【13】 25/JUN〜01/JUL/2001
英国競馬事情

25/JUN/2001 -Mon- 電脳孤独

朝一番の仕事はまずメールチェックなのだが、今朝はなぜかメールが見られない。
自分のノートパソコンからメールサーバにつながらないのである。ARUPのサーバは
MicrosoftExchangeなので設定方法はさっぱりわからない。システム担当のデーブ
おじさんはいつも忙しそうなので声をかけるのは気が引けるのだが、見てもらった。
が、彼にもなぜだか全然わからない。OSが日本語なので各種設定の方法を
探るにも一苦労である。結局お手上げで、何も打つ手がなくなったとき、デーブ
おじさんがLANケーブルが抜けていることを発見。まあ大体オチはこんなものである。

26/JUN/2001 -Tue- ウィンブルドン中間報告

ウィンブルドン大会、ヒンギスがいきなり負けてしまった。相手は名前も知らない80位台の
選手だそうだ。ヒンギスは一応現在ATPランキング一位だが、グランドスラムはおととしの
全豪から遠ざかっているらしい。どうも、ナブラチロワやグラフと比べ、安定感に欠ける。
イマイチ女王と呼ぶには力弱い。が、時にものすごい強さを見せるのがまた魅力なのかも。

その他は大体順当勝ち。杉山愛も2回戦に進んだ。朝越しのぶはいきなりVウィリアムズと
あたってしまい、健闘空しく敗れたようだ。が、そのおかげでテレビにたくさん映っていた
(ウィリアムズ中心だったけど)。
ウィンブルドンは昼間行われているのでテレビ中継は見られないが、夜にある程度の時間を
とって総括されて放映される。さしずめ、「熱闘甲子園」あるいは「大相撲ダイジェスト」と
行ったところ。

27/JUN/2001 -Wed- イナモト

昼飯どき、ビックニュースが飛び込んできた。「TAKA、ジュンイチイナモトって
しっているかい?」。どうも稲本のアーセナル移籍、という話が挙がっているらしい。
スポーツニュースのWEB第一面に出ているのをローランドが教えてくれた。
アーセナルの監督はベンゲルというフランス人監督。かつて日本のJリーグで名古屋
グランパスを超弱小チームから天皇杯優勝に導いた立役者で、知将の誉れ高い。
日本の選手のことは良く知っており、稲本の移籍はスポンサーほしさや
人寄せパンダ的な役でもないだろう。稲本は日本代表の不動のボランチで、
身体能力、戦術眼、ボールコントロールとも申し分ない。確か17歳くらいで
現役高校生の時からJリーグデビューし、着実に力をつけてきた。何度か
スタンドから見たこともあり、Mの大好きな選手の1人である。
ロンドンのアーセナルに来るようなら来シーズンは毎週でも見に行くぞ。
教えてくれてありがとう、ローリー。でも仕事しろよ。

先週に引き続き、今日もサッカーに行けず。天気いいのになー。今はいいけど冬場は
3時4時に暗くなるというから、今のうちたくさんボール蹴りたいなー。あーあ。

29/JUN/2001 -Fri- 競馬

先週行こうと思っていたウィンブルドン、結局フランソワのお食事の誘いがあったので
やめた。で、明日行こうかな、と適当に考えていたら、同期のA氏氏からメールが
入ってきた。だいぶ前に一度送っていたのだが、今まで出張で見られなかったらしい。

A氏はうちの会社のロンドン現地法人に勤務している。確かこちらに来てちょうど一年
位になるはず。彼は大阪採用だったが、新人研修のときだけでなく、サッカー部の東阪合宿
でいっしょだったし、あるいは出身大学が同じなので共通の知人や知猿がいるので
それなりに交流はあった。

今日も相変わらず忙しく、8:00、9:00かな、と思っていたが、若ニールからナイター競馬の
お誘いがかかった。本場英国の競馬。これは行くしかない。まあ休日出勤でもして
埋め合わせるか。
というわけで6:30に、フィリップと若ニールと、フィリップのゴルフで出発。
競馬場はStratfordUponAvonにある。シェークスピア生誕の古い町で、一度観光食事
訪れたこともある。競馬場はいわゆる地方競馬の、それもかなり小さいところらしい。

