッティンガム

 ヨーロッパ鉄道旅行記第5段、9月17日 〜暗・中・模・索 編〜アップロード!

 朝、なんとなくBBCを見ていたら、テレビの時計が間違っていた!腕時計、部屋の時計他、すべて
BBCのものと一時間ずれていたので家の時計が狂っている、ということはありえない。こんなことって
あるんだ。

wpe1B.jpg (5161 バイト)

 

 今日はちょっと遠出してみた。目的地はNottingham。B’hamからは高速をつかって一時間強の
ところ。森に隠れ、圧制をしくノルマン人に対して反旗を翻した義賊、ロビンフッドがいたとされる
場所だ。
 そしてもうひとつ、6:15からイングランドリーグ2部(DIV1)のノッティンガム・フォレストの試合が
ある。ま、実を言うとこっちがメインの目的なのだが。

 11:00頃ノッティンガムの町についた。田舎町を想定していたが、予想以上に都会だった。
ガイドブックによると、鉄鋼業、織物業で栄え、産業革命でも先駆的な役割を担ったとある。現在も
有数の工業都市だとのことだ。

 まずはチケットを買いに、シティセンターを抜けてスタジアムに行った。ガイドブックの地図には
スタジアムは載っていなかったが、駅をこえたところで遠くからナイターの塔が目に入ったので
それを目指していった。ところがどうも様子がおかしい。マッチデーだというのに全然活気がなく、
人もまばらだ。それに確か、ノッティンガム・フォレストって赤が基調だったはずなのに、スタジアムは
黄色のストライプが施されている。よくよく見ると、「Nottingham County」とある。そうか、他にも
サッカーチームがあるのか。後でわかったのだが、Nottingham Countyはもうひとつ下のDIV2に
所属。そしてNottingham Forestのスタジアム、CityGroundはその隣だった。スタジアムは
どっちも立派。こんな街にこんな大きなフットボールクラブが、それも背中あわせで二つも
存在するなんて!

 チケットの販売は12:00からだったので後回しにして、町の観光に出かけた。ここの目玉は
何を置いてもNottingham城。征服王ウィリアムズが1068年に築いた城塞で、13世紀はじめ、
再建の際に行われたジョン王の圧制により苦しんだ市民のために立ち上がったのがロビンフッド、
とされている。なお、ノッティンガムはあくまでロビンフッドの伝説のもっとも有力な候補地のひとつで、
その他にも諸説紛紛、いろんな土地の名前があがっている。
 入場料が必要なのだが、ちょうどいい時間なので入る前にお昼を済まそうと思い、ローランドに
教えてもらったイングランドで最も古いパブ、 JERUSAREMに行ってみた。ノッティンガム城は
小高い丘に立っているのだが、その丘のふもと、建物の半分を丘の洞窟に突っ込むようにして
たてられている、という。
 場所はすぐわかったが、どうも営業している様子がない。ちょうど人がいたので、聞いてみた。
「今、営業中ですか?」
「日曜日は12:00からです。」
「もう12:15ですが。」
「昨日から時間が一時間戻ったので今は11:15です。」
はあ?何いってんだこの人……。そうか!サマータイム終了か!
ヨーロッパやアメリカでは夏の長い時間を楽しむため、時刻を一時間早めるサマータイムという
制度があるが(サザエさんを紐解くと、昔日本にもあったらしい)、それが終了し、もとの時間に
戻ったのだ。そうか、朝のBBCは間違っていたんじゃなくて、冬時間にもどったんだな。
この制度を知らなかったわけではなく、そろそろ切り替わる時期だと思っており、いつから
元に戻るのか同僚に聞いていたのだが、「うーんいつだったかな、10月の第何週かとかだったな」と
言う返事ばかりでちゃんと認識していなかった。

 というわけでパブにはまだはいれなかったので、先に城を見学した。すでに城塞そのものはなく、
現在では17世紀にニューキャッスル伯に建てられた宮殿が博物館となっている。またここで場内
案内ツアーがあったので参加してみた。
 城がそびえる丘の中には様々な洞窟がある。市民戦争、ばら戦争など幾多の戦争の際に
牢屋や濠として使われたのだ。ツアーは宮殿の脇から始まり、洞窟を抜け、丘のふもとまで
続き、ロビンフッドの伝説に触れ、またちがう洞窟を抜けてもとの場所に戻る。

wpe20.jpg (14157 バイト)
ノッティンガム城。宮殿は博物館となっており、
ノッティンガムの歴史を展示している。

wpe22.jpg (8244 バイト)
ノッティンガム城の地下には様々な洞窟が。

wpe21.jpg (14373 バイト)
こんなところに出てきた。

wpe1F.jpg (12991 バイト)
ロビンフッドの銅像。

 ところで、ロビンフッドの伝説、というと、りんごを自分の息子の頭にのせ矢で射抜く、という
領主の無理難題を克服した寓話を思い出すのは俺だけではないと思うが、それはロビンフッドでは
なくてウィリアム・テルなのだ!

