28/OCT/2001 -Sun- ノッティンガム ヨーロッパ鉄道旅行記第5段、9月17日 〜暗・中・模・索 編〜アップロード!
朝、なんとなくBBCを見ていたら、テレビの時計が間違っていた!腕時計、部屋の時計他、すべて
BBCのものと一時間ずれていたので家の時計が狂っている、ということはありえない。こんなことって
あるんだ。

今日はちょっと遠出してみた。目的地はNottingham。B’hamからは高速をつかって一時間強の
ところ。森に隠れ、圧制をしくノルマン人に対して反旗を翻した義賊、ロビンフッドがいたとされる
場所だ。
そしてもうひとつ、6:15からイングランドリーグ2部(DIV1)のノッティンガム・フォレストの試合が
ある。ま、実を言うとこっちがメインの目的なのだが。
11:00頃ノッティンガムの町についた。田舎町を想定していたが、予想以上に都会だった。
ガイドブックによると、鉄鋼業、織物業で栄え、産業革命でも先駆的な役割を担ったとある。現在も
有数の工業都市だとのことだ。
まずはチケットを買いに、シティセンターを抜けてスタジアムに行った。ガイドブックの地図には
スタジアムは載っていなかったが、駅をこえたところで遠くからナイターの塔が目に入ったので
それを目指していった。ところがどうも様子がおかしい。マッチデーだというのに全然活気がなく、
人もまばらだ。それに確か、ノッティンガム・フォレストって赤が基調だったはずなのに、スタジアムは
黄色のストライプが施されている。よくよく見ると、「Nottingham
County」とある。そうか、他にも
サッカーチームがあるのか。後でわかったのだが、Nottingham Countyはもうひとつ下のDIV2に
所属。そしてNottingham Forestのスタジアム、CityGroundはその隣だった。スタジアムは
どっちも立派。こんな街にこんな大きなフットボールクラブが、それも背中あわせで二つも
存在するなんて!
チケットの販売は12:00からだったので後回しにして、町の観光に出かけた。ここの目玉は
何を置いてもNottingham城。征服王ウィリアムズが1068年に築いた城塞で、13世紀はじめ、
再建の際に行われたジョン王の圧制により苦しんだ市民のために立ち上がったのがロビンフッド、
とされている。なお、ノッティンガムはあくまでロビンフッドの伝説のもっとも有力な候補地のひとつで、
その他にも諸説紛紛、いろんな土地の名前があがっている。
入場料が必要なのだが、ちょうどいい時間なので入る前にお昼を済まそうと思い、ローランドに
教えてもらったイングランドで最も古いパブ、 JERUSAREMに行ってみた。ノッティンガム城は
小高い丘に立っているのだが、その丘のふもと、建物の半分を丘の洞窟に突っ込むようにして
たてられている、という。
場所はすぐわかったが、どうも営業している様子がない。ちょうど人がいたので、聞いてみた。
「今、営業中ですか?」
「日曜日は12:00からです。」
「もう12:15ですが。」
「昨日から時間が一時間戻ったので今は11:15です。」
はあ?何いってんだこの人……。そうか!サマータイム終了か!
ヨーロッパやアメリカでは夏の長い時間を楽しむため、時刻を一時間早めるサマータイムという
制度があるが(サザエさんを紐解くと、昔日本にもあったらしい)、それが終了し、もとの時間に
戻ったのだ。そうか、朝のBBCは間違っていたんじゃなくて、冬時間にもどったんだな。
この制度を知らなかったわけではなく、そろそろ切り替わる時期だと思っており、いつから
元に戻るのか同僚に聞いていたのだが、「うーんいつだったかな、10月の第何週かとかだったな」と
言う返事ばかりでちゃんと認識していなかった。
というわけでパブにはまだはいれなかったので、先に城を見学した。すでに城塞そのものはなく、
現在では17世紀にニューキャッスル伯に建てられた宮殿が博物館となっている。またここで場内
案内ツアーがあったので参加してみた。
城がそびえる丘の中には様々な洞窟がある。市民戦争、ばら戦争など幾多の戦争の際に
牢屋や濠として使われたのだ。ツアーは宮殿の脇から始まり、洞窟を抜け、丘のふもとまで
続き、ロビンフッドの伝説に触れ、またちがう洞窟を抜けてもとの場所に戻る。

