【25】 01〜07/OCT/2001
日本代表

  

01/OCT/2001 -Mon- 半年をふりかえって

 10月突入。UKに来たのは4月アタマだから、ちょうど半年たってしまった。
 なんか大した仕事もしてないし英語も上達しないなあ。こんなんでいいのだろうか。

 日記を一から読みなおして、半年を振り返ってみた。最初のころはずいぶん苦労したなあ。
 車のキャンセルとかボられたり。家を決めるのも、勝手がわからなくてあたふたした。
TVのライセンス料、かなり強気の催促が来たときはずいぶんビビった。シャワーの排水溝
詰まったこともあったっけ。あの時は修理を依頼しても全然来なくってキレかけた。そうそう、
鍵を中に置いたままふらっと外に出て締め出されたこともあった。あの時はほんとあせった。
エリック、イブリン、そしてジョンに助けてもらったんだ。ご近所さんは大切にしないと。
 今は雨露をしのげる家も、行動範囲を広げてくれる車もあるし、テレビも心置きなく見られる。
あれからもう一度シャワーの排水溝が詰まったけど今度は前の教訓を生かし、シャワーを
出しっぱなしにして水をためたらやっぱり水圧で勝手になおった。

 そういや土曜日午前2:00まで仕事したこともあったな。ちょっとそのときは気分も落ち込んだけど、
まああとは暇過ぎず、忙しすぎず。人間、このくらいのペースで生活するのが一番よいのだろう。
日本に帰ったら会社を改革しよう。

 毎週水曜日、定期的にサッカーができるのは幸運だった。誘ってくれたローランドに感謝しなければ。
それに6月のARUPWorldCup、真剣勝負のゲームはやっぱり楽しい。結果は散々だったけどね。

 英国内の旅行は、近場は結構あちこち行った。Cotswalds, Shrewsburyはドライブがとても気持ちいい。
Warwick城は観光のほか、会社のBBQパーティがあった。チャーチルの育ったBlenhaim宮殿
綺麗だったけどちょっと人が多かった。Oxfordは学問の街にふさわしく、落ち着いた雰囲気。
世界で最初の鉄橋、IronBridgeは、橋自体は大したことなかったけど村全体の雰囲気を楽しめた。
日本人が一杯いるStratford-upon-Avonは近いだけに4,5回行った。ちょっと足を伸ばして
リバプールマンチェスターにも行ったっけ。リバプールはちょっと期待ハズレだったかな。
ロンドンは7,8回くらい行っているか。でもまだまだ堪能しきれているとはいいがたい。
っていうかロンドン行ってもあまり観光していないからな。今度きっちり、観光目的で行かなければ。
 今の季節は紅葉が綺麗だが、以前A氏夫人のマキエさんが、紅葉はCotswaldsが非常に綺麗、
って言ってたな。うちから1時間くらいだから時間のある週末にでも行ってみよう。
それからスコットランドにも行ってみたい。エジンバラは以前行ったことがあるけど、それより北を
ドライブしてみたい。

 やっぱり日記は読み返してみると面白い。ある意味、あとから読み返すために書くようなものだ。
誰かにこのWEB、自己満足のページじゃん、といわれたけど、文句あるか?

03/OCT/2001 -Wed- 秋の気配

 それほど忙しいわけではなかったのだが17:00のサッカーには間に合わなかった。どうせ
間に合わないのなら、と思って遅くまで残業した。

 春先から夏場にかけては8:00、9:00まで明るいのに、今は7:00をまわると暗くなってくる。
なんとなくくらい中を運転して帰ると物悲しくなってくる。秋だねえ。

04/OCT/2001 -Thu- 新人

 UKでの年の初めは9月なので、新人はみんな9月に入ってくる。ARUPはドクターや中途採用も
多いので必ずしも9月に集中するわけではないのだが、やはりこの時期は新顔が多い。ATGにも
4名ほどNewGradsがやってきた。しかし彼らが来たときはちょうどMは夏休み中だったため、
歓迎会にも出席せず、なんとなく挨拶を交わすタイミングを失ってしまった。未だに誰が誰だか
わからない。

 しかしみんな優秀だし、積極的だ。まだ入社して1月程度なのにミーティングでも堂々と発言する。
日本人のように「知らないことは恥」っていう感覚がないから少々とんちんかんな質問でもどんどん
してくるし、上の人も丁寧に答える。そうやって知識と経験をつんでいくんだろうな。