 さて、城をでてちょっと遅い昼飯。先ほど覗いた JERUSAREMで。あまり飲むと午後が総崩れに
なってしまうので、ハーフパイントのビターとチーズバーガーを頼んだ。
 が、ハーフパイントでも総崩れになってしまった。やっぱり自分のアルコールの弱さをなめては
行けない。結局それ以上まともな観光はせず、カフェでぐずぐずしていた。

wpe25.jpg (16028 バイト)
イングランドで最も古いパブ、JERUSAREM

 4:00を廻ったあたりでスタジアムへ向かう。6:15キックオフだが、この季節だと殆どナイターだ。
ノッティンガム・フォレストは1979年のシーズンにはプレミア優勝、翌年にはヨーロッパも制覇し、
トヨタカップにも来日した。もっともMはこのころのチームを知っているわけではないが、
ジョージ・ベストというイングランド史上屈指のストライカーを擁し、当時、イングランドチームの無敵時代
の一端を担っていた。が、現在はヨーロッパやプレミアどころかDIV1に低迷している。一方、対戦
相手はマンチェスター・シティ。マンチェスターというとどうしてもマンチェスターユナイテッドが思い
浮かぶが、ライバル心だけは負けないマンチェスターのビッグクラブで、プレミアからの降格組。
現在の位置付けはマンチェスター・シティ7位、ノッティンガム・フォレスト8位と、目下の敵対相手だ。
 先週行ったバーミンガム・シティの試合が5ポンドだったので、今日の試合もそれくらいかと思ったら
なんと20ポンドも取られた。ふざけんな!プレミア並じゃないか!

wpe28.jpg (7030 バイト)
ノッティンガム・フォレストのホームスタジアム、
City GroundはTRENT川沿いにたたずむ。

wpe2A.jpg (7497 バイト)
そして川の対岸にはもうひとつのチーム、
Nottingham Countyのホームスタジアムがある。

wpe29.jpg (9991 バイト)
川辺では水鳥が羽を休めていた。

 このノッティンガム・フォレストのホームスタジアム、City Ground、なんかちょっとおかしい。
メインスタンドが異様にぼろいのだ。普通サッカーのスタジアムって、ピッチの長方形に合わせ
四辺にスタンドがある。この四辺のうち、ゴール裏の2辺は見にくいので値段が安くなっており、
したがって毎試合繰り返し訪れる熱狂的なファンが陣取る席となる。そして残りの2辺は通常
メインスタンド、バックスタンドとなり、料金は同じであることが多いが、メインスタジアムの方が
立派である。たとえばVillaParkはメインスタジアムは3階建てで、高い位置から見やすい。
また、日本のスタジアムではメインスタンドのみ屋根つき、というところが多い。ところがこの
City Ground、他の3辺に比べ、明らかにメインスタジアムだけ異様にボロイ。飛びぬけてボロイ。
一応屋根はついているが、古い屋根のようで2本の支柱がドン、と立っており、視界をさえぎっている。
太いものではないが目障りだ。それに椅子の質も悪く、せまい。売店やトイレがある通路は
異様に狭く、ハーフタイムのときは東京の地下鉄のようにぎゅうぎゅうだった。恐らく古いスタジアムを
ちょっとずつ改修していって、メインスタンドだけがまだ手がつけられていないのだろう。

wpe2B.jpg (9891 バイト)
メインスタンド以外は超立派。
この季節、さらに冬時間に切り替わったので、
6:15キックオフはナイターだ。

wpe2C.jpg (10952 バイト)
キックオフの瞬間。
非常に見ごたえのあるゲームだった。

 一時間も前にスタジアムに入った。最初まばらだった観客も、キック・オフ時には超満員。
公式発表ではこの日の入場者数は28000人強。先週のバーミンガムシティといい、DIV1でも
恐るべき動員力だ。試合はすばらしい組みたてでフォレストが先制するも、一分後、信じられないような
ミスで同点に追いつかれた。そのまま1−1で終了。ゴールこそ2つしかなかったが、フォレストは
かなりスピードのある攻撃的なチームで、スタジアムの雰囲気も最高。非常に面白い展開だった。
プレミアでなくてもいい試合はある。

 試合詳細はプレミアのページに、2、3日中にアップデートします。