若ニールが仕事中に作り上げた膨大な資料をもとに賭けてみる。といっても、若ニールの
言いなりで、掛け金も半々ずつだけど。ナイターの場合、6:50から9:20まで30分置きに
計6レース行われる。日本にいたときは同期のギャンブラー、K村氏に一度つれて
行ってもらっただけだが、日本の競馬との相違が見られて面白い。

まず、イギリスの競馬は紳士のスポーツ、という話を聞いていたが、大きなレースは
ともかく、ココのような草レースに近いところにはジェントルマンは1人も見当たらない。
競馬新聞片手に赤鉛筆を耳に引っ掛けているおっちゃんばかりである。また、スタンドが
あるのだがコースからかなり遠く、見にくい。そして競馬場につきものの大きなスクリーンが
ないので、走っている間はみんな場内放送の中継にじっと耳を傾けている(もっとも、
イギリスでも普通の競馬場ではスクリーンはあるとの事)。そしてゴール付近になって
「カム・ウォーン!」ときちがいのように叫びまくるのは同じ。一方、賭け方だが、
日本の中央競馬会のようにもと締めが一手に仕切っているのではなく、
そのようなオフィシャルのベットもあるのだが(TOTEという)、それとは別に、個別のBook
Makerがスタンドの前にいくつも店を並べている。いわば、公のノミ行為だ。TOTEよりも
こちらの方が人気がある様子。BookMakerでかける場合は基本的に一位を予想する
単勝のみだが、各BookMakerで配当が異なる。また、同じBookMakerでも時々刻々配当が
変化する。BookMakerのおじサンはホワイトボードの数字をこまめに書き換えながら
器用にお客さんをさばいている。お客さんは自分の予想した馬がどこでもっとも高い配当が
得られるか、15程度あるBookMakerのホワイトボードを一つ一つ観察するのだ。

さて、結果は(といっても予想は全部若ニールのものだが)、2回、それぞれ2.5ポンド
ずつ賭け、二つ目のレースで8番GAYSUN(変な名前)が見事一着。出費計5ポンド、
回収計17.5ポンドで競馬初勝利!

wpe5.jpg (7459 バイト)
ゴール付近で自分のウマを叱咤激励。
ナイターといっても全然明るい。

wpe3.jpg (7491 バイト)
パドック。フィリップは実際に競馬を楽しむより、
ここで馬を見ているほうがいいらしい。で、
資料を見ず、ここで馬の様子を見てずばり
賭ける。が、全然あたらない。

wpe4.jpg (13518 バイト)
スタンドの様子。ジェントルマンなど1人も見当たらない。

wpe6.jpg (9435 バイト)
撮ってくれというので撮った。
このハニーベーコンサンドはバカうまである。

wpe7.jpg (11878 バイト)
個別のBookMakerが別々のオッズを出す。
15程度あるBookMakerを縫うようにしてチェックし、
もっとも有利なところで賭けるのだ。

wpe8.jpg (11333 バイト)
払い戻しを受ける若ニール。あたったのは
結局GAYSUNだけだが、6倍となかなかの配当。
この予想は若ニールの膨大な資料から
はじき出された。

夜。結局家に帰ったのは11:00過ぎだった。A氏に電話をする約束だったのにちょっと
遅くなってしまった。A氏はなんとウィンブルドンから10分くらいのところに
住んでいるらしい。で、一日中試合を見たいとか、お目当ての選手がいるのでなければ、
朝早くから並ばなくても、6:00くらいからリセールが始まり、そのあとの1,2試合を見ることが
できるらしい。明日午前中ロンドンで買い物をし、そのあと15:00くらいにお宅にお邪魔する
約束をした。

30/JUN/2001 -Sat- A氏

9:00過ぎに家を出た。ロンドン近郊までは1.5時間くらいなのだが、相変わらず市内は
走りにくい。
買い物といっても、特に「これ」という目的があるわけではない。日本製品の品揃え豊富な、
ピカデリ−サーカスのジャパニーズセンターに行き、フィリップに頼まれていた日本茶(煎茶)
を自分の分とあわせて二つ、それから海苔などを購入。更に以前からほしかった
湯のみを見つけた。そしてたまたまセールをやっていたナット−をゲットー!
Mは知る人ぞ知る納豆フェチである。3箱95pは日本の倍額くらいだろうが、
かなりお買い得(ほんとは引きわり納豆が一番好きなのだがこちらは高かった)。
刻みねぎが手に入らないのが残念である。