 ところで、ATGはおもにこのCampusと、Londonの2グループに分かれているのだが、Londonの
グループに新たに日本人の新人さんがきた。CampusにはATGに限らずオフィス全体を通しても
日本人は1人しかいないのだが、Londonオフィスにはグループの配置上、結構な数の日本人がいる。
実はこの新人の村司さん、前から顔見知りである。Londonとの業務上の交流はほとんどないのだが、
オフィスが違うとはいえ同じグループに日本人がいると思うと心強い。
 今週末、サッカーの日本代表が遠征でナイジェリア代表と、イギリス南部の都市、サザンプトンで
親善試合を行う。そこで村司さんを誘って観戦することにした。フィリップも行きたいというので、Campus
からは2人参加。ニールやローランドも誘ったんだけどあまり興味なさそう。まあ3時間もかけて
よその国の試合を見に行くのはあまり気乗りしないか。

05/OCT/2001 -Fri- パブでは金いらず

天気がよかったのでお昼はみんなでパブへ。この金曜日恒例のパブは10回目くらいだが、実は
まだ一回もお金を払ったことがない。だいたい誰かがみんなの分をまとめて注文するのだが、その人が
払うのが一般的で、それをみんな持ちまわりでやる。が、なんとなくタイミングが難しく、Mはいつも
おごられる側だ。今日もビールはニールに、サンドウィッチはアンディにおごってもらってしまった。

06/OCT/2001 -Sat- 香港大学

 庭の木が色づき始めた。なんの木か知らないんだけど、全然整備しないで殺伐とした庭に唯一
アクセントを与えてくれるている。春先には白い花を咲かせ、夏には濃い緑を楽しませてくれた。
 なお、最初は張りきっていたガーデニングだが、まいた花の種がひとつも伸びず、芝も全然綺麗に
ならないのでやる気なくした。

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色づき始めた木には赤い実がなっている

 Colinは香港大学で修士を終了したあと、ロンドンで博士を取ったのだが、晴れて就職した現在、
他の香港からの学生の世話人を引き受けたそうだ。同じく香港大学からの留学生。香港には
そのような世話人制度があるので、未知の国にきても心配なく勉強に集中できる環境がそろっている。

 で、今日、その香港から来た学生との顔合わせを兼ねて昼食をバーミンガムで取ろう、ということに
なっているそうなのだが、その昼食会に誘われた。

 留学生はBath大学でCivil Engineeringを専攻するAngusと、Birmingham大学で法律を専攻するHeidi。
それにM、Colinでシティセンターの金唐というレストランで食事をした。もう1人、他部署の韓国人、
金氏も来る予定だったのだが都合が付かなかった。
 さすがにColinが選んだレストラン。めちゃめちゃうまかった。

 そのあと、4人でCotswaldsまでドライブに出かけた。Birminghamから約一時間、昔の面影を強く残す
村が点在する丘陵地帯で、紅葉にはもうちょっとかな、という時期だったが、昼食どきに降った雨は
あがり、あっという間に現れた快晴のもと、快適なドライブを楽しんだ。
 その後、シティセンターに戻って今度はタイレストランでディナー、カフェでお茶したあと解散した。
1人でドライブするのも悪くないが、やっぱりみんなでわいわいでかける方が楽しい。

 ところで昔から不思議に思っていたのだが、香港人はみんな英語がとてもうまい。Heidi、Angusともに
イギリスは初めてだそうだが、全然問題なく話せる。別に普段英語を話す機会が、日本人に比べて
そんなに多いわけでもないそうだ。なんでなの、と聞いてみたら、香港ではすべての授業、つまり、
数学、歴史、科学などを、英語で教えられるそうだ。そりゃあみんなうまいわけだ。
しかし一度オチこぼれたらそこなしだな。海外に出てくる香港人はやっぱりエリートなんだな。

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BirminghamCityCenterの中華料理レストラン、金唐。
Colinのチョイスだけあってどの料理もみんなラブリー。

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左からHeidi、Angus、Colin。香港人は
みんな、英語名を持っている。

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Cotswaldsの街のひとつ、Bourton on the Waterで
少し歩いてみた。運河のある小さな村が昔ながらの
たたずまいで存在する。

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Model Villegeに行くと、この街のミニチュアが見られる。
Lloyds(銀行)などの看板も再現されていて芸が細かい。

 

07/OCT/2001 -Sun- 日本代表

 ヨーロッパ鉄道旅行記第2段。9/10,11,12,13〜灼熱の大地編〜 アップロード!