ノッティンガム城。宮殿は博物館となっており、
ノッティンガムの歴史を展示している。

ノッティンガム城の地下には様々な洞窟が。

こんなところに出てきた。

ロビンフッドの銅像。
ところで、ロビンフッドの伝説、というと、りんごを自分の息子の頭にのせ矢で射抜く、という
領主の無理難題を克服した寓話を思い出すのは俺だけではないと思うが、それはロビンフッドでは
なくてウィリアム・テルなのだ!
さて、城をでてちょっと遅い昼飯。先ほど覗いた JERUSAREMで。あまり飲むと午後が総崩れに
なってしまうので、ハーフパイントのビターとチーズバーガーを頼んだ。
が、ハーフパイントでも総崩れになってしまった。やっぱり自分のアルコールの弱さをなめては
行けない。結局それ以上まともな観光はせず、カフェでぐずぐずしていた。

イングランドで最も古いパブ、JERUSAREM
4:00を廻ったあたりでスタジアムへ向かう。6:15キックオフだが、この季節だと殆どナイターだ。
ノッティンガム・フォレストは1979年のシーズンにはプレミア優勝、翌年にはヨーロッパも制覇し、
トヨタカップにも来日した。もっともMはこのころのチームを知っているわけではないが、
ジョージ・ベストというイングランド史上屈指のストライカーを擁し、当時、イングランドチームの無敵時代
の一端を担っていた。が、現在はヨーロッパやプレミアどころかDIV1に低迷している。一方、対戦
相手はマンチェスター・シティ。マンチェスターというとどうしてもマンチェスターユナイテッドが思い
浮かぶが、ライバル心だけは負けないマンチェスターのビッグクラブで、プレミアからの降格組。
現在の位置付けはマンチェスター・シティ7位、ノッティンガム・フォレスト8位と、目下の敵対相手だ。
先週行ったバーミンガム・シティの試合が5ポンドだったので、今日の試合もそれくらいかと思ったら
なんと20ポンドも取られた。ふざけんな!プレミア並じゃないか!

ノッティンガム・フォレストのホームスタジアム、
City GroundはTRENT川沿いにたたずむ。

そして川の対岸にはもうひとつのチーム、
Nottingham Countyのホームスタジアムがある。

川辺では水鳥が羽を休めていた。
このノッティンガム・フォレストのホームスタジアム、City
Ground、なんかちょっとおかしい。
メインスタンドが異様にぼろいのだ。普通サッカーのスタジアムって、ピッチの長方形に合わせ
四辺にスタンドがある。この四辺のうち、ゴール裏の2辺は見にくいので値段が安くなっており、
したがって毎試合繰り返し訪れる熱狂的なファンが陣取る席となる。そして残りの2辺は通常
メインスタンド、バックスタンドとなり、料金は同じであることが多いが、メインスタジアムの方が
立派である。たとえばVillaParkはメインスタジアムは3階建てで、高い位置から見やすい。
また、日本のスタジアムではメインスタンドのみ屋根つき、というところが多い。ところがこの
City Ground、他の3辺に比べ、明らかにメインスタジアムだけ異様にボロイ。飛びぬけてボロイ。
一応屋根はついているが、古い屋根のようで2本の支柱がドン、と立っており、視界をさえぎっている。
太いものではないが目障りだ。それに椅子の質も悪く、せまい。売店やトイレがある通路は
異様に狭く、ハーフタイムのときは東京の地下鉄のようにぎゅうぎゅうだった。恐らく古いスタジアムを
ちょっとずつ改修していって、メインスタンドだけがまだ手がつけられていないのだろう。

メインスタンド以外は超立派。
この季節、さらに冬時間に切り替わったので、
6:15キックオフはナイターだ。

キックオフの瞬間。
非常に見ごたえのあるゲームだった。
一時間も前にスタジアムに入った。最初まばらだった観客も、キック・オフ時には超満員。
公式発表ではこの日の入場者数は28000人強。先週のバーミンガムシティといい、DIV1でも
恐るべき動員力だ。試合はすばらしい組みたてでフォレストが先制するも、一分後、信じられないような
ミスで同点に追いつかれた。そのまま1−1で終了。ゴールこそ2つしかなかったが、フォレストは
かなりスピードのある攻撃的なチームで、スタジアムの雰囲気も最高。非常に面白い展開だった。
プレミアでなくてもいい試合はある。
試合詳細はプレミアのページに、2、3日中にアップデートします。
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