ピカデリ−サーカスからオックスフォードサーカスまでの1km弱、Regend道り沿いは
ブティックの並ぶロンドンの繁華街である。ふらふらウィンドウショッピングをしながら
歩いた。イギリスはなんでも高いが、スーツは、つるしなら高級品でも200ポンドちょい
(4万円くらい)とかなり安い。一着くらい買いたいけどMの場合まず間違いなく丈直し
などが入るだろうから、またとりに来る手間を考えるとちょっとめんどくさい。

 A氏の家はロンドンシティの南、MertonParkというところ。ロンドン市内ではなく、いわゆる
グレーターロンドンと呼ばれるロンドンの通勤圏の住宅街にある。ロンドン市内の住宅の
価格は東京の比ではなく(買うのも借りるのも)、先々週、ロンドン支社の方々と食事を
したとき
に出た話では、もちろん住む場所にもよるが、人気地区では1ベッドルームで
月3,4000ポンド(60‐80万円)もするらしい。したがって、駐在員のほとんどは
少し離れた地域に住む。

A氏の家は3ベッドルームのかなり大きな家で、立派な庭もある。彼はスポーツ好きで
話が合うし、出身大学が同じで、大学時代の下宿や飲み屋の話でおおいに盛りあがった。
また、サッカー部のオヤブンさんと教養のときに同じクラスで、四条河原町の人気
お好み焼き屋、「ぼてじゅう」のバイトで、サッカー部の同期の三輪と一緒だったこともある。
さらにイギリスに来てもう一年経つのでいろいろな情報、保険のこととか、イギリス人の
気質、旅行の行き方、あるいはテレビのテレテキストを使うとほとんどの番組に
英語字幕が入るとか、などなどを教えてもらった。海外に住んでいると、こういった情報は
非常に重要である。
ただ、A氏は酒が強く、同じペースで飲んでいたらくるくるに酔いがまわってしまい、
6:00ころウィンブルドンを見に行こうという計画は流れてしまった。

夕食はA氏の行き付けの焼肉屋へ。この地域は韓国人が多いらしく、韓国人向けの
店が多い。ここでも更にビールを頼み、A氏もだんだん酩酊してきて、頼んだものが
なんだかわからず、焼肉を頼んだのに味噌煮こみ見たいのが出てきて、
とにかく辛いのなんの、でもMは焼肉屋では必ずナムルを頼むのだが
これがおいしくて、でも韓国人だけではなく、ちょっと日本人もいるし、
お隣のキムさんは明日引越しらしい。あー、すっかり酔っ払った。

帰りしは車の列を逆行してウィンブルドンの外周だけをちょっと見せてもらった。
すでに明日のチケットを求める徹夜組の列が出来ている。

01/JUL/2001 -Sun- 休日出勤

結局A氏の家に泊まってしまった。朝はB&Bのような超豪華朝食。身重の奥さんが
いるというのになんとも無神経な話である。たくさんの手土産、ロンドンの日本語情報誌、
各種和風缶詰、そしていろいろな重要情報をもらって家路についた。ちょっとずうずうしい
客でしたね。今度はぜひB'hamの方にも来てください。
いやー、しかしほんと楽しかったです。
A氏は来週からベルギー出張との事。

が、すぐに現実に戻らなければならない。金曜日ちょっと早めに帰ったので、その分
少し仕事を進めなければ。こちらに来て初めての休日出勤である。
14:00ごろオフィスに着き、20:00ごろまでもくもくと作業をした。
日本にいたときもそうだったけど、休日出勤をする日というのはとにかく気分がローになる。
その次の週もリフレッシュしきれずに気持ちが乗らないことも多いし。
そろそろ帰ろうかな、というときにフィリップが来た。やはりドイツ人は勤勉である。フィリップは
昨日も来たらしい。フィリップにロンドンで買ってきたお茶をプレゼントし、入れ替わりで帰った。
しかしやつはこの時間から一仕事するのか?

ロンドンで買ってきたお茶が思いのほかうまかった。こちらの水は硬水で、
紅茶を煎れるとおいしいが、日本茶はイマイチ、という話を聴いていた。
が、なかなかどうして、甘味と渋みのあるやわらかな味わい。奮発して
最高級品、5.95ポンドにして良かった。フィリップも喜んでくれるだろう。
単に日本茶が恋しいだけなのかもしれないけど。

さ!来週もがんばって仕事するか!そろそろ忙しさもヤマを越えるころだろう。