来年のワールドカップ本番までまで一年をきった現在、日本代表は積極的に強化を
行っているが、その一環としてヨーロッパ遠征が組まれた。セネガル、ナイジェリアと、
地元のみならず世界の強豪国に位置付けられるアフリカの両雄と対決する。セネガルとは
木曜日にフランスで対戦、0‐2。惜敗とも見えるが、点差以上に内容では完敗だったという。
そして欧州遠征第2戦は今日、サウザンプトンでこけら落としを済ませたばかりのSt.Mary
スタジアムで、アフリカNo.1、ナイジェリアと対戦する。カヌー、フィニディー・ジョージ、オコチャ、
ババンギーダら、名前は変だが欧州のクラブチームで活躍する実力は折り紙付きのタレントの
宝庫である。サウザンプトンはB'hamからおよそ200km、車で約3時間のところだ。フィリップと
いっしょにいくことになった。ローランドやフランソワ、ニールなども誘ったんだけど
日本−ナイジェリアを見に3時間もかけていく気にはならないと。そういう意味ではフィリップは
物好きである。

せっかくわざわざ遠出するので、少し周りを観光しよう、ということで9:00にフィリップ宅に
行った。フィリップの希望でサウザンプトンの北西、イギリスで最も高い尖塔を持つ教会のある、
Salisburyの町へ行った。大通りA34から少し外れた道は典型的なイギリスの田舎道で、
色づき始めた木を縫って走るのは気持ちがよかったが、昼前くらいから雨が強くなり、Salisburyの
街では大雨。なんとか形だけカテドラルを観光した。Salisburyの観光としては、エクスカーションと
して有名なストーン・ヘンジがあるのだが、それどころではない。

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Salisbury大聖堂

そしていよいよ決戦のスタジアムへ向かう。車を駐車して歩いていくと、日本人がぞろぞろ
歩いているのでびっくりした。ロンドンからは1時間程度なので、多くの日本人が詰め掛けて
いるのだろう。イギリスに来てからこんなに多くの日本人を初めてみた。

日本にいるときは、親善試合などそんなに真剣に見ることはなかったが、遠い異国に来ている、
という感傷があるからだろうか、本戦さながらに力が入ってしまった。君が代斉唱の際は、
思わずジーンと来た。周りの日本人とも妙に連帯感を持ってしまって、あのむかつく
「日本チャチャチャ」にも知らずに呼応していた。試合は常に先制しながらも追いつかれ、
2‐2のドロー。ナイジェリアは個人技は驚異的だが、全く組織立っておらず勝てた試合だった。
もっとも、結果は残念だったが、2ゴールを見ることができて幸せ。ナイジェリアサポータ
(宗主国の関係で、ナイジェリアからの移民は多い)に比べておとなしい日本人サポーター
だったが、得点が入った瞬間、みんなが両手を突き上げながらたちあがって叫ぶあの快感は
なんともいえない。

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日本の先発は川口/宮本、松田、中田/波戸、戸田、伊東、稲本、小野/柳沢、西澤。
試合後のトルシエのコメントでは戸田が絶賛されていたがあのモヒカン頭はいただけない。
ベッカムはとっくに切ったのを知らなかったのだろうか。稲本はそこそこだったが、
同じ英國勢の西澤はイマイチ。そしてつい先日DIV1のポーツマス(隣の街だ)に
移籍を発表した川口は大活躍。

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キックオフ直前!

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嵐の中の試合だったが、観客席は総屋根なので
濡れずに見られる。

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総屋根はもちろん、見やすい電光掲示板、
この大雨の中でも一部を除いて良コンディションのピッチなど、
St.Maryはすばらしいスタジアム。

 木曜日の日記にも書いたが、この日はロンドンの村司さんと合流。いっしょに試合を
見たかったが、前売り席と当日席は間が仕切られていたため、試合はフィリップと2人で観戦。
その後村司さんはじめロンドンの方々とそばのパブでコーヒーを飲みながら、
久しぶりに日本語で試合の感想や近況などをしばし。

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ロンドンオフィスの方々

 帰りはまた3時間ほどのドライブだったが、試合の余韻で充実感一杯。そしてこの
長い長い一日に付き合ってくれたフィリップに感謝。